自動車メーカー社員に必要な資格やスキルはある?
自動車メーカーで働くのにおすすめの資格は?
資格はほとんど必要とされない
自動車メーカーに就職するにあたって、必要とされる資格や免許は基本的にありません。
とくに新卒採用においては、資格よりも性格や適性、基礎ポテンシャルなどが注目され、人物重視の採用になることが多いです。
自動車メーカーの就職では、どちらかといえば資格よりも「学歴」のほうが重要になります。
募集要項で「大卒以上」の制限が設けられているメーカーがほとんどであるため、4年制大学を卒業することが資格以上に求められます(ただし一部、高等専門学校や短大卒の人を受け入れるメーカーもあります)。
難関大学の学生なども多数応募してくるため、できるだけ偏差値の高い大学を卒業していると心強いです。
さらに理系総合職コースの採用では、「理系学部出身者のみ」の制限が設けられていることもあるため、選考に応募(エントリー)するためには、理系学部に進学しておく必要もあります。
資格は無意味なわけではない
自動車メーカーへの就職では、資格が絶対的な力をもつことはありませんが、だからといって資格を取得することが無意味なわけではありません。
資格は、その仕事に対する意欲や努力のアピールともなり、また資格勉強を通して専門知識が身に付くため、業務を行う上での知見の幅も広げてくれます。
資格を取得するまでの苦悩のエピソードを、志望動機などでアピール要素として活用できる利点もあります。
とくに皆が横並びの新卒採用においては、なんの資格を持っていない人よりも学生時代から資格取得に励んでいた人のほうが目立ちやすく、評価としても高くなります。
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自動車メーカーの事務系総合職におすすめの資格
「事務系総合職」とは、商品企画・マーケティング・資材調達・営業・経理・財務、人事など、事務系の仕事を担当する総合職コースです。
おすすめの資格としては次のようなものが挙げられます。
<事務系総合職におすすめの資格>
・Microsoft Office スペシャリスト:民間資格、難易度 やや易
・情報処理技術者試験:国家資格、難易度 やや難
・TOIEC:民間資格、難易度はスコアによる
参考:Microsoft Office スペシャリスト
参考:情報処理推進機構 情報処理技術者試験
パソコンを使用してのデスクワークが多いため、Microsoft Office系の資格や、「ITパスポート試験」などの情報処理技術者試験の資格があると、業務で役立ちます。
また、自動車メーカーはグローバルに事業を展開しており、海外の顧客とやりとりすることもあるため、電話、メール、ドキュメント作成などで英語を使う機会も多いです。
そのため、「TOIEC」や「英検」などの英語系の資格を所持していると心強いでしょう。
募集要項に「TOIECスコア〇〇〇点以上」の条件を掲げているメーカーもあります。
自動車メーカーの技術系総合職におすすめの資格
「技術系総合職」は、研究開発・車両設計・生産技術など、技術系の仕事を担当する理系の総合職です。
おすすめの資格としては次のようなものが挙げられます。
<技術系総合職におすすめの資格>
・CAD利用技術者試験:民間資格、難易度 やや易
・機械設計技術者:民間資格、難易度 やや難
・技術士:国家資格、難易度 難
・情報処理技術者試験:国家資格、難易度 やや難
・TOIEC:民間資格、難易度はスコアによる
参考:一般社団法人コンピュータ振興協会 CAD利用技術者試験
参考:一般社団法人日本機械設計工業会 機械設計技術者試験
参考:公益社団法人日本技術士会
自動車の設計はコンピュータ上の設計ツールとなるCAD(Computer-Aided-Design)を用いるのが一般的であるため、「CAD利用技術者試験」などの資格を所持していると心強いです。
「機械設計技術者」や「技術士」などの資格は、エンジニアとしての技術力を示す証となり、ベテランのエンジニアの中には自主的にこういった難関資格の取得を目指す人もいます。
近年は自動車とインターネット・ITが結びつく時代ともなっているため、IT系の資格である「情報処理技術者試験(基本情報技術者試験など)」を所持していると、エンジニアとしての活躍の幅を広げられます。
また技術系総合職においても、英語でドキュメントを作成したり、英語で書かれた技術論文を読む機会などもあるため、TOIECのスコアは重要になります。
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自動車メーカーの工場勤務におすすめの資格
自動車メーカーでは、生産工場で自動車の加工や組み立てを行う工場作業員も募集しています。
いわゆる期間従業員(期間工)とも呼ばれる職種です。
<工場勤務におすすめの資格>
・危険物取扱者資格:国家資格、難易度 やや易(乙種の場合)
・フォークリフト免許:国家資格、難易度 やや易
・整備士免許:国家資格、難易度 やや難
参考:一般財団法人消防試験研究センター 危険物取扱者資格
参考:KOMATSU フォークリフト運転技能講習
生産工場では原材料としてさまざまな危険物や化学燃料を扱うことが多いため、「危険物取扱者資格」を所持していると業務の幅を広げられます。
また、工場内での大型資材の運搬などをフォークリフトで行うこともあるため、「フォークリフト免許」があるとそのような仕事に配属される可能性も高まります。
これらの資格を所持していると、面接の採用率がアップすることが多く、さらに資格手当として時給が100~300円程度上乗されることもあります。
自動車の整備・組み立てのエキスパートである「整備士免許」があればより評価は高まりますが、簡単に取得できる資格ではないため、工場勤務として働くために整備士免許を取るというのは現実的ではありません。
自動車メーカーの全社員におすすめな資格
自動車メーカーは商品として自動車を扱うため、「普通自動車免許」はクルマに対しての知見を深める上でもあるに越したことはありません。
実際に自分でクルマを運転してみないと分からないこともあり、特に開発設計部門などでは、運転経験がないと仕事を進める上でのイメージがつかみにくいでしょう。
また自動車メーカーでは全国各地の支店への転勤もあるため、車が主な移動手段となる地方勤務となった場合には、自動車免許がないと不便です。
募集要項で普通自動車免許を必須条件としているメーカーは少ないですが、自動車メーカーの社員として一層良いクルマを作るためにも、できる限り入社前に取得し、運転経験を積んでおくのが望ましいでしょう。