「営業」とは
企業において、自社の商品やサービスをお客さまに提案・販売し、利益を生み出す仕事。
営業は、メーカーや商社、金融会社、保険会社、不動産会社といったさまざまな業界の企業で、自社の商品やサービスを個人や法人のお客さまに提案し、購入してもらうことで利益を生み出す仕事です。
電話、メール、訪問といった方法でお客さまと直接コンタクトをとり、ヒアリングによって相手のニーズや抱えている課題などを把握したうえで、適切なアプローチによって受注に結びつけていく必要があります。
基本的に、なるために特別な資格が必要とされることはなく、熱意や人間性が重視されます。
営業の仕事では、日々の受注や売上目標が「ノルマ」という形で設定されることが一般的であり、給料は成果に応じた額がインセンティブとして支給されることが多いため、人によって収入には差が出やすくなっています。
営業職を必要とする企業は多くあるため、本気で就・転職を考える人にはチャンスも大きいといえるでしょう。
「営業」の仕事紹介
営業の仕事内容
自社の商品やサービスを提供する
営業は、メーカーや商社、金融会社、保険会社、不動産会社といったさまざまな業界の企業で、自社の商品やサービスを個人や法人のお客さまに提案し、購入してもらうことで利益を生み出す仕事です。
お客さまと直接コンタクトをとり、相手のニーズや抱えている課題などを把握したうえで、適切なアプローチによって受注に結びつけていく必要があります。
どのような企業においても、お客さまと直にやりとりをする営業は自社の「顔」となり、利益を直接的に生み出していく重要な役割を担っています
なお、営業は具体的な業務内容などによって「国内営業」「海外営業」「ルート営業」「新規開拓営業」「カウンターセールス」など、さまざまな種類に分けることができます。
営業の就職先・活躍の場
営業が活躍できる場は多い
営業は、商社、保険、金融、自動車、不動産、IT、医薬品、人材サービスなど、さまざまな業界の企業で働いています。
世の中にある多くの企業が社内に「営業部」を設置しており、営業職の採用も目立ちます。
しかし、別の見方をすると就職先の選択肢が多いため、自分自身で「営業としてどのような仕事がしたいのか」を先に考えておかないと、いざ仕事を始めてから「何だかイメージしていたものと違った」ということにもなりかねないので注意が必要です。
営業の1日
社外で過ごすことが多い1日
ここでは、一般的な営業のある1日の過ごし方を紹介します。
8:30 出社
8:50 朝礼
部門長から重要な連絡事項などの通達があります。
9:00 業務開始
お客さまからの問い合わせなどには即対応します。
9:30 営業活動へ
1日のスケジュールを確認し、アポイントメントの時間に合わせて得意先を回ります。
11:00 休憩
アポとアポの間に昼休憩をとります。
営業は終日外出することが多いため、外出先でも仕事ができるようPCやスマートフォンは必須です。
13:00 客先訪問
以前から取引のあるお客さまに、新しいサービスのプレゼンを行います。
15:30 客先訪問
しばらく間が空いていた得意先を訪問し、ヒアリングを行います。
16:30 帰社
日報を作成し、お客さまから依頼を受けた見積書を作成。
17:30 チームミーティング
他のチームメンバーも続々と帰社するため、情報共有を行います。
18:00 翌日の準備
明日のスケジュールと持参する書類の確認をし、大きな取引の前などは、夜遅くまで資料作成を行うこともあります。
営業になるには
「業界」または「やりたいこと」で考える
実際に営業職に就きたいと思ったときは、あらゆる業界で募集しているため、志望する企業の就職試験を受けます。
まずどんな業界で働きたいのかを決めます。
その業界の中で各社の事業内容や社風などを比較して選びます。
もうひとつは、やりたい仕事を考えます。
たとえば「海外営業をしたい」という場合、海外に拠点を置く企業や、海外と取引がある会社を選ぶので、必然的に候補が絞られてきます。
営業の仕事は業界・企業ともに選択肢が広いだけに、自分でどのように働きたいのかをしっかりと考えなくてはなりません。
営業の学校・学費
学歴に対する考え方はさまざま
営業に対する学歴についての考え方は、企業によってまちまちです。
大手企業では難関大学の学生がこぞって集まるところもありますし、学歴は一切不問で採用をしている企業も少なくありません。
ちなみに、どの営業にも必要とされるのは、「対人関係を上手に構築する力」や「聞く力」です。
いわゆる体育会系出身など、元気で明るく、心身ともに鍛えられている人が好まれやすい傾向にはありますがすべての営業がいわゆる「熱血」のようなタイプを求められているわけではありません。
営業の資格・試験の難易度
特別な資格は必要なし
基本的に、営業は特別な資格は必要とされる仕事ではありません。
ただし、海外との取引を行う営業職の場合には、英語などの語学力が必要とされる場合があります。
また、入社後、不動産会社で営業をする場合は「宅地建物取引主任者」、金融業界では「ファインナンシャル・プランニング」関連の資格取得を目指すようにいわれることもあります。
いずれの場合も入社の段階で必須の資格ではないので、研修や経験を積んでキャリアアップするうちに資格にチャレンジすることが多いようです。
営業の給料・年収
成果によって差が出ることも
営業の給与は、勤務先となる企業の規模や勤続年数、役職、年齢などによってだいぶ異なりますが、平均年収は460万円程度とされています。
ただし、営業は日々の受注や売上目標が「ノルマ」という形で設定されることが一般的で、より高い目標を達成した人は、インセンティブという形で成果に応じた金額がプラスして支払われるケースも多くあります。
