「スーパーバイザー」とは

小売店、飲食店、コールセンターなどで、現場の監督・管理やスタッフの統括を担当する。
スーパーバイザーは、スーパーやコンビニエンスストアなどの小売店、飲食店、コールセンターなどにおいて、事業を成功させるために監督・管理やスタッフの統括などを行う仕事です。
小売店では複数の担当店舗を巡回し、売上や商品構成、在庫管理、スタッフ教育といった店舗運営のあらゆる面に関して指導を行い、本部(本社)の連絡事項を店舗に伝えます。
コールセンターでは、オペレーターへの業務指導や研修、フォローアップなどをおもに担当します。
なるために特別な資格などは求められませんが、現場を経験してから店長やリーダーに昇格し、その後、能力や適性が認められるとスーパーバイザーになるケースが一般的です。
会社の売上や利益を左右する重要なポジションであるため、能力のあるスーパーバイザーはよい待遇の下に活躍することができます。
「スーパーバイザー」の仕事紹介
スーパーバイザーの仕事内容
小売店などの管理・監督役を務める仕事
スーパーバイザーは、スーパーやコンビニエンスストアなどの小売店、飲食店、アパレル企業、コールセンター、福祉業界などにおいて、事業を成功させるために監督・管理やスタッフの統括などを行う仕事です。
小売店では、担当エリア内の複数の店舗を巡回し、売上や商品構成、商品の陳列方法、在庫管理、スタッフ教育といった店舗運営のあらゆる面に関して指導を行うと同時に、本部(本社)からの連絡事項を店舗に伝えていきます。
コールセンターでは、オペレータースタッフへの業務指導や研修、フォローアップなどをおもに担当します。
最近では福祉業界でもスーパーバイザーが活躍しています。
この場合は、福祉施設や機関で働くスタッフの指導や評価、管理を行い、多くがケアマネジャーの上位である「主任介護支援専門員」という役職が、スーパーバイザーの役割を担っています。
スーパーバイザーの就職先・活躍の場
小売店、コールセンター、福祉施設で活躍
スーパーバイザーの主な就職先は、複数の店舗を有するスーパーやコンビニエンスストアなどの小売店や飲食店、アパレル企業、コールセンター、福祉施設などとなります。
仕事の内容はさほど変わりませんが、働くフィールドの種類が多岐にわたります。
小売店や飲食店、アパレル企業の場合は社員がなるのが一般的で、店舗運営の幅広い知識やスキルが必要であるため、店長としての経験を積んだ人がスーパーバイザーになります。
コールセンターの場合は、オペレーターとして経験を積んだ人が、福祉施設でも同じく、ケアマネジャー等で経験を積んで、スーパーバイザーとして管理する立場になります。
スーパーバイザーの1日
勤務場所によっては、夜間に働く場合も
スーパーバイザーの1日は、小売店や飲食店、コールセンターなど、その働く場所によって異なります。
例えば、夜の営業をメインとする飲食店のスーパーバイザーの場合、お店の状況確認や店長との面談は、ほとんど夜になってしまいます。
また、コールセンターも24時間体制のところが多く、多くのスーパーバイザーが、シフト制で働いています。
ここでは、とある大手飲食チェーン店のスーパーバイザーの1日をご紹介しましょう。
・12:00 出社
メールチェック、本日の業務確認
・13:30 社内ミーティング
各エリアの状況報告や情報共有、本社から各店への指示事項の確認
・15:00 店舗巡回開始~店長面談
夜の営業前のアイドルタイムに各店を回る
・前週の売上、売れ筋商品などの確認
・店舗の問題点や要望を聴取
・本部からの指示を徹底
など
・17:00 営業開始後の店内チェック
客入り状況や客層、人気メニュー等をチェック
・19:00 次の店舗で店内チェック
客入り状況や客層、人気メニュー等をチェック
客のふりをして食事
・20:00 店長面談
1店目と同内容の確認事項と指示
・22:00 帰社
報告書作成
・23:00 帰宅
スーパーバイザーになるには
資格は必要ないが、経験で得られるスキルが必要
スーパーバイザーになるにあたって、必ず求められる資格などはありません。
特別な学校を出ている必要も無く、唯一関連する資格としては、「日本フランチャイズチェーン協会」が認定する「スーパーバイザー士」が挙げられますが、必ず必要なものではありません。
