商社マンになるには
商社マンになるには
商社マンになるには、それぞれの商社が実施する採用試験を受けて、総合職として採用されることが必要です。
ただ、商社の仕事は複雑かつ多岐にわたっており、外部からはその実態を正確に掴みにくいという問題があります。
このため、多くの学生は、企業の就職説明会に参加するのはもちろん、OB・OG訪問を行ったり、インターンシップに参加したりして、十分な情報収集を行ってから採用試験に臨みます。
採用試験は、まず書類選考による絞り込みが行われ、その後に実施される数度の面接試験を経て、最終的に内定となる流れが一般的です。
面接試験においては、志望動機などを通して、商社の仕事への理解度を問われるため、事前の情報収集は合否を分ける重要なポイントとなります。
無事に内定を得られたら商社マンとしてのキャリアがスタートしますが、配属先については、基本的に自分で選択できない点には留意しましょう。
商社では営業職として働く人が多いものの、人によっては、経理部や人事部などに配属になる可能性もあります。
20代で正社員への就職・転職
商社の就職難易度
商社マンは、世界を舞台に大きなビジネスを手掛けることができ、また給料や福利厚生などの待遇面も恵まれているため、非常に人気の高い職業です。
例年、数多くの学生が商社への就職を希望するため採用倍率は高くなりがちで、総合商社では100倍を超えるケースさえあります。
就職希望者が多い関係上、選考基準も高くなり、高学歴の学生や全国レベルの体育会系出身者、帰国子女などと限られた採用枠を争わなければならず、就職難易度はきわめて高いといえます。
商社マンを目指すなら、高校・大学を通じて、学生生活全般をどう過ごすかが非常に重要になるでしょう。
商社マンになるための学校の種類
商社マンになるためには、大卒以上の学歴であることが必要です。
とくに総合商社には、東京大学や京都大学などの名門国立大学、慶応大学や早稲田大学などの有名難関私立大学の学生が多数集まります。
もちろん学歴がすべてではありませんが、書類選考を突破するために学歴が重要になるのもまた事実です。
面接に進んで自分をアピールするためにも、できる限り高学歴を目指すことをおすすめします。
学部・学科については不問ですが、商社マンに必要な経営、経済、金融などの知識を学べる、経済学部、商学部、法学部の出身者が多いようです。
これらの学部には、現役で活躍する商社マンも多数いるため、OB・OG訪問を行いやすいというメリットもあります。
商社マンになるためにはどんな大学・学部に行けばいい? 理系でもなれる?
20代で正社員への就職・転職
商社マンになるためにあるとよい資格は? TOEICはどれくらい必要?
商社マンになるためにあるとよい資格
商社マンに求められるスキルは多々ありますが、代表的なのが「語学力」と「会計知識」です。
商社の就職試験では、資格のなかではTOEICと簿記は評価されやすい傾向にあります。
総合商社のなかには、社員全員に対して「TOEIC730点以上」と「簿記3級」の取得を必須としているところもあるため、就職する前にそれらの資格を取得しておけば有利になります。
ただし、それらのスキルはあくまでビジネスを行うための「ツール」にすぎず、商社マンとしての適性とはまったく別物です。
極端にいえば、たとえTOEIC満点であっても、口下手だったり、相手の意図を汲み取る力が弱かったりと、そもそも日本語でのコミュニケーションに難があれば、内定を得ることはできないでしょう。
資格やスキルがあれば、就職試験において評価されることは間違いありませんが、それはあくまで商社マンとしての素養が認められたうえでのプラスアルファの材料であることを、頭に留く必要があります。
語学系資格
数ある語学系資格のなかでも、TOEICは最もメジャーなものといえます。
商社マンは、海外の取引先と電話やメールでやり取りしたり、英語で契約書を交わすことも数多くありますが、TOEICスコアはおよそ800点以上あるとビジネスレベルで通用するとされています。
昨今、TOEIC600点前後の人はさほど珍しくないため、アピール材料にしたいなら、少なくとも700点以上を目指す必要があるでしょう。
また、近年は中国や南米、ロシアなど、英語圏以外の商取引も増加傾向にあることから、中国語、スペイン語、ポルトガル語、ロシア語などのスキルがあれば、ほかの学生との差別化につながります。
簿記
総合商社は、従来の商取引に加えて、事業投資を大きな収益の柱としています。
投資先企業の決算内容を評価したり、業績状況をチェックしたりするためには、ある程度の会計知識が不可欠であり、商社マンを目指すなら、簿記を勉強しておいて損はありません。
簿記検定は1級~3級に分かれており、自分の実力に合わせて段階的にチャレンジ可能です。
ただ、3級は入門編の位置づけであり、基礎的なレベルにとどまるため、実務として投資事業などに携わるなら2級以上の知識が必要です。
貿易に関する資格
商社が手掛ける商取引の多くは、輸出、輸入、あるいは3国間取引といった貿易であり、通関手続きなどを行う際には専門知識が必要です。
