【2021年版】品質管理の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「品質管理」とは

おもに製造業において、生産する製品の品質を管理し、不良品を出さないようにする仕事。

品質管理は、おもに製造業において、生産する製品の品質を管理する仕事です。

不良品の発生を限りなくゼロに近づけ、安定的に同じ品質のものを作り出していくために、製造工程の立案や改善、生産計画の検討、製造スタッフの教育といった業務を担当します。

品質を守ることは、私たち消費者の安全・安心を守るということでもあります。

品質管理は「製造工程の最後の砦」と呼ばれるほど重要な役割を担っており、自社製品の品質を守るという責任感をもって働きます。

大手メーカーの新卒採用では、たいてい「大卒以上」の学歴が求められ、理系学部出身者が活躍できます。

平均年収は400万円~700万円程度とされていますが、会社の規模や経験によっても給料に差が出るほか、マネージャーや部長といった管理職に昇進することで大幅な収入アップになることもあります。

会社によっては海外向けの商品の製造を行っており、幅広い専門スキルが身につきます。また「ものづくりの要」となって活躍できる職種であるため、さまざまな方面へのキャリアアップが期待できます。

「品質管理」の仕事紹介

品質管理の仕事内容

商品の製造工程全般を管理し、製品の品質に対する責任を負う

生産する製品の品質を管理する仕事

品質管理は、おもに製造業において、生産する製品の品質を管理する仕事です。

同じ品質の商品を安定して作り出していくために、工場などの製造現場において、製造工程の立案や改善、生産スケジュールの検討、製造スタッフの教育といった業務を担当します。

業務が一部重複している職種として、製品の品質を監査し保証する「品質保証」がありますが、役割は異なります。

品質保証は「製品の品質が基準を満たしているか保証すること」が目的であり、企画から製造計画の立案、クレーム処理まで手掛け、製造段階を問わず製品の品質に対する責任を負います。

これに対し品質管理は「製造工程において品質を管理すること」が主な役割で、不良品が出る原因を調査するなど、製造工程の管理・改善に注力している点が、品質保証との違いです。

品質保証業務の中に、品質管理が含まれているともいえます。

実際の仕事内容には違いがある

品質管理は、食品や機械、自動車、化学、金属、医薬品、化粧品、繊維、アパレルなど、さまざまな業界で働いており、「どの製品製造を管理するか」によって、実際の仕事内容にはかなり差があります。

一般的に、規模の大きなメーカーほど、品質管理を担当する社員が多く、細かく役割分担がなされています。

その一方、規模の小さい中小企業ほど、品質管理部門と品質保証部門が一体化されるなど、一人あたりの担当業務が幅広くなっているケースが目立ちます。

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品質管理になるには

自社でものづくりを行っている企業に就職する

品質管理部門のある製造業に就職する

品質管理になるためには、品質管理部門を設置している企業に就職することが必要です。

製品の品質維持・管理業務はほぼすべての製造業で必須となるため、候補先はさまざま考えられるでしょう。

採用区分は企業によってまちまちあり、品質管理として部門別採用を実施しているところや、「総合職」として募集しているところもあれば、「技術職」や「生産職」に分類しているところもあります。

配属にあたっては、本人の意思ももちろん考慮されますが、適性、会社の状況などを踏まえて決定され、部門別採用でなければすぐに品質管理を担当できるとは限りません。

希望していればいつかは品質管理部門に異動できる可能性が高いものの、必ず品質管理を担当できるとは限らない点には、注意する必要があるでしょう。

技術職の中でジョブローテーションする

品質管理は、「技術系」と呼ばれる部署のなかでジョブローテーションを繰り返しながら、キャリアを積んでいくケースが一般的です。

技術系の職種のなかでも、生産管理や品質保証、生産技術など、より製造現場に近い部門に異動する人が目立ちます。

ある程度経験を積むと、それらの部署の課長や部長など、管理職へと昇進する道が見えてきます。

また、近年はメーカーの多くが海外に生産拠点を移しているため、キャリアを重ねるなかでは海外へ出張したり、赴任をしたりするケースも多く見られます。

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品質管理の学校・学費

新卒採用の場合は理系出身者が有利

大手メーカーの新卒採用では、他の職種と同様、たいてい「大卒以上」の学歴が求められますが、技術職であるために、専門の知識を積んだ「高専卒」を採用する企業もあります。

