神職・神主になるには? どんな養成所や大学がある? 通信教育でも目指せる?
このほか神職養成所といわれる施設で学ぶ方法もありますが、大学にしても、養成所にしても、その数は決して多くありません。
この記事では、神職・神主になりたい人が通う学校の種類や、通信教育でも目指せるのかどうかについて解説しています。
神職になるための大学
神職を目指せる大学は全国に2か所のみ
神職になりたい人は、神職資格取得課程のある大学を受験し、専門の学科を卒業するのが最も一般的なルートとなっています。
その理由は、大学であれば入学に際して特別な条件がなく、試験さえ突破すれば社家関係者以外でも神職資格取得にむけて学ぶことができるからです。
ただし、神職資格取得課程を有しているのは、日本全国でみても「國學院大學」と「皇學館大学」の2か所しかありません。
いずれも「學」の字が旧字体になっていることからも推測できるように、神職を志す人の学校として開学した、とても歴史の古い大学です。
それぞれの大学には神道が学べる専門学科が設置されており、神職になるための本格的な教育が行われています。
ここで4年間学び、所定の単位を取得することで「正階」という階位が得られます。また所定の実習を履修すればさらに一つ上の階位である「明階」を得ることもできます。
國學院大學と皇學館大学の神道学科に関する詳しい情報は、以下の通りです。
國學院大學
・所在地:東京都渋谷区
・専門学科名:神道文化学部
・歴史:前身である皇典講究所は、神官・神職の養成及び任用について内務省より委託されていた
・HP:國學院大學 神道文化学部
皇學館大学
・所在地:三重県伊勢市、名張市
・専門学科名:神道学科
・歴史:伊勢神宮の学問所である林崎文庫に開設された「皇學館」は日本古来の神典や国文、国史を研究する国の中心的機関であった
・HP:皇學館大学 文学部 神道学科
神職の大学に通っている学生の特徴は?
神職を目指せる國學院大學と皇學館大学には、神道関連の学部・学科以外にも、さまざまな学部・学科が設置されています。
そのため、学校の雰囲気は一般的な大学とそこまで変わらず、多様な個性や将来の目標をもつ学生が集っています。
神道養成課程についていえば、やはり社家(世襲神職の家)の学生は集まりやすいですが、もともと神職とは関わりのなかった一般家庭の学生も決して少なくありません。
皇學館大学のウェブサイトによれば、同大学で神道を学ぶ学生の約7割は社家以外の学生だそうです。
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神職になるための養成所
神職課程のある大学に通う以外に、いくつかの神社が設置する「神職養成所」に入って神道を学び、神職の資格を取得する方法もあります。
しかしながら、神職養成所の入所に関しては神社本庁からの推薦状が必要です。
社家の関係者以外の入所は極めて困難であると考えておきましょう。
- 出羽三山神社神職養成所(山形県)
- 志波彦神社 塩竈神社神職養成所(宮城県)
- 熱田神宮学院(愛知県)
- 京都國學院(京都府)
- 神宮研修所(三重県)
- 大社國學館(島根県)
それぞれが有力な神社が運営しているものであり、なかでも伊勢神宮の運営する神宮養成所、出雲大社が運営する大社國學館が有名です。
また、京都御所のすぐ近くにある京都國學院は6か所の中で最も古い歴史を誇ります。
通信教育でも神職になれる?
全国で唯一、「大阪國學院」という神職養成機関が神職資格取得通信課程を有しています。
仕事があって大学や養成所に通えないなど事情のある神職志願者は、通信課程で資格取得を目指すことが可能です。
ただし、この通信教育課程は誰でも受講できるわけではありません。
急遽実家の神社で神職として勤務しなければならなくなったなどの緊急事態にのみ対応している特殊な課程であり、神社本庁の推薦状がなくては入学することができないため注意しましょう。
一般の人であれば、やはり大学に進学して一から神道を学んでいく道が最も現実的といえます。
神職・神主になるには?のまとめ
神職や神主になるためには、まず神道について学ばなければなりませんが、その進学先は限られています。
また、社家の関係者以外の入所は難しいところもあり、基本的には大学に進学する道が一般的となっています。
一から神道を学ぼうと考えている人は、できるだけ早いうちに、2つの大学のカリキュラムや特徴について調べておくとよいでしょう。