【2021年版】ロボットエンジニアの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「ロボットエンジニア」とは

ロボットの開発・設計を行い、人々の生活を豊かにする

ロボットエンジニアとはロボットの開発・設計を行うエンジニアのことです。

「ロボット」と聞くと漫画やアニメのキャラクターが思い浮かぶかもしれませんが、ロボットエンジニアが製作しているロボットは、すでに私たちの生活のさまざまな場所で働いています。

たとえば自動車メーカーや食品メーカーでは、多くの産業用ロボットが工場内で稼働し自動車や食品を作っています。

また高齢者の移動を補助する介護ロボットや、医師の手術支援を行う医療ロボットなども今や社会にとって欠かせない存在です。

このように、現代社会のあらゆる場面でロボットは必須なものとなっており、ロボットエンジニアは人々の生活を豊かにする重要な職業といえるでしょう。

ロボットエンジニアになるには電気工学や電子工学、機械工学などに関する高い専門知識が求められるため、まずは工学系・工業系の専門学校や大学に進学して知識を身につけるのが一般的です。

少子高齢化の問題を抱える日本では幅広い業界で人手不足が問題となっています。

深刻化する人手不足を解決する手段としてロボット需要は加速度的に増えていくことが予想されています。

「ロボットエンジニア」の仕事紹介

ロボットエンジニアの仕事内容

ロボットの仕様・用途の決定から実証実験まで担当する

ロボットエンジニアのメイン業務はロボットの開発ですが、具体的な仕事内容は多岐にわたります。

ここでは「ロボットの仕様や用途の決定」「設計・開発」「実証実験」の3つに分けてロボットエンジニアの仕事をみていきましょう。

ロボットの仕様や用途の決定

ロボットの開発に入る前に、まずはロボット全体の仕様や用途を決定します。

ロボットと一口に言っても、メーカーの製造工場で使われるものや、災害現場での人命救助に用いられるものなどさまざまな種類のロボットが存在します。

ロボットエンジニアは専門知識をもとに、ロボット開発によって現状の課題がどう解決できるのかを考えていきます。

ロボットの設計・開発

ロボットの開発は「センサー」「知能・制御」「駆動」の大きく3つの専門分野に分かれます。

人で例えると、センサーは「目や耳などの感覚器官」、知能・制御は「頭脳」、駆動は「手足」に相当します。

基本的には各分野に分かれて作業を行い、それぞれの開発状況を定期的に共有しながらロボットの開発を進めていきます。

ロボットの実証実験

ロボットがある程度の形になったあとは、その実証実験もロボットエンジニアの大切な仕事です。

「プログラミング通りの動きになっているか」「最初に想定していた役割を果たせるか」などについて、実際の環境で検証を行い、完成度を高めていきます。

ロボットエンジニアになるには

ロボット工学の基礎知識を身につけてメーカーなどに就職する

ロボット開発には工学系のなかでも最先端の知識が必要です。

具体的には機械材料の一般的な知識から、ロボットの設計方法やデザインの知識、プログラミング技術などが求められます。

ロボットエンジニアになるには工学系・工業系の専門学校や大学に進学してロボット工学の基礎知識を身につけたうえで、卒業後はロボット開発を手がけるメーカーなどに就職するのが一般的です。

ロボット開発の分野によっては医学や人間工学などの知識も必要になるため、大学院に進学して博士号を取得してから就職する人もいます。

ロボットの展示会に参加したりニュースを参考にしたりしてロボットに関する最新情報を押さえつつ、「自分はどの分野のロボット開発に携わりたいのか」を決めたうえで進学先を考えるとよいでしょう。

また大学などで身につけた知識に加えて、プログラミングに関する能力を示す「情報処理技術者試験」や、作図の技能を証明する「CAD利用技術者試験」などの資格を取得すれば面接時のアピール材料になります。

参考:情報処理推進機構 情報処理技術者試験

参考:CAD利用技術者試験

今後の日本では少子高齢化によって働き手が減少することから、それを補う手段として、製造業をはじめとしたさまざまな産業でロボット需要が高まっていくと予想されています。

