宮大工になるには

特別な資格はない

宮大工を志す人は神社仏閣の建築を手掛けている工務店に就職し、「棟梁」のもとで見習いから修行を始めることになります。棟梁とは大工の世界の職長、親方のことです。

宮大工の世界では特別な資格は必要とされず、現場で培った技術が物をいいます。

宮大工が手掛ける神社仏閣は「木組み」と呼ばれる伝統的な工法で建てられます。この工法は一般の建築物には用いられない特別な工法です。

この「木組み」の技術を習得して初めて宮大工を名乗れるといっても過言ではありません。

前述のように宮大工には特別な資格は必要ありませんが、「木組み」に関する専門的な技術や知識が不可欠です。

また、神社仏閣の中には柱や屋根などに特殊な装飾を施すこともあるため、芸術的なセンスも養っていかなければなりません。

まずは普通の大工を目指すのも一つ

神社仏閣を手掛ける工務店は一般的な工務店に比べて少数です。そのため、タイミングによってはなかなか就職口が見つからない可能性もあります。

そのような場合は住居や店舗などの一般建築物を扱う工務店に就職するのも一つの手です。一般的な工務店で基本的な大工仕事をひととおり身につけた後で、宮大工の修行を始める人も少なくありません。

将来的に宮大工として独立したときのことを考えても、在来工法の知識や技術があるのとないのとでは仕事の幅に大きな違いが出ることが予想されます。

職人の仕事は経験が物をいうので幅広い経験を積むことは長い目で見てもプラスになることでしょう。

一人前になるまでの道のりは長い

見習いのうちは、現場の掃除や道具の研磨、木材などの材料運びといった雑用が主な仕事となります。

中でもカンナの刃の研ぎ方は、宮大工にとって仕事の出来を大きく左右するものであるため、見習いのうちにしっかりと身につけておくべきことの一つであるといわれています。

こういったカンナ掛けなどの下作業から始まり、木材の切り出しや仕口や継ぎ手の加工、木材への番付や墨出し、原寸図の作成などの技術を段階的に習得していくことになります。

木材は木のどの部分が使われているかによって強度等が全く違います。その特性を理解しなければ、適材適所に使用することができません。宮大工は見習いのうちに、木材に関する確かな理解を深めていきます。

宮大工が手掛ける建造物の中には文化財なども多く含まれます。中には何百年も前の工法で作られているものも多く、当時の建築方法をしっかりと理解していなければ改築や修繕を適切に行うことができません。

そのために歴史的な知識をつける必要が出てくることも多々あります。

このように、宮大工の世界では一人前になるまでに習得すべき技術や知識が多岐に亘っているため、大体10年ほどの修行期間が必要であると考えておいたほうがよいでしょう。

知識は現場で学ぶ

多くの建築の専門学校や大学は、設計や施工管理などの建築における知識全般を学ぶところです。したがって一級(または二級)建築士や施工管理技士を目指す上では進学は有効な方法であるといえます。

しかし、宮大工の技術を学ぶことのできる一部の学校を除き、専門学校や大学では建築現場で活躍する職人に必要な実践的な技術や知識について学ぶことは難しいところがあります。

宮大工になるための学校

そのため、大工を始めとする職人を志す場合は、一日も早く現場に出て学んでいく道が一般的です。