相談役と顧問の違いとは? 仕事内容や役割、年収について解説
相談役と顧問の仕事内容・役割の違い
会社の「相談役」と「顧問」は、どちらも法律で定められている役位や機関ではありません。
したがって、すべての会社に相談役や顧問が置かれるわけではなく、それぞれの具体的な仕事内容、役割についても会社によって異なります。
ただし共通しているのは、相談役も顧問も、経営についての相談にのり、アドバイスを行う立場であるということです。
両者とも、その会社の取締役などのポストを退いた人が現役引退後に就くことが多く、自らの経営経験や知見、豊富な人脈を生かして、現経営者(社長など)に助言を行っていきます。
相談役や顧問は、多忙な現役員陣の代わりに財界活動(経済団体などにおける活動)を中心に引き受けることもよくあります。
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顧問には外部の専門家が就くことも多い
相談役も顧問も、その会社のOBが現役を退いて就くことの多いポストですが、とくに顧問の場合、外部のコンサルタントや税理士といった経営や税務等の専門家が招かれることが増えています。
その場合の顧問は専門知識を生かし、顧問先企業の具体的な数値をチェックして意見を述べるなど、より実務的な面のアドバイスを行う役割を期待されることが多いです。
それに対して、相談役は「名誉職」としての意味合いが強い場合に置かれることもしばしばです。
たとえば取締役のポストから離れたあと、実質的に何かを行わないまま、相談役として名前だけが会社に残されているようなこともあります。
顧問は専門的な能力が認められる場合、比較的若い人でも就くことがあります。
相談役・顧問制度のあり方に関する意見はさまざま
「第14回東洋経済CSR調査(2018年6~10月実施)」によれば、回答があった1127社のうち、相談役・顧問制度を設けている企業は「あり」が60.4%、「なし」が34.4%、「その他(相談役制度のみあり、もしくは顧問制度のみあり、など)」が5.1%となっています。
企業によっては、相談役や顧問の役割が不明瞭であることも多いまま、強い権力を持って社長たちに意見をするようなこともあり、そのポストの必要性が見直されつつあるようです。
近年では、もともと相談役・顧問を置いていた会社でも、廃止するケースが増えています。
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相談役と顧問の給料・待遇の違い
相談役も顧問も、給料は役員と同じような「報酬」として支給されるのが一般的です。
働く形態として「常勤」と「非常勤」の両方がおり、出勤日数や期待される役割、職務などによって報酬の金額は異なります。
報酬相場は200万円ほど~1000万円ほどとされますが、基本的にはその会社の役員報酬の額を考慮し、全体のバランスをとって決められることが多いです。
大企業で重要な存在として認識されている人の場合、2000万円以上の報酬を得ている人もいるとされます。
また、非常勤の場合は何社かの相談役あるいは顧問を引き受けて、各会社から報酬を得ているケースもあります。