ロボットエンジニアの学校・学費

工学系・工業系の専門学校や大学に進学するのが一般的

ロボットエンジニアになるには機械工学や制御工学、電気工学などロボット工学の基礎知識を身につける必要があります。

そのため高校卒業後は工学系・工業系の専門学校や大学に進学し、そこでロボット開発に必要な知識を勉強するのが一般的です。

もともと工学系の高校に通っていた場合は、高校卒業後にそのままロボットエンジニアとして就職するケースもあるでしょう。

ロボットエンジニアは学歴自体はそこまで関係ない仕事であり、一部では「大卒以上」としている企業もありますが、多くは「高卒以上」で募集がかけられています。

ただしほとんどの求人には「機械、電気、設計などに関する知識をもっていること」といった応募条件が課されているため、まったく知識のない状態での就職は簡単ではないでしょう。

ロボットエンジニアの学費については、専門学校に通うか大学に通うかで大きな差があります。

専門学校の場合、通う期間は2年間が多く、1年あたりの学費は100万円前後が相場です。

大学の場合は4年間通うことになり、1年あたりの学費は150〜180万円程度が相場となるでしょう。

ロボットエンジニアの資格・試験の難易度

業務に役立つさまざまな資格が存在する

ロボットエンジニアに必須の資格はありませんが、持っていればスキルの証明になったり面接時のアピール材料として使えたりする資格は存在します。

たとえばプログラミングに関する基礎知識を証明できる「情報処理技術者試験」や、設計の現場で活かせる「CAD利用技術者試験」などが挙げられます。

参考:情報処理推進機構 情報処理技術者試験

参考:CAD利用技術者試験

また英語で書かれたマニュアルなどを読解するうえで、「技術英語能力検定」を取得しておくと実際の業務で役立つでしょう。

参考:公益社団法人 日本技術英語協会 技術英検を受ける

そのほか企業によっては「機械設計技術者試験」「電気主任技術者試験」なども推奨されており、それらを取得することで仕事の幅を広げられます。

参考:一般社団法人日本機械設計工業会 機械設計技術者試験

参考:一般社団法人電気技術者試験センター

ロボットエンジニアの給料・年収

平均年収は他業界と比べてやや高め

求人サービスなどの調査データから、ロボットエンジニアの平均年収は 450万円~550万円程度になると考えられます。

ロボット工学に関する専門知識が必要な仕事であることから、平均年収は他業界と比べてやや高い傾向にあります。

ただし上記はあくまで平均としての金額であり、勤務先や本人の持っているスキル・経験などによって給料には大きな差が出るでしょう。

ロボット開発を手がける企業は大手企業からベンチャー企業まで多岐にわたるため、給料だけなく開発分野や業務内容についても各企業によってまったく異なります。

大手企業に所属し、そのなかで着実に昇進していけば年収1,000万円以上も狙える仕事です。

また数は少ないものの、知識のない完全未経験者を雇用する会社もあり、その場合は少し低めの給料からスタートとなります。

ロボット開発の分野はまだまだ発展途上であり、人体の動きをアシストする着用型ロボットや、人との会話を実現させるコミュニケーションロボットなどさまざまな分野で開発が進んでいます。

