【2021年版】人事の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「人事」とは

採用、評価、教育、労務管理など、組織に不可欠な「ヒト」にまつわる仕事をする。

人事は、主に企業の人事部や総務部において、「人材」に関わる仕事を行っています。

組織運営を行う際に必要なリソースとして、しばしば「ヒト・モノ・カネ」が3大要素として語られますが、このうち「ヒト」に深く関わっていくのが人事の役目です。

具体的には、人材の採用や評価、研修・教育、昇進・昇格、労務管理などを行うことで、組織を活性化させ、企業経営を裏方として支えます。

業務領域が多岐にわたることから、対象となる従業員数の多い大手企業では「採用担当」「労務担当」といった形で分業しています。

小さな組織では一人が複数の領域の業務を担当したり、ベンチャー企業などでは経営者自らが人事に関わっていたりすることもよくあります。

平均年収は450万円程度ですが、管理職にまで昇進してマネジメントに携わるようになると、年収1000万円以上を得ている人もいます。

あらゆる業界の企業が活躍の場となりうるものの、人事に限った求人はそこまで多くありません。

経験を積み、ビジネスや経営戦略に関する知識まで身につけると、より活躍の幅が広がります。

「人事」の仕事紹介

人事の仕事内容

従業員にとって働きやすい環境作りを行う

企業の「人事部」や「総務部」に所属して働く

人事担当として働く人は、企業の「人事部」や「総務部」に所属して働きます。

人事の内容としては、企業活動をする上で不可欠な「人材」の採用や評価、教育、昇進・昇格、労務管理などに関わることになります。

ただし、大手企業のように「人事部」をひとつの部門として設置しているところもあれば、小規模の組織では経営者自らが人事に携わっているようなケースもあります。

人事の役割は、営業のように数字を求めるものではなく、経営者に近い立場で、従業員にとって働きやすい環境作りをすることです。

組織発展を目的に、経営計画に基づいて優秀な人材を採用し、労働環境や福利厚生を改善して、従業員が良いパフォーマンスができる手助けをします。

人事が携わる業務

人事の最も大切な仕事のひとつは、人材採用です。

より良い人材を採用し、その人材をどう生かしていくかは企業活動をするうえで不可欠な要素であり、人事は経営陣とともに検討し、実行していきます。

また、社員の評価も人事の仕事です。

社員がモチベーションを維持しながら働き続けることができるように、公平性や透明性を保った評価制度や報酬制度の構築を行い、昇進や昇格の決定等にも関わります。

そのほか、社員のスキルアップを目的とした教育や研修の企画を立てたり、企業が円滑に仕事を進められるよう、部門構成や人材配置を行ったりします。

そのほか、勤怠管理、給与計算、福利厚生業務、社会保険手続きなども人事の仕事です。

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人事になるには

総合職として採用され、希望や適性により配属される

新卒では採用後に適正を見て配属される

人事はおもに、さまざまな企業の「人事部」や「総務部」で働いています。

大企業であれば、数人が分業制で働くこともありますが、社員数が多くない企業であれば、人事の数もあまり多くなく、一人が複数の業務をこなすことも珍しくありません。

新卒で人事職として採用されることはほぼなく、「総合職」として一括採用を行い、本人の希望や適性によって、人事の仕事に配属されることが多いです。

ただし、人事のポジションが空いていなければ、当然、人事の仕事はできません。

人事は、営業などの職種に比べるとそこまで多くの人材を必要としていないため、新しく配属されても1人、あるいは数人というケースは珍しくありません。

企業によっては人事の職種で募集をかけることもありますし、別の職種に就いていた人が入社後に希望を出して、人事へ異動になることもあります。

学歴は、大手を中心に「大卒以上」が求められることが多いですが、必ずしもこの限りではありません。

中途採用は人事限定の募集が多い

一方、中途採用の場合は、人事に限定した募集がかけられることが多いです。

その場合、退職などの理由によって人材が抜けた穴に対して募集されていることが多いため、圧倒的に経験者が優遇されます。

新卒のように入社後に教育をゆっくりと行って育てるというよりも、即戦力としての活躍が期待されるため、人事、あるいは総務の経験がある人が優先して採用されやすくなっています。