そのため、同年代でも個人によって収入には差があり、トップ営業ともなれば若くてもかなり高額な収入を稼いでいる人もいます。
営業のやりがい、楽しさ
成果が目に見えやすい
営業の魅力のひとつは、自分の日々の仕事の成果が「数字」という目に見える結果として表れやすい仕事だということです。
営業の場合、「1件受注するごとに〇〇円」、「今月は〇件受注して△円の売上を達成した」と、成果が明確にわかります。
目に見える形で評価されると日々やりがいを実感できますし、いい成績を残すことができれば社内での評価はどんどん上がります。
昇進や昇格にもつながるので、どんどんキャリアアップしたい人にとって魅力的な仕事だといえるでしょう。
営業のつらいこと、大変なこと
ノルマや達成目標に追われる
営業は、自社の商品やサービスをお客さまに売ることが仕事です。
個々の営業には売上目標、いわゆる「ノルマ」が課せられていることも多々あり、プレッシャーになって仕事がつらい、苦しい、と感じてしまう人も少なくないようです。
また、どれだけ魅力的な商品を提案しても、すべてのお客さまが買ってくれることはありえませんし、そもそも話をまともに聞いてもらえないこともあります。
仕事を続けているうちに少しずつ慣れてくるものですが、何度も断られたり冷たい態度を取られたりする仕事なので、メンタルの強さが求められる仕事です。
営業に向いている人・適性
人と接することが好きな人
営業は、仕事の大半の時間を「人」とコミュニケーションをとることに費やします。
常に相手を理解しようとする気持ちを持ち、人と話すことで楽しい気持ちになれるような人のほうが向いているといえます。
またの仕事で大切なのは、「話す力」よりも「聞く力」だといわれます。
どれだけ巧みな話術を持っていても、的が外れた提案をしていれば相手をいら立たせてしまうだけです。
相手の話をよく聞き、相手をよく知ろうという姿勢を持てる人に向いている仕事だといえるでしょう。
営業志望動機・目指すきっかけ
自分の言葉でしっかりと話す
営業の仕事がしたいと考える人の志望動機は、営業という仕事そのものに魅力を感じた、特定の業界で営業がしたい、やればやるだけ評価される仕事がしたいなどさまざまです。
面接の場で最も重視されるのは、自社の顔となってお客さまの前に立てるだけの人間性があるかということです。
あらかじめ用意された言葉よりも、自分自身が感じる営業職の魅力を自分の言葉でしっかりと伝えていくのがコツです。
また、第一印象も重視される仕事であるだけに、身だしなみや清潔感といった外見への意識も重要です。
営業の雇用形態・働き方
正社員が一般的
営業職は自社のサービスや商品を売り込むため、一般的には正社員として雇用されることが多いです。
一口に営業職といってもさまざまな働き方があり、企業を対象とした「法人営業」、一般消費者を対象とした「個人営業」、すでに取引のある顧客を回る「ルート営業」、飛び込みやテレアポなどで営業先を開拓する「新規開拓営業」などがあります。
また、店舗を訪れたお客さまに営業する「カウンターセールス」、自社商品を海外に向けて販売する「海外営業職」、製薬会社などの医薬品メーカーに勤務する「MR」、ITや電機・機械系メーカーなど技術に関する営業をする「セールスエンジニア」などがあります。
営業の勤務時間・休日・生活
事務職に比べると残業は多い
営業というと、「残業が多い」というイメージがある方も多いでしょう。
実際、営業は事務職と比べると、どうしても残業が増えがちです。
日中は外回りをする時間が長いため、見積書やプレゼンテーション資料の作成、お客さまからの依頼事項の確認、日報記入などは帰社してからやることになります。
そうなると、どうしても残業時間が増えていってしまい、終電近くまで仕事をするということも珍しくはありません。
また、通常業務とは別に、得意先との会食や接待をするため、業務時間外に動かなくてはならないこともあります。
営業の求人・就職状況・需要
求人数は多いが転職率が高い仕事
営業は多くの企業で必要とされているため、求人数も多くなっています。
ただし営業は、転職する人の割合が多い部類の仕事だといわれています。
転職理由はさまざまですが、すでに営業として働いていた人がさらなるキャリアアップを目指して会社を移る場合と、異職種から営業を目指す人の両方がいます。
営業は、一般的に特別な資格は必要とされず、正社員としての採用もそれなりに多いためやる気さえあれば良い条件で就職することはそこまで難しくはないでしょう。
営業の転職状況・未経験採用
未経験者でも転職しやすい
営業職は、未経験者であっても転職しやすい仕事です。
たいていの場合、最重視されるのは熱意です。
業務上必要な知識・スキルは入社後に学ぶことが多いため、まず熱意さえあれば歓迎されることが多いです。
たとえ営業未経験であっても、接客・販売などに携わっていた場合には、「お客さまと接する」ということの基本を生かすことができるでしょう。
ただし、なかには未経験者にも厳しいノルマが課せられたり、残業時間が長かったりして、営業の離職率が著しく高い企業も存在するので注意が必要です。
営業の現状と将来性・今後の見通し
変わりゆく営業プロセス
近年、営業のスタイルにも変化が表れています。
あらゆる業界でITが活用されるようになり、ビジネスを進めるうえでは「スピード感」が以前にも増して求められるようになっています。
これまでは、とにかく顧客の元へ何度も何度も足を運んで信頼を得る、というのが基本的な営業の考え方でしたが、現代はWebマーケティングで効率的な営業活動を行う企業も増えています。
グローバル社会となり、本格的に海外進出を仕掛ける企業も増えているなか、営業プロセスのIT化はさらに進み、営業のあり方も変わっていくものと考えられます。