患者さんが元気になってくれることが、何よりのやりがい!

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薬剤師林 久美子さん

東京都出身。千葉大学薬学部薬学科卒業。薬剤師国家試験合格後、都内大学病院の院内薬局に就職。現在は、文京区小石川のくみ薬局にて薬剤師として活躍中。

今の仕事内容を教えてください。

地元の調剤薬局で薬剤師として働いています。おもな仕事は、処方箋を持参された患者さんに向けて薬の調剤をし、患者さんに説明をしながら渡すということです。私は平日だけ勤務しており、かなり恵まれたほうだと思います。

月・火・木曜日は9時から17時まで、水・金曜日は9時から13時まで働いています。ただ、ときには残業もしますし、新薬が出れば、メーカーさんが来て薬の勉強会に参加することもあります。

どんなきっかけで、薬剤師を目指されたのですか?

私は4人兄妹の末っ子なのですが、うちの父は昔にしては珍しく、これからは女性も手に職をつけて働くべきだという考え方だったんですね。私は文系科目が苦手だったので理系に進みました。

そのなかでも、一番上の兄が早くに医者になった姿を見ていましたので、なんとなく自分も医療関係かなとは考えていましたが、血を見るのは苦手だったんです(笑)。それで、薬剤師ならできるかなと思って薬学部に進みました。そして、国家試験を受けて薬剤師の資格を得ました。

薬剤師の資格を得てからは、どのように働いていましたか?

当時の千葉大学薬学部の出身者は、製薬会社に就職する人がほとんどだったのですが、私は会社に入る気持ちがなくて。調剤をやりたいなと思いましたが、まだ若かったこともあって、街の薬局よりも大きなところで働きたかったんです。

そして、都内大学病院の院内薬局に就職しました。結局そこでは20年働き、それから今の薬局に移って働いています。

大学病院で働いていた時は、どんな様子でしたか?

現在はだいぶ変わっているかもしれませんが、私のいた時代の大学病院は外来も院内で調剤していたので、とにかく働く側も患者さんの数も多かったです。薬を用意する担当、患者さんに薬を渡す担当…とある意味、システマティックでしたね。一息つく暇もなく、一日がめまぐるしく動いていきました。

それに、24時間体制なので、当直も頻繁にあったんです。一週間に必ず一度はあって、土日も当直になることがあり、若い人だとそれが負担に思う人が多かったですね。でも私は、ちょっとした時間でもすぐに寝られる図太い性格でしたから、わりと平気でしたけれどね(笑)。

では、現在働いていらっしゃる街の調剤薬局ではどうでしょう?

大学病院とは雰囲気はまったく違いますね。患者さんは地元の方がほとんどですし、ゆったりとコミュニケーションをとりながら接することができます。うちは訪問もやっているので、日中は基本的に二人体制で動きます。患者さんの家に行き、日にち分の薬をセットして…といったことです。

最近はお年寄りの一人暮らしが増えています。うちが訪問しているところは訪問ステーションも入っているので、ドクターや看護士さん、ヘルパーさんも順に訪問して、それぞれ連携を取り合っています。薬剤師は、2週間に一度など、処方のタイミングで訪れます。

このお仕事で大変なことを教えてください。

患者さん一人ひとり性格も違えば、抱えている病気も違います。たとえば大学病院時代のお話をすると、行かれたことがある人はおわかりだと思いますが、診察を終えるまでに何時間もかかりますよね。それでいて、さらに薬をもらうのに1時間待ちなんてなると、誰だってイライラしてしまうもの。

ですから、それをいかに効率よく早く処理するかというのは課題でもありましたが、失敗は許されませんし、スピードにも限界もあるので、そのあたりのやりくりは大変でしたね。

どんなときに薬剤師としてのやりがいを感じますか?

患者さんに喜んでもらえたときですね。「あなただったら話しやすいわ」と相談してもらえると、少しは役に立っているかな、と思えます。

最近は患者さん一人ひとりの薬歴もきちんと書くようになりましたので、患者さんのことにも自然と興味が湧くというか、どんなことで悩んでいるかよく把握できます。それに、お年寄りはお話すること自体が元気の素になったりするので、できるだけ前向きになれるようお話することを心がけています。

これからもっとお年寄りが増えていくことで、薬剤師のお仕事にも影響がありそうですね。

そうですね。最近は朝昼晩で、薬を一緒にする動きがあります。これまでは朝はこれ、昼はあれ、といった具合に何種類もの薬を処方していたのですが、できるだけまとめると患者さんも楽になりますよね。

また、自分も歳を重ねると、だんだん悪い部分、たとえば、脚が痛いとか出てきますし、お年寄りの気持ちがわかるので、この仕事は歳をとればとったなりに経験が活かせますね。もちろん、薬の知識というところとは別で。

お仕事以外での趣味や楽しみはありますか?

たくさんありますよ(笑)。もともとは旅行や食べ歩きが好きだったのですが、3年前体重が増えたのをきっかけに、運動しないとと思って区の施設で水中ウォーキングを始めました。

でも、なんだか楽しめなかったので、それからはピラティスやジャズダンスを始めました。それから、今はシェイプボクシングや社交ダンス、ジャズダンス、フラダンスなど、毎日仕事を終えてから色々やっています。姉と仲が良くて、最近は一緒に和太鼓も始めました。

かなりエネルギッシュですね(笑)。お仕事はずっと続けていかれますか?

はい、仕事は楽しいので60歳の定年までは続けたいですね。結婚してからも、夫の給料だけで生活するという経験をしたこともないですし、私は動いていないとダメな性分なんですよ(笑)。それに、仕事があるから趣味もより楽しめるというか、メリハリがつくように思います。

この仕事はどんな人が向いていると思いますか?また、学生さんにメッセージをください。

コミュニケーションをとるのが嫌いではない人のほうがいいと思います。また、この仕事で接するのは、病気を持っている方がほとんどです。ですから人として当たり前のことですが、人の痛みがわかる人に携わってほしいですね。

(取材:石原 桃子)