監査役と社外監査役の違い
監査役とは何か
「監査役」とは、会社法上の役員のひとつで、他の役員である「取締役」や「会計参与」の職務執行を監査する役割を担います。
具体的には、取締役の職務の執行が法令・定款を遵守して行われているかどうかをチェックする「業務監査」と、計算書類等(貸借対照表や損益計算書など)に誤りがないかチェックする「会計監査」の2種類の監査を実行します。
監査役には、取締役が株主総会で提出する議案について、必ず調査してから報告することが義務付けられており、その議案が違反であると判断した場合には、監査役は株主総会の場で、その根拠を株主に対して説明しなくてはなりません。
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監査役の種類、監査役と社外監査役との違い
会社にいる「監査役」は、立場の違いなどから、大きく以下の2種類に分類されます。
・社内監査役
・社外監査役
このうち、「社内監査役」は通称「監査役」と呼ばれることも多く、「社外監査役」はそのまま「社外監査役」と呼ばれるのが一般的です。
また、それぞれに「常勤」と「非常勤」の監査役が存在します。
社内監査役(監査役)とは
社内監査役は、もともとその会社出身で監査役になった人のことをいいます。
社内監査役の多くは常勤で、営業時間中はその会社の監査役としての職務に就きます。
ただし明確に出勤日数の定めがあるわけではなく、一般的には「週3日以上」が出勤の目安として語られることが多いです。
社外監査役とは
社外監査役は、過去にその会社の役員や従業員であったことがない人、つまり外部から監査役に就任した人のことをいいます。
弁護士や税理士、公認会計士など、ある分野に関する豊富な知見をもつ専門家が選ばれることが多いです。
社外監査役は非常勤である場合が多く、月に数日程度、取締役会や監査役会が行われるときのみ出社することが多いです。
社内監査役と社外監査役の両方が必要な理由
社内監査役と社外監査役は、職務や権限に関しての違いはありません。
ただし、もともとその会社の取締役や従業員であった社内監査役には、「会社の業務や内部事情に通じている」という特徴があります。
人脈をたどってスムーズに情報収集ができたり、理解している内部事情にもとづいて会社の問題点を発見しやすかったりするのがメリットです。
その反面、社内の人間関係や体制にとらわれて、客観的な監査行為が難しくなるというデメリットも挙げられます。
そうした理由から、監査役には社外監査役を加え、客観的・第三者的な立場からも監査をすることが定められています。
監査役会は、会社が適切・公正に経営されていることを示すための重要な機関ですが、その実行性を高めるためにも、社外監査役は不可欠な存在として位置付けられています。