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人事の学校・学費

法学部が有利な場合がある

総合職で人事職を目指すなら、当然大卒の高学歴が有利になりますが、新卒採用から人事担当としてピンポイントで採用されるとこは少ないです。

必要な資格やスキルもありませんが、人事では就労規則を考えたり、労災対応をしたりということも考えられます。

法律に詳しい法学部出身であったり、労働法の知識を持っていたりすると、配属される可能性は高くなるでしょう。

そのほか、仕事を進めるうえでは事務処理能力、パソコンスキルなどが必要になるため、人事を目指す際には身に付けておいた方がよいでしょう。

また、一般的にアシスタント職が行う給与計算や労務管理は、企業によっては大卒だけではなく、高卒や短大卒でも採用されます。

人事の資格・試験の難易度

昇給やスキルアップのために資格を取得する

人事担当として必ず取らなくてはいけない資格はありません。

関連する資格として「社会保険労務士」や「衛生管理者」、「中小企業診断士」「安全管理者」などがあり、給料アップやスキルアップのために資格取得を目指す人も少なくありません。

近年集めているのは、メンタルヘルス・マネジメント検定で、従業員のメンタルヘルスを保つために何をすべきかを学べる検定です。

労働者が50人以上いる事業所では、2015年から1年に1回ストレスチェックの実施が義務付けられています。

従業員がストレスチェックに引っかかることなく、心地よく働ける環境作りを考える上で役立つ検定といえるでしょう。

人事の給料・年収

企業規模や経験により大きく異なる

企業により大きく差がある

人事の給料は、勤務先となる企業の規模や経験、年齢などによって異なりますが、平均年収は450万円程度といわれています。

20代の若手から40代以上のベテランまで幅広い年齢層の人が活躍している仕事であり、営業のように成績も見えにくいのでずば抜けて良い給料をもらえる訳ではありません

しかし、業績の良い大企業で管理職にまで昇進してマネジメントに携わるようになると、年収1000万円以上を稼いでいる人もいます。

また、採用担当などはプレゼン準備や採用活動で残業が多くなるため、残業代で年収が増えることもあります。

ステップアップすると給料アップ

人事部に配属された場合、役職のない一般社員からスタートし、実力や経験に応じて係長、課長、部長といったようにステップアップしていく流れが一般的です。

一定以上の規模の組織では、人事部の中でも採用担当、研修担当、労務担当といったように役割が明確に分けられていることが多く、各セクション内で専門性を深めていくことになります。

最初は比較的簡単なことから携わり、実力を身につけるに従って人事採用の責任者となったり、社員教育のカリキュラムを開発したりと、より責任ある仕事を任されるようになります。

