法学とは? 大学で学ぶことや就職先は?





法学の概要・理念

法学とは、社会の規範である法や法律について研究する学問です。

私たちはふだん、国や自治体などが決めた法律の中で暮らしています。

法律を守って暮らすことによって、社会で暮らす人々が互いの権利や財産、あるいは生命を守っていくことができるのです。

法学では、そもそも法とは何であるか?といった根本的な問いに始まり、法律を支えている考え方や六法(憲法、民法・刑法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法)に代表される法律の中身について探求していきます。

法律は誰か特定の人のためのルールではなく、社会で暮らす皆のためのものになっている必要があります。

そのため、法について考えるためには論理的思考力や判断力を必要とします。

法律そのものも時代や社会情勢に応じて変化していくため、常に新しい情報を得ながら、正確な理解に努めていく必要があります。

このように、リーガル・マインドを育み、法や法律についての専門化を育成することが、法学を学ぶ上での大きな目標の1つと言えます。

法学で学ぶこと

法学は基本六法、基礎法学、その他の法律の3つに分けられます。

基礎六法はその呼称通り六法の各法律について基本的な知識を体得します。

実社会での問題に適用される法律を扱う学問は実定法学と呼ばれ、六法ももちろん実定法学の研究領域となります。

基礎法学では、法律の歴史について学ぶ法制史、法律と社会との関係を考える法社会学、法律とは何かを本質的に問う法哲学といった分野を学びます。

その他の法律としては、自治体の行政について定めた行政法、労働基準法や労働組合法といった労使関係について定めた労働法、国家間の条約や取引について定めた国際法といったように、さまざまな法律について学びます。

こうした法律についての研究を通じて、法律を支える原理と法律が適用される場合の論理的な思考法について探求していきます。

大学・専門学校の情報が満載(PR)

「スタディサプリ進路」は、あなたに合った大学・短期大学・専門学校を探すサービス。パンフや願書を無料で取り寄せることができます。

いまなら図書カードプレゼント!

法学の大学での授業科目の例

法制史

わが国の法律がどのような歴史的背景の中で発展してきたのかを学びます。

法哲学

人間の権利とは何か、法はどうあるべきか、といった根本的な問いを深めていきます。

法社会学

テクノロジーの進歩や世の中の風潮の変化など、社会的な側面から法について研究します。

民事訴訟法

民事に関する紛争を解決するための手続きや裁判について定めた法律を学びます。

刑事訴訟法

刑事事件の捜査をはじめ、逮捕、裁判手続きについて定めた法律を学びます。

法学のレポート・テーマの例

法学のレポートテーマは、特定の事件の判例について論じるものから、身近な社会問題について法的な側面から論じるものまで幅広くあります。

法学論文は、法律の条文を引き合いに出す場合の書き方や用語の使い方が厳格に決められていますので、これに則って書く必要があります。

  • ・夫婦別姓問題
  • ・海外での代理出産について
  • ・交通事故の厳罰化
  • ・法律的観点から考える安楽死
  • ・学校事故と国家賠償法1条

法学と関連する学問

法学と政治学は関わりの深い学問です。

大学によっては法学政治学という分野の研究が行われていることもあります。

法社会学の分野は法律という切り口ではありますが、社会学と関連した学問と言えるでしょう。

たとえば、日本は諸外国と比べると訴訟が少ない傾向がありますが、示談など訴訟以外の方法で解決されている事例について研究するのは法社会学の領域です。

また、企業は法律に則って経営する必要がありますので、経営学も法学と密接な関わりのある学問と言えます。

法学を学んで就職に有利な業界・仕事

弁護士裁判官といったいわゆる法曹の仕事に携わるなら法学を学ぶことは必須となりますが、法学の知識を役立てられるのは法曹界に進む人だけではありません。

私たちは法律によって規律が保たれている社会で暮らしていますので、どのような業界で働く上でも法律の知識を役立てることができます。

企業に対する世の中の目が厳しくなっていますので、法律について正確な知識を持つ人材はコンプライアンスの面でありがたい存在です。

そのため、幅広い業界で法学を学んできた人材に対する評価は高い傾向があります。

法学を学ぶことで体得できるのは、法律の知識そのものだけではありません。

さまざまな立場から物事を捉え、論理的に解決策を考えるとともに、理路整然と説明する能力を伸ばすことができるのです。

つまり、法学を学ぶことによって問題解決能力を高めることにつながります。

どのような職種に就く場合にも仕事の本質は問題解決ですので、法学を学ぶことを通して身につけた問題解決能力を発揮して活躍することができるでしょう。

法学の知識は人生でどう役立つ?

法治国家で暮らす私たちは、日常のあらゆる場面で法律と関わりを持っています。

法律に関する知識を持っていることで、どういった場面でどのような法律が関わっているのかを判断できるため、自分の身を守ったり気づかないうちに法律に違反してしまったりするのを防ぐことに役立ちます。

また、法学は法律そのものを学ぶのと同時に、実際の事件や紛争に対して法律をどのように解釈して解決に導くかを考える学問です。

この過程で培われた論理的思考は、人生で遭遇するさまざまな困難に立ち向かうとき、客観的な視点を持って冷静に対処する上で大いに活用できることでしょう。

社会に出てから法律を体系立てて学ぶには、かなりの努力と時間を要します。

法学を学んでおくことによって、汎用性の高い知識と思考力が身につき、人生を豊かにすることにつながるはずです。

30秒でわかる!転職サービス診断

当サイト人気の転職エージェント