【2021年版】神職・神主の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「神職・神主」とは

神社に所属し、儀式の執行や参拝者の対応、施設の維持管理、事務処理まで幅広く携わる。

神職・神主とは、神社で働く宗教職です。

「神主」というのは一般的な呼び名で、正式には「神職」といいます。

宗教家の色合いが濃い職業ですが、実際には神社における各種儀式の執り行いだけでなく、施設の維持管理や事務処理までをこなし、幅広い業務を手掛けています。

神職に就くためには、特定の大学や神職養成所で神道について学ぶ必要があります。

世襲で就職する人が多い職業ですが、一般募集をしていることもあります。

収入や待遇についてはあまり恵まれている状況にはありませんが、兼業で他の仕事に携わり、生計を立てている人もいます。

神道は日本に古来から伝わる伝統的な宗教であり、文化であるため、神職は、その伝統を現在の人々に伝え、後世に引き継いでいくという社会的意義を背負っています。

「神職・神主」の仕事紹介

神職・神主の仕事内容

神社を守り、神職を担う

神職・神主とは、神社に奉職して、各種儀式の執り行いなどに携わる人のことです。

一般的には「神主」と呼ばれることが多いですが、正式には「神職」といいます。

神道という日本古来の伝統やしきたり、文化を後世に伝えていく、非常に重要な役割を担っている存在です。

また、神社に鎮座している神は、その周辺地域を守る「氏神」と呼ばれ、住民に親しまれ地域のよりどころとなっています。

神職は、神社の主として神社を常に清廉な環境に保ち、守り続けていきます。

神社の維持管理や事務業務なども担当する

神職は、神社での儀式の執り行いだけでなく、境内をはじめとした施設の維持管理や、神社・儀式に関する日々の事務処理なども手掛けています。

お祓いや地鎮祭などの依頼があれば、現地に出向いて儀式を行います。

また、各種学校で教鞭を取ったり、敷地内に幼稚園や保育園を併設し、そこの職員を兼任したりしている神職も少なくありません。

神職は男性が就くもので、女性は巫女というイメージが強く根付いていますが、近年では女性の神職も増えてきています。

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神職・神主になるには

神道を学んで階位を取得する

神道界には「階位」という概念があり、こちらは神職に就くために事実上必要な資格として取り扱われています。

階位を取得するためには、高校卒業後、神道に関する専門課程を有する大学に進学するか、専門の養成所に入るなどの方法があります。

あるいは、階位検定という試験のための講習会や通信教育などを利用することも可能です。

このような場で神道の知識を十分に身につけたと認められると、はじめて階位の取得ができるしくみとなっています。

奉職先を見つける

階位を得たら、神職として神社で働き始めることを目指します。

神職の世界では、一般社会で就職に相当することを「奉職」といい、奉職することが神職として働く第一歩となります。

ただし、神道界は求人情報が公に出されているわけではなく、基本的には神道を学んで階位を取得したところで、人づてに奉職先を見つけるパターンが一般的です。

世襲で神職になる場合は、生まれ育った家が営んでいる神社にそのまま奉職することになります。

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神職・神主の学校・学費

大学もしくは神職養成所で神道を学ぶ道が一般的

神職になるためには「階位」という、神道界における資格のようなものを取得する必要があります。

このため、神道を学べる大学に進学し、専門の学科で養成課程を修了するのが一般的なルートとなっています。

現在、大学で神道を学ぶことができるのは國學院大學(東京都)と皇學館大学(三重県)の2つです。

大学以外では「神職養成所」といわれる場で神道を学び、階位を取得することが可能です。

神職養成所は神社が運営しており、出羽三山神社(山形県)、志波彦神社・塩竈神社(宮城県)、熱田神宮(愛知県)をはじめ、日本各地にいくつかの養成所が存在します。

このほか、特殊な講習会や通信教育を受けて階位検定試験に合格することで、階位を取得する道もあります。

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神職・神主の資格・試験の難易度

神社本庁が定める階位が存在する

全国各地にある神社の大半は「神社本庁」に所属しています。

およそ8万社の総本山ともいえる神社本庁は、独自の規定により神職資格を定めています。

神社本庁傘下の神社に奉職する、つまり神職として働くためには「階位」という資格が必要です。

階位の種類は、上から「浄階(じょうかい)」「明階(めいかい)」「正階(せいかい)」「権正階(ごんせいかい)」「直階(ちょっかい)」という5つに区分されています。

階位は神職資格課程のある大学を卒業するか、神職養成所を修了することで取得するのが一般的な方法です。

また、國學院大學および皇學館大学、また各神社庁では、毎年、正階、権正階、直階の3つの階位についての検定講習会が実施されており、それを受講して、検定試験に合格することでも階位取得を目指せます。