一方、小さな組織では各業務を手広くこなしながら、プレイングマネージャーを目指す人が多くなっています。

人事の仕事は、一見、評価がされにくいように思えますが、やれることが増えていけば役職がつき、給料にも反映されていきます。

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人事の現状と将来性・今後の見通し

人事はどの企業でも必要な仕事で、今後も需要は高い

人事はあらゆる企業で必要とされる職種であり、今後もこの仕事がなくなることは考えにくいです。

人事経験者は転職時も重宝されるので、他の職種に比べても転職もしやすいでしょう。

ただし、大企業においても人事の数は限られるため、どうしても人事の仕事に就きたい場合、適性や熱意を明確にアピールすることが必要になってくるでしょう。

また、近年はどの企業も厳しい競争社会で生き残るために、人事にもビジネスや経営戦略に対する知識を求め、戦略的人事を行なおうとする傾向にあります。

社内の中で上手くコミュニケーションをとり、会社の利益を上げる人材育成、働きやすい環境づくりができると評価も上がることでしょう。

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人事の就職先・活躍の場

ほとんどの企業に人事の仕事は存在する

人事の仕事はほとんどの企業に存在します。

多くの組織では、「人事部」をひとつの独立した部門として設けているか、「総務部」の中に人事を置いており、間接部門として企業活動を支えています。

規模の小さい企業では、経営者自らが採用・教育・評価などを行う場合もありますが、ある程度の規模の企業では労務管理などの細かい作業は人事担当が行うこともあります。

大企業の場合は、人事の中でも業務内容は細かく分かれていて、採用・教育・評価・労務管理・福利厚生などそれぞれ与えられたミッションの中で働きます。

そのため、同じ人事でも役割が異なれば全く仕事内容が分からないという場合もあります。

人事の1日

繁忙期とそうでないときの差がある

採用や評価の時期は忙しくなる

人事は、出勤から退勤までほとんどがオフィスワークで、社内での仕事が中心となります。

ただし外部の会場を使って就職希望者向けに会社説明会を開催したり、自らが外部研修に参加したりと、ときに外で仕事をすることもあります。

人事が最も忙しくなるのは、人材採用の時期や査定を行う時期で、とくに労務管理の場合は月末や年末調整の時期が忙しくなります。

採用や評価の担当は、年度末前後が1年の中で一番忙しい時期になります。

連日のミーティングや資料作成、志望者や内定者への連絡などで一気に業務量が増え、遅くまで残業をすることも珍しくありません。

なお、完全週休二日制としていることが多く、繁忙期やイベント時などを除けば休日出勤もほとんどなく、比較的自由に休暇をとることもできます。

<大手企業で働く人事の1日>

08:20 出社、メールチェックなど
08:50 朝礼
09:00 次年度の採用活動についてミーティング
11:00 労務に関する事務手続き
12:00 休憩
13:30 内定者への連絡や事務手続き
16:00採用活動の会社説明会で使用する資料作成
18:00 退社

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人事のやりがい、楽しさ

従業員の人生に大きく関わることができる

人事の仕事は、採用・昇格・異動・退職の手続きまで幅広く、ときには従業員の人生を左右させることもあります。

どんな人にとっても、その会社に入社するということは人生の大きなターニングポイントであり、採用担当の場合は内定の早い段階から人と関わっていきます。

自分が採用や新人教育に関わった人材が、入社後にどんどん成長し、社内で力を発揮しているのを見たときは、何ともいえない喜びと感動に包まれます。

また、昇格や異動と言った仕事も人生に左右するので責任感がありますが、本人や会社を良い方向に動かすことができる、この仕事の最もエキサイティングな部分です。

営業とは違い数字では判断できませんが、従業員がいきいきと働いている姿を見ることで人事としての意味を感じることができます。

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人事のつらいこと、大変なこと

経営者と従業員の板挟みになりやすい

社員から不満をぶつけられることも

人事のつらいことは、経営者と従業員の板挟みになりやすいということです。

例えば経営者が実行したいプロジェクトがある場合、それを成功させるためには多少従業員に無理させることもあるでしょう。

人事としては人材配置や教育を行う立場になりますが、そのプロジェクトに対して従業員に不満がある場合、その声は人事に向けられやすくなります

採用活動にしろ、人事異動にしろ、自分が関わって決定したあらゆることに対し、すべての社員が100%納得・満足することはなく、場合によっては嫌われ役になってしまうこともあります。

従業員が辞めてしまうと、また採用や教育などで忙しくなるので、なるべく不満が出ないように社内調整を上手く行わなくてはなりません。

仕事の成果や達成感が得られづらい

人事は、営業のように「その日、その月にいくら売り上げれば目標達成」といった短期的な目標が立てづらい仕事です。

たとえば、社員に教育や研修を行ったとしても、それがすぐに効果が表れることはほとんどなく、地道に積み重ねていったことが、数年後、ようやく実を結んで組織が変わっていくのが一般的です。

