宮大工の需要・現状と将来性

宮大工の現状

日本の建築において、戦前は木組み工法が主流でしたが、現代ではRC造や鉄骨造が広く普及し、木造建築においても、在来工法やツーバイフォー工法が主流です。

寺社仏閣の新築工事自体が減少している中、コストなどの問題から、伝統的な木組み工法によらず、近代的な工法による建築が行われるケースも多いです。

そのため、新築の建築工事においての宮大工の需要は、減少している傾向にあり、寺社仏閣の建築に携わる工務店の数も減少しています。

仕事量を確保するために、寺社仏閣だけを専門に扱うのではなく、一般的な建築も受注する工務店もあります。

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宮大工の需要

たとえ新築の工事の需要は減っても、既存の寺社仏閣は、経年劣化により改修工事が必要になるため、職業としての宮大工は欠かせない存在です。

宮大工は、世界最古の木造建築である法隆寺など文化財の保護を通じて、後世に日本の伝統建築を継承していく役割を担っています。

歴史的建造物に係わる、解体や修理における需要はなくなることはまずありません。

伊勢神宮では、飛鳥時代から1300年に渡り20年に一度「遷宮」と呼ばれる、社殿の造り替えが行われています。

これは後世に建築様式を継承し、保存をすることも遷宮が行われる理由の一つとされています。

宮大工の需要は減少傾向にあり急激に増えることは考えにくいですが、日本の文化を守る重要な職業です。

仕事がまったくなくなることはないので、専門的な知識と技術を身につけることで、生き残っていくことが可能となるでしょう。

宮大工の将来性

宮大工は、肉体労働の上上下関係が厳しく、いわゆる3K(危険、きつい、きたない)と言われる仕事でもありました。

しかし、こうしたイメージから宮大工を目指す人は減少傾向にあり、後継者不足に悩んでいるところも少なくありません。

宮大工の技術が継承されなければ、全国各地の寺社仏閣が存続の危機に立たされてしまいます。

そこで現在では、宮大工を雇い会社組織としているところが増えてきています。

徹底した安全管理や安定した収入が約束された環境を整え、これまでのような口伝や見様見真似ではなく、しっかりと教育体制をおき技術を継承していくことで、若者にも関心を持ってもらおうとしています。

今後は若い世代にとっても、働きやすい環境が整っていくと考えられるでしょう。

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宮大工の今後の活躍の場

近年、宮大工の伝統的な木組み工法に注目が集まっていて、意匠に凝ったデザインの建築を行いたいと考える人は増えてきています。

とくに近年は、天井や床を無垢材で仕上げたい、木のぬくもりをあふれる家にしたいという人が増えています。

一般住宅においても、材木を扱うには豊富な経験が必要になりますし腕の良し悪しがはっきりと目に見えてわかるもののため、高い技術をもった宮大工は活躍するでしょう。

また、宮大工として寺社や仏閣などの建築に携わるだけでなく、その工法を生かして一般住宅や商業施設などを手掛けていくことも重要となっていくでしょう。

さらに、これまでに培ってきた木組みの工法だけでなく、現代的な工法のよいところを取り合わせて新しい技術を作っていくことも期待されています。