資格よりも、スーパーバイザーは現場について広く理解している必要があるため、まずは現場を経験してから店長やリーダーに昇格し、その後、能力や適性が認められてなるケースが一般的です。
また、店舗運営に関する幅広い知識が求められ、店舗やスタッフを管理・統括しなくてはならないため、「マーケティングスキル」「マネジメントスキル」「リーダーシップ」など、さまざまなスキルが必要とされる仕事です。
スーパーバイザーの学校・学費
現場で経験を積むことが大切
スーパーバイザーになるために、何か特別な資格を求められることはほとんどありません。
スーパーバイザーは、店長として、あるいは、コールセンターのオペレーターとして、ケアマネージャーとしてなど、現場のスタッフとして経験を積むことが、唯一求められる条件です。
中には、その企業の規定として、スーパーバイザーになるための昇格試験や、独自の認定試験などを設けているところもありますが、その企業内のみで通用する資格です。
また、業務に関連する資格として日本フランチャイズチェーン協会が認定する「スーパーバイザー士」という資格がありますが、これは同協会が主宰する「スーパーバイザー学校」の理論学習を受講した人が受けられる試験です。
スーパーバイザーとしての知識や、能力、実務を評価・認定する内容となっているので、基礎を学びスキルを向上させるためには価値がありそうです。
ほかに、「簿記検定」や「販売士検定」なども考えられますが、多くの職場で取得は必須ではありません。
スーパーバイザーの資格・試験の難易度
身につけるべきスキルが多岐にわたる
スーパーバイザーになるための資格は必要がないものの、なるまでに身につけておいた方が良い知識やスキルの分野は下記のように多岐にわたります。
・マーケティング
・コンサルティング
・カウンセリング
・リーダーシップ
・コーチング
・コミュニケーション
・プロモーション
・労務系の基礎知識 など
日本フランチャイズチェーン協会が主宰するスーパーバイザー学校では、このような知識を学ぶことができます。
受講料は一般で324,000円(平成30年度 秋期開催の場合※)と安くはないですが、スーパーバイザー士試験の受験資格が得られ、試験・面接に合格すると、スーパーバイザー士として認定されます。
スーパーバイザーの給料・年収
実力次第で給与アップも
スーパーバイザーの給料は、働く会社や経験・年齢・能力などによって変わってきますが、平均年収500万円~600万円程度がボリュームゾーンとなっているようです。
スーパーバイザーは、それまでに販売職など現場での勤務を経験している人がほとんどであるため、同じ会社でもスーパーバイザーに昇格することによって給与はアップします。
会社によっては資格手当を支給する会社もあり、ほかにも「成果給」を導入して、売上アップに貢献することで、インセンティブを付ける会社もあります。
スーパーバイザーのやりがい、楽しさ
責任を伴うが大きなやりがいも感じる
スーパーバイザーのやりがいや楽しさは、働く場やそのポジションによっても変わります。
例えば、小売店や飲食店の場合は、自分が担当しているお店の売上げが上がったり、客の入りが良くなったりなどの成果が現れるとやりがいを感じるものです。
お店からも感謝され、本部からも評価される、まさにスーパーバイザー冥利に尽きる瞬間です。
また、リーダーとして全体を統率する立場なので、店長やスタッフが自分を頼って一丸となって目標達成に向かい成就した時は、大きな誇りを感じます。
責任も伴いますが、やりがいと魅力も大きな仕事です。
スーパーバイザーのつらいこと、大変なこと
本部とお店の板挟みなど辛いことも
がんばっていても思うような成果が出ない時は、スーパーバイザーとして責任を感じることでしょう。
現状分析をして悪いところを改善点したり対策を講じてみても、なかなか売上げに結びつかない、ないしは閉店に追い込まれることもあり、大きなプレッシャーを感じることもあります。
また、本部と店舗との板挟みにもなりやすく、両方の意図や思いを理解できる立場だけに、つらい思いをすることも少なくありません。
さらに、コンビニや飲食店などを担当すると、夜間の仕事が増えます。
また、担当しているお店から、朝早くから夜遅くまで呼び出されることもあり、勤務時間も不規則になりがちです。
スーパーバイザーに向いている人・適性
人と関わるのが好きで統率できる人