具体的な学部学科については、そこまで細かい取り決めはなく、広く募集されるケースが一般的です。

ただし、機械メーカーなら工学系、食品メーカーなら農学系といったように、就職先の業界に関連した学問を学んだほうが有利なのは間違いないでしょう。

また品質管理は理系職種であるため、機械工学、電気電子工学、情報・通信工学、金属工学、化学、物理などを勉強してきた人は採用に有利となるケースもあるようです。

ただ、新卒採用でなく中途採用の場合は、あまり学歴を問わない募集もそれなりにあるようです。

品質管理の資格・試験の難易度

将来に備える意味で資格を取得する人も

品質管理検定(QC検定)

品質管理として働くうえで、必須となる資格はとくにありません。

業務に関する専門知識レベルを測るための資格としては、「QC(QualityControl:品質管理)検定」という認定制度があります。

QC検定を学ぶことで、業務に不可欠となるパレート図や特性要因図、ヒストグラム、散布図などの通称「QC7つ道具」や、リスクマネジメントの手法などを学ぶことができます。

難易度に応じて1~4級の区分が設けられており、それぞれの知識レベルに合わせて、社会人や大学生だけでなく、毎年1万人弱の高校生も受験しているようです。

最も難易度の低い4級については、主宰する「日本規格協会」のホームページからテキストなどを無料でダウンロードできますので、興味があれば取り組んでみるのもよいでしょう。

実力を養ったり、あるいは就職活動時のアピール材料としたりするには最適な資格ですので、チャレンジしてみるのもよいでしょう。

QCサークル指導士資格認定制度

QCサークル(キューシーサークル)とは、同じ職場内で品質管理活動を自発的に小グループで行う活動のことで、多くの企業がQCサークル活動を取り入れています。

「QCサークル指導士資格認定制度」は、企業・団体等で正しくQCサークル活動を教育・指導できる人を認定する制度です。

品質管理の経験をして、さらに意欲的に活動したいという人はチャレンジしてみるのもよいでしょう。

品質管理の給料・年収

経験を積むと徐々に年収アップ

学歴があると基本給も高い

品質管理の平均年収は、400万円~700万円程度とされています。

会社の規模や経験などによって給料には差が生じますが、他職種と同様に、年齢が上がるにつれて年収も段階的に増えていく傾向にあります。

一般に、初任給は最終学歴によって異なっており、学歴が上がれば上がるほど、最初から高い基本給の設定になっています。

その後の給与の上がり方は会社によっても異なってきますが、大企業に就職するほうが年収は上がりやすいようです。

また、品質管理が活躍できる業界は幅広いため、同じ職種であっても属する業界によって平均給与額が異なります。

役職がつくことで給料がアップしていく

品質管理の仕事でも、他の職種と同様、役職がついていくことで収入は徐々に上がっていきます。

この仕事では他部門との関わりなどが多く、マネジメントスキルやコミュニケーション力も重要になってきます。

そうしたスキルを身につけて管理の仕事まで任されるようになると、責任が増える一方で、収入アップにつながりやすくなります。

転職をすることで年収アップに成功している人もいますが、品質管理担当は大手から中小企業までたくさんの企業で求められている職種であり、必ずしも前職より良いものになるとは限りません。

しかし、求人を出している企業が多いため、品質管理の基礎的なスキルを身につけていれば、多くの選択肢の中から転職先を選べるといったメリットもあります。

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品質管理の現状と将来性・今後の見通し

活躍の場は今後さらに広がっていく

近年では、生産コストの削減をしたり新しい販路を開拓したりするために、海外へと生産拠点を移す企業が多くなっています。

そのため、品質管理業務もグローバルな視点で行うことの重要性が高まっており、海外での品質管理を行える人材のニーズが増加しています。

品質管理はものづくりの要として活躍できる職種であるため、国内外を問わず、今後も求められる役割は多様化していくと予想されます。

実力次第で、さまざまな方面へのキャリアアップが期待できる有望な職種といえるでしょう。

とくに海外の工場で日本国内と同レベルの品質を維持するには、現地の製造スタッフの教育など苦労が伴うため、語学堪能で海外でも活躍できる品質管理担当者は貴重な存在となっていくでしょう。

