ここでは、人が亡くなったときに行う儀式に関連する、「葬祭・宗教」系の職業・仕事の種類について紹介しています。
一般の人にはあまり知られていない職業もありますが、いずれも人々の暮らしに密着した大事な仕事です。
葬祭は宗教との関連性も深く、活躍の場によって専門的な知識が求められてきます。
葬祭・宗教系
僧侶はお寺に所属し、葬儀や法事などでお経を唱えたり、説教をすることを仕事とします。
寺院墓地を持っているお寺では、その墓地の維持や管理等にも携わります。
僧侶になるには、まず仏教系の大学や仏教系の学部のある大学に通って、仏教について学んだのち、仏門に入って2~3年ほどの修業を積むのが一般的な流れです。
また、お寺に弟子入りするなどして僧侶となります。
寺院や僧侶は、古くから日本人にとって身近な存在でしたが、時代が進むにつれてあり方が変わりつつあります。
現在では、多くの檀家を抱える寺院がある一方、継続が難しい寺院も増えています。
これからの僧侶は、若者にも仏事に対する関心を高めてもらうなどの取り組みを重ね、新たな支持層の獲得が必要になるでしょう。
仕事内容
なるには
給料・年収
就職・転職
神職・神主とは、神社で働く宗教職です。
「神主」は通称として使われることが多い呼び名で、正式には「神職」といいます。
宗教家の色合いが濃い職業ですが、実際には神社における各種儀式の執り行いだけでなく、施設の維持管理や事務的な業務などまで幅広く携わります。
神職に就くためには、神職養成課程のある特定の大学や神職養成所などで神道について学び、「階位」という独自の資格を取得する必要があります。
世襲で就職する人が多い職業ですが、神社によっては一般募集をかけていることもあるため、外部から目指すことは可能です。
収入や待遇についてはあまり恵まれている状況にはありませんが、兼業で他の仕事に携わり、生計を立てている人もいます。
神道は日本に古来から伝わる伝統的な宗教・文化であり、神職はその伝統を現在の人々に伝え、後世に引き継ぐという社会的意義を背負っています。
仕事内容
なるには
給料・年収
就職・転職
神父・牧師とは キリスト教の教えを教えたり、礼拝、ミサを行ったりする人 のことです。
聖書を研究してその内容を広く伝えるなどの布教活動や、信者や近隣者の悩み相談なども行います。
教会での活動だけでなく、広く世界へ教えを伝えるために各地で布教活動を行ったり、貧困などの社会問題にアプローチしたりする人も少なくありません。
保育施設や社会福祉施設を運営し、こうした施設で働いている神父、牧師も多いです。
収入源は信者の献金や冠婚葬祭での手当で、給料は全体的に低めです。
神父や牧師になる際には、神学校や大学の神学部に通って宗教について学び、卒業後にそれぞれの教会に属します。
キリスト教の中でも、カトリック教の方は神父、プロテスタントの方は牧師と呼びます。
神父は結婚することが許されておらず、女性がなることもできない一方で、牧師は結婚もできますし、女性でも牧師になることが可能です。
仕事内容
なるには
給料・年収
就職・転職
働き方
葬儀屋とは、亡くなった方の葬儀を開催するために必要な各種手配や準備、管理、進行を手掛ける人、もしくは企業のことです。
お客さまから葬儀の依頼を受けると、お通夜の手配、葬式の手配をし、式当日はスタッフが分業して仕事を進めます。
葬儀の規模や地域のしきたりなどにより、葬儀の流れは若干変わってきます。
基本的に、葬儀の連絡があり次第、対応をする必要があるため、葬儀屋の生活は不規則になりがちです。
葬儀屋は小規模の事業者が多いため、求人はあまり表に出ず人づてで決まることもありますが、葬儀について学べる専門学校に通えば、学校が就職先を紹介してくれることもあります。
人は誰しもいつか亡くなる以上、葬儀屋の需要がなくなることは今後も考えられません。
しかし家族だけでの小さな葬儀など、葬儀に対するニーズが多様化し、葬儀業界には変革が求められつつあります。
仕事内容
なるには
給料・年収
就職・転職
働き方
体験談
納棺師は、亡くなった人を棺に納めるために必要な一連の作業を専門的に手掛ける人のことをいいます。
衣装を着せたり、場合によっては修復作業を施したりしながら、遺体の状態を適切に管理します。
なるために特別に必要とされる資格等はありません。
高校や大学などの学校卒業後、葬儀会社や納棺専門会社に就職して現場で知識や技術を身につけていくことが一般的なルートですが、葬儀会社では多様な業務があるため、必ずしも納棺の仕事に携われるとは限りません。
大手葬儀会社の平均年収は500〜600万円程度とされており、マネジメント業務にまで携わるようになると収入が上がります。
高齢化社会が進んだことで、「納棺の儀」に重きを置く地域では納棺師の活躍の場が増えている一方、都市部では葬儀を簡略化させる動きが見られ、納棺師を取り巻く環境はやや不安定です。