スーパーバイザーは、担当するフィールドで働くスタッフを動かして目標を達成する仕事なので、統率力やリーダーシップのある人が向いています。
いかにやる気を引き出し、自主的に仕事に取り組んで目標を達成させるかが、スーパーバイザーの腕の見せ所です。
また、市場調査や売上げデータを分析するのも仕事なので、こうしたことが好きで冷静に物事を判断できる人が適しています。
本部との橋渡し役として、常に人と接することが多く、人との関わり合いが好きな人も、日々楽しく仕事ができそうです。
スーパーバイザー志望動機・目指すきっかけ
実績やスキル、やる気をアピール
スーパーバイザーは、現場での経験や実績を重ねてから就く仕事なので、新卒や未経験者の求人はほとんどありません。
これから仕事に就く人は、将来のスーパーバイザーを目指して、たくさんのスキルを身につけるために頑張る意志を伝えると良いでしょう。
転職などの場合は、即戦力が求められる職種なので、今現在のスキルや経験してきた実績などをアピールします。
また、現場の視点ではなく、マネジメントする立場として、どのように会社の人材育成や販売促進、売上・利益などに貢献できるかなどを伝えることもポイントです。
スーパーバイザーの雇用形態・働き方
企業の正社員として働くのが一般的
スーパーバイザーは、主にスタッフを管理する立場なので、多くが企業の正社員として所属します。
実績や経験、スキルを重視する職種なので、ある程度の年齢や立場になった人が就くのが一般的です。
コンビニや飲食店等の店舗を担当するスーパーバイザーでも、店舗付きでは無く、本部管轄社員として働きます。
スキルがモノを言う職種なだけに、優秀な人材を求める企業が多く、転職組が多いのも特徴です。
スーパーバイザーの勤務時間・休日・生活
担当数が増えると、時間外勤務も多くなりがち
スーパーバイザーは、働くフィールドによって勤務時間が異なります。
夜の営業がメインの飲食店の場合は夜間に働くことが多く、24時間体制のコールセンターなどは、シフトを組んだ勤務体制となります。
社員として働く場合が多いので、1日の労働時間が決められており、所属する企業の規定内で働くことになりますが、時には残業や、休日出勤せざるを得ない時もあります。
特に、コンビニや飲食店など、たくさんの店舗を担当するようになると多忙になり、時間外勤務が多くなりがちです。
スーパーバイザーの求人・就職状況・需要
新卒・未経験者採用はほとんど無い
スーパーバイザーは、コンビニ、飲食店、コールセンター、アパレル、福祉など、あらゆる業界で求められる職種です。
特に、企業の主戦場である現場を管理・統率して売上げを伸ばし、企業の経営に大きく影響する立場であることから、能力の高い人材を求める傾向が強いのが特徴です。
そのため、経験も実績も無い新卒・未経験者の採用はほとんどなく、あったとしても「スーパーバイザー候補」という募集となります。
逆に中途採用は、実績やスキルさえあれば、需要過多の市場。能力次第で、高収入も望めます。
スーパーバイザーの転職状況・未経験採用
同じ業種間の転職ならスムーズ
スーパーバイザーの転職は、同じく管理・統率する仕事であっても、フィールドの違いでその内容は異なります。
例えば、飲食店のスーパーバイザーとアパレル企業のそれだと、知らなければ行けない業界の基礎知識も異なり、単純にマネージメント能力やリーダーシップがあっても、異業種への転職は簡単ではありません。
転職をするのであれば、同じ業種間での転職がスムーズです。
成果・能力主義の職種なので、培った能力やスキルで結果を出せば、転職による収入アップも可能です。
スーパーバイザーの現状と将来性・今後の見通し
能力次第で収入アップ、キャリアアップも
多くの人が活躍するコンビニやアパレル企業などでは、スーパーバイザーは会社の売上や利益を左右する重要なポジションとして位置付けられています。
能力や適性があると認められた人だけがこの仕事に就くことができ、どの企業でも、実力のあるスーパーバイザーを求めています。
その分、実績や経験、スキルを身につけ結果を出せば、収入アップにもつながり、大きなやりがいと達成感をかじられる職種です。
ただし、勤務先によっては多忙かつ不規則な勤務時間になり、体力を要するため、できるだけ若いうちに経験を積み、その先のキャリアを考えていくことも必要になるでしょう。