自動車メーカーで働くには(大学学部・学歴)

自動車メーカー社員になるまでの道のり

大学に進学するのがポピュラー

自動車メーカー社員として働くには、各自動車メーカーが独自で実施する社員の採用試験を受け、合格する必要があります。

自動車メーカーの多くは大企業であり、有名大学の学生なども多数応募してくるため、総合職の採用を勝ち取るためには大学卒以上の学歴がないと厳しいでしょう。

また総合職や技術職の新卒採用においては、募集要項に「4年制大学卒以上」と明確に条件が指定してあり、専門学校卒や高卒では応募自体ができなくなる自動車メーカーもあります。

将来自動車メーカーへ総合職や技術職として新卒で入社したい場合は、高校卒業後、4年制大学へ進学するのがポピュラーな進路です。

一般職や技能職に関しては高卒を積極的に受け入れている企業もあります。

事務系と技術系

自動車メーカーの新卒採用には、「事務系総合職」と「技術系総合職」の大きく2つの採用コースがあります。

事務系総合職はいわゆる「文系向け」のコースとなり、技術系総合職(技術職)は「理系向け」のコースです。

<採用コースと将来の仕事内容>
・事務系総合職:商品企画マーケティング、資材調達、プロジェクトマネジメント、総務経理・財務、人事など
・技術系総合職;研究開発、生産ライン設計、製造・品質管理、デザイン、情報システムなど

事務系総合職は、特に学部や学科の指定はありません。

技術系総合職においては、募集要項に「理系の学部・学科出身者のみ」の条件をかがげている自動車メーカーが多いため、大学の理系学部に進学することが一般的な進路となります。

自動車メーカー社員になるまでのルート

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自動車メーカーの求人の状況

採用規模も大きい

自動車メーカーは会社規模自体が大きいため、採用する人数の枠も多めです。

最大手の「トヨタ」においては、従業員数が7万人を超えることもあり、新卒採用では毎年500名以上もの学生を採用しています。

割合としては、文系総合職よりも理系総合職の採用人数のほうが多くなりがちです。

経験者向けの中途採用(キャリア採用)も、通年に渡り実施しているメーカーが多く、経験や能力のある人材であれば常に迎い入れようとする姿勢がうかがえます。

採用のハードルは高い

自動車メーカーは学生の就職先として高い人気を誇り、毎年応募が殺到するため、採用枠は多いものの採用倍率は高くなりがちです。

有名大学出身の学生、大学院の博士課程卒の学生なども応募してくるため、入社は狭き門となります。

とくに事務系総合職においては、理系総合職より採用枠が少なく、全学部が応募できることもあり応募者が多いので、厳しい競争が余儀なくされます。

時代の変革期にある

自動車業界はバブル崩壊後の氷河期やリーマンショックなどを乗り越え、ここ10年程度は上り調子にあり、新卒採用も積極的に行われていました。

ただし少子高齢化や若者の車離れなども進む中、新車も徐々に売りにくくなってきています。

そのような時代の変革期にあるため、今後はこれまで通りの規模の採用が行われなかったり、企業側の求める人物像や能力が変わってくる可能性もあります。

自動車メーカーで働くための学部・学歴

事務系総合職を目指す人が通う学校

事務系総合職の採用は、全学部・全学科が対象となるのが基本です。

いわゆる文系向けのコースであるため、文系学生の応募が多くなりますが、理系の学生が応募することも可能です。

事務系総合職を目指す上では、どのような学部に進学しても特に問題はなく、外国語学部出身、経済学部出身、法学部出身など、さまざまな学部で学んできた人が活躍しています。

学費は、国立大学の場合は年間約53万円、私立大学の場合は年間約100万円(文系の場合)が目安です。

技術系総合職を目指す人が通う学校

技術系総合職の場合、理系の専門知識が必要となってくるため、新卒採用では募集要項に「理系の学部・学科出身者のみ」の条件をかかげている自動車メーカーも多めです。

また技術系総合職の採用では、学生時代の研究テーマや技術論文なども評価の対象となることがあり、理系ならではの学校推薦制度を利用し入社する人も少なくありません。

有利になる学部は、機械・航空・精密・電気・電子・情報・化学・金属・人間工学など、理工系学部です。

学費は、国立大学の場合は年間約53万円、私立大学の場合は年間約150万円(理系学部は文系よりもやや高め)が目安になります。

デザイナー職志望が通う学校

自動車メーカーではカーデザイナー職も用意されていますが、こちらは採用方式が大きく異なってきます。

カーデザイナー職を目指す場合には、芸術系、美術系または工学系の大学で、プロダクトデザイン、インダストリアルデザインなどを学ぶのが一般的です。

もしくはデザイン系の専門学校で、カーデザインに特化したカリキュラムを学ぶルートもあります。

選考は、それまでのポートフォリオ(自己作品集)を出して行うのが基本であり、学生のうちにインターンなどに参加することも重要になります。

年齢的にも若い方が有利になり、早いうちからデザインの基礎を固めておくことが大切になります。

学歴について

多くの自動車メーカーの総合職・技術職採用では募集の際に、「4年制大学卒以上」の学歴を必要としています。

また、出身校名などで学生を見る文化のある会社もあるようです。

また大卒か大学院卒かによって初任給(基本給)の額も変動します。

トヨタでは大卒が約21万円、大学院の修士卒が約23万円、博士卒が約26万円です。

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自動車メーカー社員になるのに有利な資格はある?

