【2021年版】役員になるのに必要な資格はある?

役員になるための条件(欠格事由)

役員になるために、必須の国家資格などは存在しません。

ただし、役員には「役員になれない人の条件(欠格事由)」が会社法で定められています。

まずは、その欠格事由に関して、役員の種類ごとに見ていきましょう。

取締役になれない人

取締役になれない人(欠格事由)は、以下の通りです。

1.法人
2.成年被後見人もしくは成年被保佐人
3.会社法など一定の法律上の罪を犯し、刑の執行が終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
4.上記3以外の罪を犯して禁固以上の刑に処せられ、または刑を受けることがなくなるまでの者(執行猶予中の者は除く)

すでに取締役に選任されている人が上位の欠格事由に該当した場合、取締役としての資格を失い、自動的に退任となります。

年齢に関する制限はないため、未成年者でも取締役になることは可能です(ただし、親権者の同意が必要になるなどの条件があります)。

監査役になれない人

会社法では、監査役の欠格事由は取締役のそれを準用しています。

つまり、監査役の欠格事由も、上記で挙げた取締役のものと同じものがそのまま当てはまります。

また、監査役には「兼任禁止」というルールもあり、以下に当てはまる人は監査役との兼務ができません。

1.取締役および支配人その他の使用人
2.子会社の取締役および支配人その他の使用人
3.執行役および子会社の執行役
4.会計参与、子会社の会計参与および親会社の会計参与
5.会計監査人および親会社の会計監査人

会計参与になれない人

会計参与は、取締役と共同で、計算書類等の作成を行う株式会社の機関です。

公開会社でなく監査役を置かない取締役会設置会社(委員会設置会社を除く)は、会計参与の設置が義務付けられます。

会計参与の欠格事由は、以下の通りです。

1.株式会社またはその子会社の取締役、監査役もしくは執行役または支配人その他の使用人
2.業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者
3.税理士法43条の規定により同法2条2項に規定する税理士業務を行うことができない者

つまり、会計参与になるのは税理士業務を行える人であり、具体的には「税理士」「税理士法人」「公認会計士」「監査法人」が当てはまります。

役員におすすめの資格

ここまで挙げてきた欠格事由に該当しないのであれば、役員になれる可能性はあります。

ただし、実際に役員として働くにはビジネス全般に対する深い理解が求められるため、それらの勉強をして、資格取得まで目指す人が少なくありません。

役員がよく取得する資格の種類は、大きく「経営」に関するものと、「税務・会計」に関するものに分けられます。

ここでは代表的なものを紹介します。

経営系の資格

中小企業診断士

中小企業診断士は、「一般社団法人 中小企業診断協会」実施の、企業経営に関する総合的な知識があることを証明する国家資格です。

経済学法務、財務、会計から運営管理、人事、マーケティングなど幅広い分野について学ぶため、多様な業種の経営者にとって役立つ資格とされています。

難易度は高めで、合格率は4~5%です。

参考:中小企業診断協会

MBA(経営学修士)

MBAとは「Master of Business Administration」の頭文字をとったもので、経営学の国際資格として有名です。

正確には学校を出て得られる「学位」のひとつにあたり、世界中にあるMBA教育機関で学び、修了すればMBAが得られます。

マーケティングや財務、統計学など、経営者として求められる基礎知識を学問として身につけていることを証明できます。

アメリカでは幹部や役員クラスがMBAを取るケースが非常に多いですが、最近では日本人経営者がMBA取得を目指す例も増加中です。

経営士

経営士は、「一般社団法人 日本経営士会」認定の、経営コンサルティングに関する知識をもつことを証明する資格です。

「経営士」と「経営士補」の2つの資格に分かれており、それぞれ企業の経営管理に携わっていることや、独立して業を営んでいることなどについて、一定年数以上の実務経験が求められます。

コンサルティング業務に携わる人向けの資格ではありますが、この資格の勉強を通して、経営、生産、販売、人事、財務、情報など、企業経営に関する幅広い知識を身につけることができます。

平均合格率は70%ほどとされています。

税務・会計系

日商簿記検定

役員は、自社の財務状況だけではなく、業界比較や取引先の財務を理解し、取引の方針を決定しなくてはなりません。

簿記を学ぶことで、強引な経営をしていないか、赤字や資金繰り悪化になる可能性はないかということがわかるようになります。

参考:商工会議所 日商簿記検定

公認会計士

公認会計士は、財務や会計に関する専門知識を有するプロフェッショナルであることを証明する国家資格です。

3大国家試験のひとつといわれ、合格率は10%ほどの難関資格です。

公認会計士資格を取得すれば、企業が作成する財務諸表の監査業務に携わることができるようになるため、監査法人や個人事務所で活躍する人が多くなっています。

ただし、学ぶ内容が経営者に通ずるところも多々あるため、企業の管理職や経営者が取得を目指すケースも目立ちます。

公認会計士の仕事
公認会計士・監査審査会

税理士

税理士は、税務の専門家として、税務書類の作成や税務相談などを行うための知識・スキルを証明する国家資格です。

一般的に、会社の経営者は税務関連の処理について外部の税理士に依頼しますが、自身で税務の知識を持っていれば、より効果的な節税にもつながります。

税理士の仕事
国税庁 税理士試験