薬剤師の需要と就職・求人募集状況

需要は減少の可能性も

薬剤師は、かつては「資格さえ取ることができれば、あとは一生就職に困らない」と言われている職業でした。全国どこに行っても病院や調剤薬局はあるので就職口を探すのにも苦労しないし、専門性が高くて給料も高く、まさに売り手市場の職業だったのです。

しかし、近年この状況が大きく変わり始め、薬剤師の需要が減少しつつあるのです。

理由のひとつは、医療現場でのカルテや処方せんの電子化が進んだこと。かつては薬剤師が自分の手で行ってきた入力作業もどんどん簡略化されていき、人手が少なくても作業ができるようになってきました。

さらに、規制緩和の流れのなかで薬局以外のディスカウントストアやコンビニでの医薬品販売が進んだことで、薬局での対面販売も減る傾向にあります。

薬の種類によっては、薬剤師ではなく「登録販売者」という資格があれば販売できるようになり、薬剤師の正規雇用を抑える病院や薬局が増えてきていると言われています。

また、インターネットでの薬の販売が増加すれば、そのぶん薬剤師が求められる場も減少していくでしょう。

供給は増える傾向に

需要が減る一方で、薬剤師をめざす人の数は増え続けています。2004年頃から私大の薬学部開設が相次ぎ、かつては46校だった薬学部の設置大学が74校にまで増えました。

薬剤師の主な就職先と言えば「調剤薬局」「病院」「製薬会社」「大学の研究機関」です。

「製薬会社」や「大学の研究機関」をめざすのは一部の難関大学の薬学部を卒業する学生が多く、こういった研究職の分野では今後も需要が減ることはなく、供給が増えすぎるということも考えにくいでしょう。

一方で「調剤薬局」「病院」をめざす学生は今後どんどん増えていくことが予想されており、就職活動においては厳しい内定争奪戦が繰り広げられるのではないかと考えられています。

ただし、地方においては薬剤師の人数が足りないとも言われています。都市圏での勤務にこだわらず、地方での就職を目指すのであれば、就職先に困ることはそれほどないでしょう。