経済学とは? 大学で学ぶことや就職先は?
経済学の概要・理念
経済という言葉を聞くと、株式市場や外国為替市場といった数字の世界を連想する人もいることでしょう。
私たちの暮らしは経済と切っても切り離せない関係にあります。
働いて収入を得ることも、買い物をして代金を支払うことも、税金を納めることも、あらゆることが経済に関わっているからです。
経済学では、こうした経済現象を統計学の手法を駆使して分析し、一定の法則を見つけて理論化していきます。
日本国内だけでも1億人が暮らしており、日々膨大なお金が動いていますので、経済がどのように変化していくのかを完全に予測することは不可能です。
そのため、経済は生き物のように変化すると言われることがあります。
経済の動きは社会の変化にも密接に関わっており、近年では経済学が扱う分野も多岐にわたっています。
海外へと進出する企業が海外投資をする場合の投資効率を考えるのも経済学の領域です。
資源や環境にまつわる問題も経済が密接に関わっており、経済学の手法を用いて資源の枯渇や環境破壊といった問題を分析する研究も行われています。
経済学で学ぶこと
経済学の分野には、理論・実証・歴史の大きく3つがあります。
理論では、ミクロ経済やマクロ経済といった経済のメカニズムについて、経済にまつわるさまざまな理論とともに学んでいきます。
実証とは実際に世の中で起きている経済活動を分析し法則を見出だす研究領域のことで、統計学や計量経済学がこれにあたります。
歴史とは経済の歴史のことで、経済そのものがどのように変遷してきたかを学ぶ経済史と、経済学がどのように発展してきたかを学ぶ経済学史があります。
とくに実証においては実社会における経済活動を元に研究を進めることも多く、膨大なデータを数式で処理していくため、数学の知識が求められる場面が多くなります。
経済学は一般的に文系の学問とされていますが、文系の中でも理系寄りの学問と言われるのはこのためです。
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経済学の大学での授業科目の例
ミクロ経済学
消費者と企業、需要と供給といった、経済活動の末端で起きている経済現象について研究します。
マクロ経済学
経済成長やインフレといった国レベルでの経済現象について、巨視的な見地から研究します。
統計学
ある集団を数値的に分析するための手法について学びます。
計量経済学
統計学を用いて経済現象を分析・評価する方法を学びます。
経済史
主に産業革命以降の経済の歩みについて、日本経済史と西洋経済史に分けて研究します。
経済学のレポート・テーマの例
経済学のレポートテーマは、たとえば資本主義の本質的な課題に迫るような巨視的なものから、特定の地域や企業活動にスポットライトを当てた局所的なものまで幅広くあります。
経済現象という現実の世の中で起きていることを調査・分析して書く必要があるため、事実と意見を明確に区別して書くことが求められます。
- ・TPPと日本経済
- ・カジノの経済効果
- ・オリンピックの経済効果
- ・観光業と経済発展
- ・ギリシャ危機について
経済学と関連する学問
経済学はビジネスと関わりの深い学問です。
そのため、経営学や商学と関連性が高く、企業経営やマーケティング理論を実践した結果として経済にどのような影響を与えたのかを考える必要がある場合があります。
また、経済現象は国や地方自治体の政策によって影響を受けることから、政治学とも関わりがあります。
独占禁止法のような経済を統制するための法律も存在することから、法学とも関連しています。
このように、経済学が私たちの暮らす社会における経済現象を扱う学問であることから、関連する学問領域も多岐にわたっています。
経済学を学んで就職に有利な業界・仕事
経済学はあらゆるビジネスに関わりのある学問ですので、経済学で学んだ知識は幅広い業界や職種で活かすことができます。
就職の際に有利になるという意味においては、特定の業界に限定されません。
お金の大きな流れについての知識を持つ人材ですので、金融業界だけでなくメーカーやサービス業など、あらゆる業界でその知識を活用できるでしょう。
経済に関する知識を直接的に活かすことのできる職業としては、銀行員や保険会社のアクチュアリー、ファイナンシャルプランナー、経営コンサルタントなどが挙げられます。
ただし、一般的な企業において経理や会計といったセクションで働く上でも、経済学の知識を持っていることは評価される対象となる可能性が高いと考えられます。
経済学は将来「お金に関するプロ」として活躍していく人材にとって欠かせない学問です。
経済活動に参加する以上、どのような業界や職種に就くとしても応用が利く、汎用性の高い学問と言えます。
経済学の知識は人生でどう役立つ?
経済学は文系の学問の中でも、経営学や商学と並んで「実学」の性格が色濃い学問と言われています。
私たちの身の回りで日々行われている全ての経済活動は、大小の差こそあれ、国や地域の経済を動かす要因の1つになっています。
お金の大きな動きに法則性を見出し、巨視的な観点から分析した経験は、人生におけるあらゆる経済活動の場で本質を見抜く目を持ち続けるための土台となるでしょう。
現代においては、ビジネスの在り方も多様化・細分化が進み、それに伴ってお金の流れも複雑になっています。
経済学を学ぶことで得た知見や教養は、仕事に限らず日常の暮らしの中においても、「お金」にまつわる事柄を考えていく上で貴重な財産となっていくはずです。
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