新たにロボット開発に乗り出す大手企業も今後増えていくと予想されるため、高い技術力のあるロボットエンジニアの需要は高まり、それに見合った報酬が支払われるでしょう。

ロボットエンジニアの現状と将来性・今後の見通し

IT技術の進歩にともない、さまざまな産業で需要が高まっている

IT技術の進歩にともない、ロボットエンジニアは近年注目が集まっている仕事です。

これまでロボットと言えば、最先端の技術を必要とする分野や、一部の大企業のみで活用されていました。

しかし少子高齢化にある日本では人手不足対策が大きな課題となっており、それを解消する手段としてさまざまな産業でのロボット活用が注目を集めています。

とくに人手不足が深刻な仕事の一つに「警備」があり、人の代わりに巡回業務などを行える警備用ロボットを導入する企業もみられるようになりました。

警備以外にも食品業界や介護業界、運輸業界などでもロボットの需要は高まっています。

また産業用ロボットだけでなく、家庭用ロボットの分野も日々進化し続けています。

利用者の多い家庭用ロボットとしては、「ルンバ(iRobot社)」に代表されるロボット掃除機が挙げられるでしょう。

それ以外にも最先端のAIが搭載された高度な家庭用ロボットも登場しており、子どもと会話をすることで語学学習ができるロボットもあります。

このように産業用・家庭用問わずロボット技術の進歩は著しく、新たなロボットが次々と研究開発されている状況です。

この流れは今後さらに加速していくと予想され、ロボットエンジニアの需要もますます高まっていくでしょう。

ロボットエンジニアの就職先・活躍の場

代表的な就職先は電機メーカーや機械メーカーなど

ロボットエンジニアのおもな就職先は、電機メーカーや機械メーカー、自動車メーカーなどが挙げられます。

また、これまでロボットとは無関係だった企業が新たにロボット開発に参入するケースもあり、そこでもロボットエンジニアが求められるでしょう。

企業の規模はさまざまで、事業の一つとしてロボット開発を行う大手企業もあれば、ロボット開発を専門に行うベンチャー企業も存在します。

とくに大手企業は就職競争率が高い傾向にあるため、内定を勝ち取るのは簡単ではありません。

ロボットエンジニアの1日

ほかのロボットエンジニアと連携しながらロボット開発を進める

ここでは、機械メーカーで産業用ロボット開発に携わるロボットエンジニアの1日を紹介します。

8:30 出勤
少し早めに出勤して、メールや1日のスケジュールなどを確認します。
9:00 社内会議
ほかのロボットエンジニアと一緒に、ロボット開発に関する社内会議を行います。
10:00 ロボット開発業務
ロボットエンジニアはロボット開発が仕事のメインです。プログラムを組んだり部品の組み立てを行ったりします。
12:00 休憩
1時間のランチ休憩をとって午後の仕事に備えます。
13:00 開発プロジェクトの会議
クライアントを交えて、開発の進捗状況を伝えたり細かい要望をヒアリングしたりします。
15:00 ロボット開発業務
再びロボット開発を進めます。動作テストなども随時行っていきます。
18:00退勤
最後、翌日にやるべきことを確認して1日の業務は終了です。

ロボットエンジニアのやりがい、楽しさ

クリエイティブな毎日を送れること

ロボットの開発は設計や組み立て、センサーの開発、プログラミングなど多岐にわたり、ロボットエンジニアはその一つひとつの課題をクリアしながら開発を進めていきます。

完成までには長い年月がかかることも多く、自分が手掛けたロボットが自律して動いたところを見たときに感動を覚えるロボットエンジニアは少なくありません。

ロボット開発がスムーズに進まないときもありますが、日々新しい課題に挑戦するクリエイティブな毎日を送れることは大きなやりがいとなるでしょう。

ロボットエンジニアのつらいこと、大変なこと

就職後も主体的に勉強し続ける姿勢が求められること

ロボット開発を進めるうえでは機械工学や電気電子工学、コンピュータサイエンスなど幅広い分野の技術・知識が必要になります。

加えてテクノロジー周りの技術はどんどん進化していくため、一度身につけた知識は日々アップデートしていかなければなりません。

このように、就職したあとも主体的に勉強し続ける姿勢がロボットエンジニアには求められます。

ロボット開発に深い関心をもっている人や新しいことを学ぶのが好きな人でなければ、ロボットエンジニアの仕事はつらいと感じてしまうでしょう。

ロボットエンジニアに向いている人・適性

就職後も主体的に勉強し続ける姿勢が求められること

ロボットエンジニアにまず欠かせないのは、論理的思考ができることです。

「どう設計すればイメージ通りの動きを実現できるのか?」「エラーが発生してしまう原因はどこにあるのか?」といった部分について、物事を体系的に整理しながら一つひとつ検証していかなければなりません。