人事は中長期的な目標に沿って仕事をすることが多いため、どうして成果が見えづらく、達成感をなかなか感じられないという人も多いです。

ときに自分のやっていることに自信が持てなくなってしまったり、「本当にこれでいいのか?」と方向性を迷ってしまったりする人も少なくありません。

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人事に向いている人・適性

気持ちの切り替えが早く明るい性格の人

人事は、外部とのやり取りよりも社内調整を行う仕事が多いです。

経営者からは無理を言われることも多いでしょうし、外部のお客さまに対してていねいな対応をする従業員も、同じ会社の人事にはきつく当たることもあるかもしれません。

また、評価をする立場であり、守秘義務を抱えることも多いため、ほかの部署の従業員から距離を置かれる可能性もあります。

人事担当は自分が特殊な部署にいると割り切り、いつも明るく対応できる人に向いているといえるでしょう。

また人事は、企業経営を支える縁の下の力持ち的な存在であり、営業のように数字で評価される仕事ではありません。

目立たなくても、日々、自分で目標を立てて、そこに向かって地道な積み重ねをしていける人に向いている仕事だといえるでしょう。

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人事志望動機・目指すきっかけ

企業の顔として出会ったことがきっかけ

人事は新卒で会社説明会などに出向くときに、学生が初めて出会う企業の顔のような存在です。

大体の就活生は、総合職の場合は営業や技術職などを志し、はじめから事務系を目指すことは少ないと考えられます。

人事は企業全体の説明・質疑応答をていねいに行うので、企業説明会などに参加して人事が活躍している姿を見て、同じような仕事をしたいと思ったことが一つのきっかけになることは珍しくありません。

また、人事は経営とも密に関わっていくポジションとなるため、「組織全体を見る仕事がしたい」「会社の仕組みづくりに携わりたい」といった理由で、この仕事に興味を持つ人もいます。

そのほか、キャリアローテーションをする上で、一度他の職種を経験してから、人事の仕事に興味を持つ人もいます。

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人事の雇用形態・働き方

一般的に正社員として働く

人事の仕事は、企業にとって外部に漏らすことができない情報なども多いので、基本的には正社員として採用された人が行う場合が多いです。

特に採用や評価に関わることは、企業にとって重要度も高いため、経営者が信頼をおける人材が担うことになります。

アルバイトや契約社員などがこうした仕事を担うことはほとんどなく、非正規職の求人もほとんどみられません。

アシスタント職の場合は派遣や契約社員の場合もありますが、採用や教育、評価について直接的に関わることは少なく、スケジュール管理や勤怠管理などの事務を中心に行うことになるでしょう。

人事の勤務時間・休日・生活

基本的には土日休みとするところが多い

管理部門のひとつとなる人事の場合、ほぼ日勤で固定の時間帯に働くことが多く、平日出勤で土日休みになることが多いです。

主に社内での仕事が中心となりますが、外部の会場を使って就職希望者向けに会社説明会を開催したり、自らが外部研修に参加したりと、ときに外で仕事をすることもあります。

とくに採用時期や評価の時期、新入社員が入社してきた時などは忙しくなり、残業も増えることが多いです。

また、勤怠管理の締めの時期や年末調整の時期も忙しくなるでしょう。

採用の説明会が土日の場合は、休日出勤を行う必要もありますが、それ以外は急ぎの仕事がない時は仕事が終わっていれば定時に帰ることもできます。

人事の求人・就職状況・需要

どの業界でも需要が高い職種

人事は、なるために絶対に必要とされる資格などはなく、どの組織においても必要とされる存在であるため、一見、なるためのハードルは低いように思えるかもしれません。

ただし、日本の企業では新卒で自らが人事職を選べることは少なく、総合職や一般職として一括で採用された後、適性を見込まれて配属されることが多いです。

人事職の採用がある場合は、どの企業でも通用する人気職種なのでかなりの競争率となるでしょう。

新卒で配属が人事職ではない場合、人事職に就きたいと思ったら、人事面談で職種変更をしたいということをアピールするか、人事職を募集している企業に転職する必要があります。

人事の転職状況・未経験採用

人事職は競争率が高く、経験者は有利となる

人事はどこの会社でもある仕事なので需要が高い職種かつ、人気職種のため辞める人も少ないため、中途採用の求人はすぐに応募が殺到します。

人事未経験可の場合もありますが、競争率が高い分、経験者の方が有利だといえます。

未経験者がその中で採用されることは、かなり厳しいと考えておいたほうがよいでしょう。

未経験者が転職して人事職に就きたい場合は、なぜ人事職に就きたいのか、前職で生かせる経験はあるのかなどをしっかり面接で述べて、未経験でも任せられると思われる必要があります。

また、派遣社員や契約社員などとして一度人事をサポートする仕事や、人事のアシスタント職を経験すると、より採用されやすくなるでしょう。

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