絶対に必要となる資格はない

自動車メーカーに就職するにあたって、絶対に必要とされる資格、免許などは基本的にありません。

募集要項で、特定の資格が応募条件として掲げられていることもほとんどありません。

新卒学生の場合、資格よりも人物重視と採用となることが多く、また技術系総合職の場合は学生時代に専攻した技術分野や研究テーマなどが資格よりも重要になります。

ただし資格というのは、就職や仕事に対する意欲のアピールとなり、知識の幅を広げることにもなりますので、もっていて損のあるものではありあせん。

採用を決める決定打にはならないものの、資格を所持していることで、面接でプラス評価となることもあります。

あると有利な資格

自動車メーカーは商品として自動車を扱うため、自動車に対する知見を深める上で「普通自動車免許」は取得しておくのが望ましいでしょう。

また、自動車メーカーは国内のみならず海外市場もターゲットとしてビジネスをしているため、働く上で英語力は欠かせません。

そのため、「TOEIC」や「英検」などの英語系の資格を所持していると、英語力を示す証としてアピールできます。

募集要項にてTOEICのスコアが条件としてかかげられているメーカーもあります。

自動車メーカー社員に必要な資格やスキルはある?

自動車メーカー社員に向いている人

自動車メーカー社員に向いている人の性格的特徴としては、次のようなものが挙げられます。

<自動車メーカー社員に向いている性格・適性>
・クルマが好きな人
・モノづくりが好きな人
・幅広い仕事に適応できる人
・チームプレイが得意な人
・グローバルに活躍したい人

車を作る自動車メーカーで働くうえで「クルマが好きか」、「いかにクルマに興味を持てるか」は前提条件です。

自動車メーカーではジョブローテーション制度のもと、数年ごとにさまざまな仕事を経験することになります(とくに事務系総合職の場合)。

仕事内容や働く環境が変わっても上手く立ち回れる能力も重要です。

自動車メーカー社員に向いている人・適性

自動車メーカー社員のキャリアプラン・キャリア

入社後のキャリアの歩み方

自動車メーカーでは、ジョブローテーション制を採用している会社がほとんどです。

たとえば事務系総合職で採用された場合、商品企画、マーケティング、資材調達、プロジェクトマネジメント、総務、経理・財務、人事など、事務系コース内での職種でローテションを行うことになります。

適性や本人の希望から最初の配属部署を決定し、その後は数年おきにさまざまな部署を渡り歩き、幅広い経験を積んでいくことになるのが一般的です。

ただし、担当している仕事内容、もしくは本人の希望に応じて、意図的にジョブローテーションを行わず、一つの道を突き詰めキャリアアップしていくケースもあります。

その後のキャリアプラン

20代~30代のうちはジョブローテーションで幅広い経験をつみ、その後は係長や課長といった「管理職」に昇進していくのが一般的です。

また大手の自動車メーカーは子会社や関連会社をたくさん経営しているため、ある程度の年齢になると、子会社に出向し、子会社側の管理職として統括をまかされることもあります。

その他、「それまでの経験を生かして他の会社に転職をする」、つちかった技術を生かし自ら事業を起こす」、「評論家や研究者を目指す」といったキャリアを歩む人もいます。

自動車メーカーでは、事務系・技術系ともに、高度な経験やスキルを積める機会に恵まれているため、将来的に描けるキャリアの選択肢は広めです。

自動車メーカー社員は高卒から目指せる?

高卒者が新卒で入社するのはむずかしい

総合職や技術職においては、高卒者を採用している自動車メーカーは少ないため、新卒で入社したい場合には大学に進む必要があります。

一般職や技能職に関しては高卒も受け入れています。

また、中途採用(キャリア採用)においては、大手メーカ-であっても基本的に学歴の制限はありません。

中途採用では、学歴よりも即戦力となる経験、能力、スキルなどで採用が判断されます。

そのため高卒者であっても、一度別の会社で求められる経験や能力を積んだ後に、中途採用で入社することは不可能ではありません。

一般職や期間従業員について

「一般職(業務職)」は、一般事務・会計簿記・秘書CADオペレーターといった、定型サポート業務を行う職種です。

「期間従業員(期間工)」は、各地のメーカー工場で、一定期間、自動車の製造や加工などにたずさわる職種です。

これらの職種の場合は、学歴的な制限は緩くなり、高卒者でも採用していることが多いです。

ただし、総合職採用の社員とは待遇やキャリア形成の考え方が異なりますので、その点は理解しておく必要があります。

自動車メーカーへの転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう

未経験や中途で自動車メーカーを目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。

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まだ転職するか迷っている、そもそも自動車メーカーが自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。

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