神職の職階や出世について

神社の責任者として運営を取り仕切る神職は「宮司」といいます。

宮司は、階位とはまた異なるものであり、「職階」という神職の役職を示す区分のひとつです。

宮司の下には「禰宜(ねぎ)」や「権禰宜(ごんねぎ)」といった職階があります。

なお、一定の階位を所持していなければ職階を得ることはできません。

明階を持っていれば、伊勢神宮以外のどの神社でも宮司を務められます。

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神職・神主の給料・年収

神職の月収は上限が定められている

全体的な傾向として、神職の収入はあまり高くなく、キャリアを積んでいっても一定のラインで頭打ちになります。

神社本庁が「どんなに収益のある神社であっても神職の給料の上限は月額60万円まで」という規定を定めているからです。

なお、上限金額60万円を得ている神職は全国的に見ても圧倒的に少なく、若年の神職は年収300万円に届かない人もめずらしくないといわれています。

大半の神職はその階位に応じ、月収20万円から40万円前後になると考えられます。

また、奉職する神社の規模によっても収入差が出やすく、参拝者が多い大規模な神社の神職のほうが、給与水準は高めの傾向です。

副業や兼業によって生計を立てている神職も多い

上記のように、神職の収入はあまり高いとはいえないため、ほかの仕事をして生計を立てている人が多いのが実情です。

よくある例は、神社の敷地内に併設する幼稚園や保育園で勤務したり、学校で教鞭をとったりすることです。

一般企業の会社員をしながら神職になるのも可能です。

なお、神職は一般的な仕事ではなく「奉仕」とみなされるため、副業が禁止されている公務員であっても、兼業が可能です。

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神職・神主の現状と将来性・今後の見通し

外から神職を募集するケースもあるが、大半は世襲制

日本各地にある神社の約9割が神社本庁に所属しており、その数は約8万社にのぼります。

また、神社本庁傘下の神社に奉職する神職は約2万人いるとされ、一定の需要がある職といえます。

神職の世界は「世襲制」で成り立っているところがあり、たいていの若者は神職の家庭に生まれたことによって、神職を志していきます。

しかし、近年は一般社会との隔たりをなくそうと、神社本庁とは別の宗派に属する神社や、外から神職を募集するケースも増えています。

神職を目指す一般の人にとっては神道の世界に入るチャンスが拡大しているといえるでしょう。

とはいえ、もともと人の入れ替わりがさほど多くない世界であるため、どの神社も募集人員が少ないのが現状です。

今後も大量募集が行われることは考えづらく、まったくツテがない人にとっては狭き門であることは認識しておいたほうがよいでしょう。

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神職・神主の就職先・活躍の場

日本各地にある神社に奉職する

神職は自らが奉職している神社で働きますが、規模の大きな神社になるほど多数の神職がいるケースが多いです。

全国にある約8万の神社が、日本の神社を包括する「神社本庁」に加盟しています。

神道は世襲制が根強いため、生まれ育った家が営む神社に奉職するケースはよく見られます。

基本的には神社内での仕事が中心ですが、お祓いや地鎮祭などの依頼があれば、自ら現地に出向いて儀式を行うこともあります。

なお、神社には複数の神職が奉職していることが多く、職階が上がって「宮司(ぐうじ、みやづかさ)」になると、神職や巫女をまとめる責任者として各種祭祀を執り行います。

宮司はお寺でいう住職、一般企業でいうと代表取締役または社長のような役割を担うポジションです。

宮司は基本的に一つの神社に一人しか置かれません。

神職・神主の1日

早朝から夕方にかけて働くことが多い

神職の仕事は基本的に日中に行われており、大晦日や例大祭などの大きな儀式の日を除けば、長時間勤務になることはほぼありません。

1日のスケジュールは、ルーティンで行うものもあれば、日によって変わるものもあります。

6:00 起床・神殿の扉を開ける
6:15 神社の門を開け、本殿と境内の清掃
6:45 朝拝
7:00 朝食
7:30 祭祀の準備
9:00 地鎮祭の現場へ出発
10:00 地鎮祭開始
11:00 神社に戻り休憩
13:00 参拝者への対応。
17:00 本殿と境内の清掃・閉門
17:30 夕拝