論理的な思考ができなければ、ロボット開発をスムーズに進めていくのは難しいでしょう。

またロボット開発の現場はつねにトライ&エラーの繰り返しです。

思うように開発が進まない状況でも、地道に努力していける忍耐力が求められる仕事です。

ロボットエンジニア志望動機・目指すきっかけ

ロボット作りに携わりたい

ロボットエンジニアを目指す人の多くは、もともと「ロボット作りに携わりたい」という強い気持ちを抱いていた人です。

工業高校などに通っていて、そこでものづくりの仕事に興味をもちロボットエンジニアを目指すようになった人もいます。

なおロボットエンジニアとして就職するには、まずは工学系・工業系の専門学校や大学に進学してロボット開発に必要な知識を身につけなければなりません。

そのため就職活動の時期に「ロボットエンジニアになりたい」と急に思い立っても、すぐに実現は難しいでしょう。

ロボットエンジニアの雇用形態・働き方

求人のほとんどは正社員での募集

ロボットエンジニアの求人のほとんどは正社員での募集です。

一つのロボットを作り上げるには長い期間が必要であり、またロボットエンジニア同士のチームワークも開発の進捗に大きく影響します。

そのため、多くの企業は、長期にわたり確実に開発を続けることができるロボットエンジニアにより業務を進めたいと考えます。

長期・確実な開発には正社員のロボットエンジニアが必要なので、求人の多くが正社員募集となります。

一部ではロボットエンジニアのアルバイト求人も見つかりますが、その場合はあくまで補助業務を任されることになり、開発のメイン部分に携わることはできないでしょう。

ロボットエンジニアの勤務時間・休日・生活

勤務時間や休日はある程度固定されている

ロボットエンジニアの勤務時間は就職先によっても異なりますが、9:00〜18:00の時間帯で実働は8時間程度になることが多いでしょう。

基本的には土日・祝日が休日であり、そのほか夏期休暇や年末年始休暇なども用意されているのが一般的です。

休日はある程度固定されているため、比較的ワークライフバランスの取りやすい環境といえます。

会社によっては社内に通信教育講座が導入されていたり、外部の講座に参加した際に受講料補助を受けられたりするケースもあります。

ロボットエンジニアの求人・就職状況・需要

業界全体で見れば安定的な需要がある

ロボットエンジニアの求人状況については、業界全体で見れば安定的な需要があるといえます。

ただしロボットエンジニアと一口に言っても、たとえば「産業用ロボット開発のエンジニア」「ドローン開発のエンジニア」「宇宙ロボット開発のエンジニア」など、その種類は多岐にわたります。

そのなかで急激に需要が伸びている分野もあれば、逆に需要が減っている分野もあるでしょう。

各分野の将来性を見すえたうえで、どんなロボットエンジニアを目指したいかを考えていきましょう。

ロボットエンジニアの転職状況・未経験採用

応募条件を設けている企業も多い

ロボットエンジニアの中途募集は「経験者採用」が中心です。

なかには未経験者の採用を行っている企業もありますが、その場合でも「電気工学や情報工学を専攻していること」などの応募条件が設けられていることが多いでしょう。

ロボット開発は専門的な知識が必要不可欠な仕事であり、ロボット工学の知識が一切ない状態で転職先を探すのは簡単なことではありません。

全体の求人数自体は安定しているため、「ロボットエンジニアからロボットエンジニアへの転職」といったケースであれば、多くの選択肢があるでしょう。

ロボットエンジニアに必要な能力は?

工業系の高い専門知識とコミュニケーション能力が求められる

ITをはじめ電気工学や電子工学、機械工学など、工業系の高い専門知識がロボットエンジニアには必要です。

「理想の動きを実現するには駆動部分をどう設計すればよいのか」「センサーやモーターをどのように動かせばよいのか」といった部分が理解できなければロボット開発はできないでしょう。

このようなロボット工学に関する専門知識に加えて、コミュニケーション能力も必要不可欠なスキルです。

ロボットを作り上げるうえではほかの領域のエンジニアとチームを組んで作業を行うのが基本であり、チームでしっかり連携をとることで開発はスムーズに進むでしょう。