貿易実務検定や通関士の国家資格など、貿易に関する資格があれば、評価されやすいでしょう。
ただし、貿易実務は、新人・若手社員や、一般事務職のスタッフが手掛ける業務であるため、キャリアに与える影響はそこまで大きくなく、優先順位としてはTOEICや簿記のほうが上です。
商社マンになってから
商社マンは、内定を得るまでの就職競争も熾烈ですが、入社してからの出世競争も熾烈です。
スキルアップのため、あるいは昇進の材料にするため、働きながら中小企業診断士や証券アナリスト、MBAなどの難関資格に挑む人も少なくありません。
商社マンになる人は、そもそも上昇志向が強く、自己研鑽に積極的な人が目立ちます。
また、企業側も、英会話セミナーや各種研修会、勉強会などを開催しており、社員の自己啓発を奨励しています。
企業によっては資格取得が義務化されているケースもあるため、商社マンを目指すなら、働く前も働きだした後も、勉強し続ける覚悟が必要といえるでしょう。
商社マンに向いている人
商社マンに必要なのは、コミュニケーション能力です。
仕入先と販売先、その間に立って利害関係を調整し、ビジネスを成立させるためには、相手の心情を読み取る力やプレゼン力、交渉術など、さまざまなスキルを高いレベルで備えていなければなりません。
日常生活において、年齢や性別、国籍などに関係なく誰とでも仲良くなれる人や、多くの人を束ねて、リーダーとして活躍できる人心掌握術に優れた人などは、商社マンに向いているでしょう。
また、商社マンの仕事は激務であるため、心身ともにタフである体育会系出身者も向いています。
体育会で揉まれてきた人は、上下関係に厳しく、礼儀作法も徹底的に叩き込まれているため、ビジネスの現場においても重宝されやすいようです。
商社マンのキャリアプラン・キャリアパス
新人として配属された商社マンは、商品の発注業務や通関手続きなどの貿易事務を学びつつ、先輩社員からの指導の下、実務経験を積んでいくケースが一般的です。
実力や熱意が認められれば、若手であっても海外出張をこなしたり、大型案件に携わることも珍しくなく、まだキャリアの浅いうちからビジネスの第一線で活躍できる点が、商社マンの大きな特徴です。
また、キャリアのどこかの時点で、数ヵ月~3年程度の海外赴任を経験したり、子会社やグループ会社に出向を命じられたりすることもあります。
大手を中心として、商社マンの離職率は低く、定年退職まで勤める人が大半ですが、なかには商社での経験を生かして起業したり、コンサル企業や投資銀行などに転職したりする人もいます。
商社マンを目指せる年齢は?
商社の業務は非常に広範囲におよんでおり、一人前の商社マンになるためには長い時間がかかります。
このため、未経験でも採用されるチャンスがあるのは「第二新卒」とみなされる20代中盤までです。
20代後半や30代から商社マンを目指すなら、ある程度の実務経験を求められるため、営業や経理、法務、貿易など、商社の業務と関連性の高いキャリアを積んでいることが必要になるでしょう。
また、新卒採用と同じように、第二新卒やキャリア採用においても、商社への就職競争は熾烈です。
語学スキルや貿易系資格など、なんらかのアピール材料があることが望ましいといえます。
女性でも商社社員になれる?
一昔前までは、商社の女性というと一般事務職がほとんどでしたが、近年は女性の総合職社員も増加傾向にあります。
仕事内容に男女の差はなく、数十億円単位のお金を動かしたり、グローバルに活躍している女性の商社社員も大勢います。
また、大手商社の福利厚生制度は充実しており、出産・育児休暇を取得しやすかったり、社内に託児所を設けているところもありますので、仕事と家庭を両立させやすいでしょう。
ただし、商社がハードワークを強いられる職場であることには変わりないため、家族や周囲のサポートは不可欠であり、結婚や出産を機に配置転換を願い出たり、一般職に移るケースもあります。
商社への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう
未経験や中途で商社を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。
商社の分野に強い転職アドバイザーから、業界情報を聞くことができたり、商社の「非公開求人」の情報を得ることができます。
まだ転職するか迷っている、そもそも商社マンが自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。
リクルートエージェントは、転職エージェントの中で最も求人数が多く、転職実績もNo.1となっているので、まず登録しておきたいエージェントです。
また、20代の方や第二新卒の方は「マイナビジョブ20's」に登録してみるとよいでしょう。
20代を積極採用している企業の案件が多く、専任キャリアアドバイザーによる個別キャリアカウンセリングを受けることができます。
なお、対応エリアは「一都三県・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀」となります。
どちらも登録・利用はすべて無料なので、ぜひ登録して気軽に相談してみてください。