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品質管理の就職先・活躍の場

就職先によって業務に違いがある

品質管理の活躍の場はおもに製造業の現場です。

食品や自動車、医薬品や医療機器、化学、繊維といったさまざまな業界のメーカーが挙げられます。

就職先によって業務内容は異なりますが、大企業の場合は、個人の役割がそれぞれ明確化し、分業のスタイルが確立されているケースが多いようです。

これに対し中小企業では、品質管理と品質保証がひとつの部署にまとめられていたり、ときには部品や材料の製造にまで携わったりと、担当する役割が広くなる傾向にあるようです。

就職先を選ぶ際は、品質管理がその企業でどのような仕事をしているのか、具体的に調べてみるとよいでしょう。

品質管理の1日

一定のスケジュールでさまざまな業務をこなす

品質管理は、本社や支店ではなく、工場勤務となるケースがほとんどです。

打ち合わせや事務作業など、仕事内容は多岐にわたるものの、日々の始業時間・就業時間はきっちりと決まっており、残業することもあまりなく、一定のスケジュールで働きます。

<メーカーで働く品質管理の1日>

7:45 出勤、業務準備
8:00 全体朝礼
8:30 検査準備
9:00 製品検査
11:30 昼食休憩
12:30 データ整理
13:30 部内ミーティング
15:00 社内研修受講
16:30 デスクワーク
17:00 退勤

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品質管理のやりがい、楽しさ

成果が数字として表れること

品質管理の面白いところは、自身の仕事の成果がはっきりと目に見えるかたちで表れることです。

品質管理の仕事は基本的に裏方であり、日々の業務は不良品のチェックや検査など、地味な作業ばかりですが、一生懸命取り組んでいれば、たとえ少しずつでも、着実に数字として成果に表れます。

地道な努力で状況がよくなっていくことには、確かなやりがいを感じられるでしょう。

また品質管理の仕事は、ルーティンワークとは正反対にあり、柔軟な思考力や発想力を発揮して、自分で創意工夫していくタイプの仕事です。

知識と経験を積んでいけば、生産ラインを抜本的に改善するようなアイデアを出すなど、オリジナリティも発揮しやすい職種であり、頭を使うのが得意という人にとっては楽しい仕事です。

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品質管理のつらいこと、大変なこと

問題の解決に苦慮することは多い

生産がスケジュール通りに進まなかったり、想定よりも多数の不良品が発生したりするなど、品質管理が取り組むべき問題は非常にさまざまです。

こうした問題の原因を突き止めることは決して容易ではありません。

うまく問題点を見つけることができても、その問題を解決するための方法を編み出すのは至難の業で、場合によっては長いあいだ対応に頭を悩ませることもしばしばです。

そんなときでも、諦めないで粘り強く考え続けなければならない点は、品質管理の仕事の大変さといえるでしょう。

また万一ミスがあった場合には、企業に経済的な損失を与えるだけでなく、消費者からの信頼も失い、自社のブランドイメージを大きく傷つけることになります。

重いプレッシャーのなかで働かなければならない点は、この仕事のつらいところです。

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品質管理に向いている人・適性

真面目でていねいな作業ができる人

品質管理は、ものづくりの現場において、製品を出荷する前の「最後の砦」となります。

製造工程や製品を最終的にチェックするという失敗の許されない役割を担うため、絶対に手を抜かない真面目さと、作業に対する強い責任感を持っていることが何よりも大切なことです。

集中力を維持するのに難しいルーティンワークの中にあっても、ていねいに細かいところまで目を配れる注意力の高い人には、品質管理の適性があるといえるでしょう。

また、品質管理はさまざまな可能性を探るために、あらゆる課題を考え続ける仕事です。

論理的に思考することが得意で、ものごとを突き詰めて考えるのが好きなタイプの人の人は、思う存分力を発揮できるでしょう。

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品質管理志望動機・目指すきっかけ

きっかけはものづくりが好きであることが多い

人々を守りたいと思う正義感

自動車事故や食中毒事件などに代表されるように、企業が十分な品質管理を怠った結果、社会に不良品が出回り、それによって消費者が被害をこうむるケースは決して少なくありません。

