統計学とは? 統計の知識を活かせる就職先についても解説
統計学の概要・理念
私たちが暮らしている社会では、日々大量の情報がやりとりされています。
ある商品を市場に投入した結果、どのような地域、年齢、性別の人がどんな時間帯に購入したのか、といった情報は、商品の販売戦略を考えてく上で貴重な資料となります。
こうした情報は、ただ収集しただけの状態では何の規則性もないばらばらのデータの集まりのように思えてしまうことがほとんどです。
そこで、一定数のサンプルから全体的な傾向を把握したり、今後の動きを推測したりする必要があります。
このとき用いられるのが統計学の手法なのです。
今後はマーケティングにビッグデータを活用することがごく一般的になっていくと予想されます。
情報を適切に分析し、今後の予測を立てていくためにも、統計学の重要度はさらに増していくと考えられています。
このように、統計学は21世紀を生きていく人材にとって必須の教養と言っていいほど、いま注目が集まりつつある学問分野なのです。
統計学で学ぶこと
統計学には大きく分けて「記述統計学」と「推測統計学」という2つの分野があります。
記述統計学とは、今あるデータの特徴を分析し記述する統計学です。
一方、推測統計学とは、今あるデータを分析することを通じて、それ以外の未知のデータの特徴を推測する統計学です。
ビッグデータの解析など、今後ますます重要になっていくのは推測統計学です。
そのため、多くの大学等で推測統計学の研究が進められ、実際に分析に役立てられているケースもあります。
こうした統計学の研究に携わるには、数学の知識が必須となります。
たとえば、統計で連続データを扱う際には無限・極限・積分といった高校数学の知識が用いられます。
統計学を専門的に学びたいのであれば、高校までの数学をしっかりと習得しておく必要があります。
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統計学の大学での授業科目の例
基礎統計学
統計学の入門として位置づけられる講義で、統計学とは何かを知り、専門的な内容に入る前段階の基礎知識を習得します。
記述統計学
いま分かっているデータを分析するための統計学の手法について学びます。
推測統計学
いま分かっているデータをサンプルとして分析し、未知の情報も含めて全体的な傾向や今後の動きを推測する手法について研究します。
社会統計学
社会における現象を統計学の手法を用いて分析する方法について探求します。
応用統計学
統計学の手法を応用して、経済学や経営学、生物学といったさまざまな分野のデータを解析する方法を研究します。
統計学のレポート・テーマの例
必要な量のサンプルが収集可能な分野であれば、ほとんどあらゆる分野の現象を統計学で分析することができます。
そのため、統計学のレポートテーマは経済や経営に関するものや、映画や音楽、小説といった芸術作品に関するものなど、幅広くいろいろなものが分析する対象となります。
- ガソリンスタンドの店舗配置における統計的解析
- テキストマイニングによるヒット曲の歌詞解析
- データマイニングによる企業の経営評価
- 消費者物価指数の時系列分析
- GISを用いた賃貸物件の統計的評価
統計学と関連する学問
統計学と最も関連性の高い学問は数学です。
統計学の手法には必ず数学が用いられますので、数学との関連性は無視できないものと言えるでしょう。
また、さまざまな分野において、応用統計学によるデータ分析が行われています。
とくに経済学や経営学においては、膨大な数値データを解析する際に統計学の手法を用いることが少なくありません。
ほかにも、社会学や生物学、医学分野などで、数値データの分析に統計学の手法が活用されています。
統計学を学んで就職に有利な業界・仕事
統計学は近年とくに注目を集めている学問分野のため、就職時に統計学を学んできたことを評価する業界・企業は多いことが予想されます。
たとえば、製薬会社の臨床統計を研究する仕事をするのであれば、統計学の知識は必須となります。
保険会社で保険数理を駆使して商品開発を行うアクチュアリーと呼ばれる職種も、統計学の知識を活かせる仕事と言えるでしょう。
そのほか、マーケティングやデータサイエンスの分野では、統計学の専門知識があれば有利になりやすいでしょう。
マーケターやデータサイエンティスト、データアナリストといった職種を目指すのであれば、統計学の知識を活かして活躍することができるはずです。
データを客観的に評価するスキルを持っていることは、多くの業界・職種で重宝されていくであろう強みになるでしょう。
このように、統計学の知識が活かせる業界・職種は非常に幅広く、今後はさらに必要とされる場面が増えていくことが予想されます。
統計学の知識は人生でどう役立つ?
現代を生きる私たちはデータに囲まれて生活しています。
買い物をする際にも電車に乗る際にも、消費者の1人として消費行動に関する何らかのデータを提供しているのです。
こうしたデータがどのように扱われ、役立てられているかといった知識は、将来的には一般常識と言われるほどごく当たり前のものになっていくでしょう。
統計学は、いわば「未来の一般常識」となる可能性があるのです。
また、身近な現象について、印象や雰囲気で判断するのではなく、客観的な数値を分析した結果にもとづいて評価・推測できる能力を持つことは、膨大な情報にあふれている現代を生きる上で、偏見や先入観に埋没しないための有力なツールの1つとなることでしょう。
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