品質管理を志望するのは、そういったニュースを目にして、人々を守りたいと思う正義感の強い人が多い印象です。

またひとくちに品質管理といっても、品質管理が関係する業界は複数ありますので、志望する企業によってその動機はさまざまに考えられるでしょう。

その企業が製造する商品のファンやユーザーであることも、目指すきっかけとなることも多いです。

なお面接などでは、数ある業界のなかで「なぜその業界を選んだのか」、業界のなかでも「なぜその企業を選んだのか」という理由を盛り込むことが大切です。

なぜ品質管理なのかを考える

品質管理の面接では、研究開発や設備設計、生産管理、品質保証など数ある技術系職種のなかで、なぜ品質管理にこだわるのかは、よく問われる点です。

業務特性や組織における役割を自分のなかで整理したうえで、「品質管理でなければならない」と断言できるだけの自分なりの答えを準備しておきましょう。

品質管理は黙々と作業すればいいというタイプの仕事ではなく、コミュニケーション能力も重要です。

スムーズに説明できないようでは、「品質管理の適性に欠ける」と判断されかねませんので、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

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品質管理の雇用形態・働き方

品質管理のスキルはさまざまなところで生かすことができる

品質管理の雇用形態は、多くが企業の正社員です。

製造業の根幹を担う部分であるため、サポート業務に就くことはあっても、アルバイトやパートで品質管理を担当する人はほぼ見られません

働き方はさまざまで、業務を長く担当し、そのまま管理職となる人もいれば、他の技術職である技術管理、技術開発、生産管理、生産技術、品質保証などへ異動になる人もいます。

品質管理は生産ライン全体をみることができますので、そこで得たスキルや知識は別の職種を担う際にも有効となるでしょう。

また、品質管理業務はあらゆるものづくりの現場で必要となり、転職者の求人数が比較的多いことから、他社へと転職してステップアップを図る人も少なくありません。

品質管理の勤務時間・休日・生活

朝は早めであることが多く、残業は少ない

品質管理は基本的に工場で勤務する時間が大半を占めます。

工場は朝早くから稼働していることが多く、その稼働時間に合わせて、7:00や8:00始業などオフィスで働くサラリーマンよりも朝の始業時間は早めに設定されています。

その代わり、品質管理には製造スタッフの労働環境改善業務が含まれている影響もあって、残業時間は他職種よりも少なめであることが多く、定時で帰宅できることも珍しくないでしょう。

休日についても、生産ラインが稼働していない日に業務をすることは稀ですので、あらかじめ定められたスケジュール通りに休むことができます。

なお、一部の職場では、夜勤を含むシフト制勤務となっているところもあるため、就職先を選ぶ際は、勤務体系について確認することが必要です。

品質管理の求人・就職状況・需要

メーカーにとって品質管理は必要不可欠な仕事

品質管理は、その業務の重要性が高まり続けている状況にあります。

昨今の不祥事を受け、消費者の安全・安心に対する意識はさらに高まっており、品質管理体制の強化は、ものづくり企業が抱える課題のひとつです。

どれだけ企業に高い技術力や企画力があっても、製品を安定的に、一定の品質を保って生産できる体制が整っていなければ、事業として成り立ちません。

ものづくりを行う企業にとって、品質管理は会社の業績を大きく左右する重要な部門であり、社会情勢や景気変動に関係なく、求人は常に数多くあります。

なかでも、業界や業務に関連した知識・スキルを持った人材、特に理系の学部で専門的な研究を行った経験のある学生は、企業からの人気が非常に高いようです。

品質管理の転職状況・未経験採用

転職市場は活況で、未経験者でもチャンスがある

品質管理は中途採用者も積極的に採用しており、品質管理の転職市場はかなり活況です。

品質管理の方法は企業によって大きく異なり、就職してから現場で実務を学んでいく部分が大きいため、未経験者であっても企業は採用しやすい傾向にあります。

ただし、なかには採用を理系出身者に限定している企業や、設計補助や設備管理、品質評価など、製造現場に関するなんらかの実務経験のある人に限るという企業もあります。

企業の中には、転職サイトに求人情報を公開して、自社の事業と親和性の高い理系出身者を中心にスカウティング活動を行っているところも少なくありません。

もちろん転職先で役立つスキルを備えた経験者は、未経験者よりもさらに歓迎される傾向にあり、転職を成功させて大きく収入を伸ばす人もいます。

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