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神職・神主のやりがい、楽しさ

神を守り続けることで感謝される

日本各地には、非常に数多くの神社があります。

その一つひとつに古来より人々を守り続けてきた神が祀られており、大切な歴史があります。

神職は、そうした神社を代々守り続け、長い時間をかけてつけ継がれてきたものを次の世代にも伝えていく立場として、重要な役割を担います。

神道における伝統やしきたり、文化を大切にすることにやりがいを感じている人が多いです。

また神道は、初詣・七五三・結婚式など、日本人の生活や価値観にも密接に関わっている文化体系です。

儀式や祭祀などで人々から直接感謝の気持ちを伝えられたとき、人の人生の門出を祝う祭祀に立ち会ったときなども、神職冥利に尽きる瞬間であるといえるでしょう。

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神職・神主のつらいこと、大変なこと

待遇面の改善は見込みづらく、激務になることも

神社は日本人にとって身近な存在ですが、全国的に有名な参拝客が多い規模の大きな神社を除いて、神社経営だけで生計を立てるのは難しいのが実情です。

神社の多くは敷地内に幼稚園や保育園を併設し、神の教えのもとに幼児教育を行っているところが多くあります。

このため、神職という立場でありながら、そうした各種学校で教鞭をとることで収入を補っているケースが目立ちます。

また、自身の奉職している神社を本務神社とし、普段は無人の地域の鎮守様の宮司を兼務している神職も少なくなく、繁忙期には各種祭祀をはしごすることも多いです。

穏やかなイメージ以上に実態としては激務で、あまり待遇面は恵まれていないことから、よほど神職にやりがいを見出せなければ続かない仕事といえるでしょう。

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神職・神主に向いている人・適性

神道に対する思いに加えて、コミュニケーションを大切にできる人

神職にとって「神道を究める」ということは、生涯を通じて持ち続ける大きな目的のひとつであるといえます。

決して給料など待遇面で恵まれている職業とはいえないため、奉仕の精神があり、金銭面以外の面で神道の世界に充足感を抱ける人であれば、神職としてやりがいを感じられるでしょう。

しかし、それだけで神職は務まりません。

神職は氏子や参拝者、祈祷の依頼者などと積極的にコミュニケーションをとる必要があります。

とくに氏子は神社にとって「スポンサー」といえる立場の人たちであるため、常日ごろから氏子の言葉には真摯に向き合い協調していく必要があるのです。

神社を末永く存続させるためには、神職が氏子と信頼関係を築いていくことが必要不可欠であると考えてよいでしょう。

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神職・神主志望動機・目指すきっかけ

神道に関する自分なりの解釈が必要

神職を志す人の多くは社家の出身であるため、幼い頃から神道の世界が身近なものであったケースがほとんどです。

一方、神道への関心が強く、外部から神職を志す人も一定数います。

血縁がなくても奉職することは可能ですが、閉鎖的な世界であることは確かであるため、神職を志すなら非常に強い意思が求められます。

神職資格を取得する課程で学んだ知識や、そこから考える自分なりの解釈、また神職に携わることでどのような社会貢献をしたいかなどを簡潔に話せるように準備しましょう。

なお、神社の面接は専願が原則です。

つまり一つの神社の合否が出るまで他の神社の面接は受けられないということになります。

専願である以上、面接を受ける神社に関する知識や理解が強く問われるため、あらかじめきちんと調べておくことが必要です。

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神職・神主の雇用形態・働き方

神道に一生をささげる人が多い

神職は、一般的な仕事のように「アルバイト」や「正社員」といった雇用形態の概念はありません。

基本的に、いったん奉職してしまえば、ずっと神職として働き続けることができ、よほどのことがない限りリストラなどをされることはありません。

ただし、神職の求人は、ごく一部の大学や神職養成所など神職資格取得課程を有する機関にしか出回らないため、就職するにはこうした機関を卒業することが必須です。

そのぶん、神職関係者には養成機関近辺の神社だけではなく全国各地からの求人が集まるため、地域を限定しなければ求人情報は見つけられるでしょう。

家が神社を運営している人の場合は、その神社で長く働き続ける人が多いですが、なかには途中で別の神社へ転職のような形で移る人もいます。

神職・神主の勤務時間・休日・生活

休日でも祈祷は欠かせない

神職の勤務体系は、一般的な会社員に準ずる内容が基本となっています。

普段は早朝から夕方にかけて勤務することが多く、週休2日に相当する休みを取ることができます。

ただし、たとえ自身は休日であっても神道そのものに休みはなく、朝夕の祈祷は欠かすことがありません。

また、急な葬祭があれば休日返上になる可能性がありますし、もともと神事が多い神社では非常に忙しい日々を送ることになるでしょう。

また、奉職先によっては宿直勤務が入ることもあります。

なお、ほとんどの神職は一般の会社員と同様に、自宅から神社へ通勤しているため、帰宅後はリラックスして過ごせます。

神職・神主の求人・就職状況・需要

多くの神社は世襲制をとっているが、外部の募集もある

かつて、世襲以外では神職にはなれないと考えられている時期がありました。

実際に、現在でも多くの神社は世襲制をとっており、社家出身で神職になる人は非常に多くいます。

しかし、規模の大きな神社の場合は、世襲だけではとても神職の人数が足りないこともあって、外部にも募集をかけるケースが見られます。

神職の求人数全体でみると、社家以外の募集はそれほど多くありませんが、まったく神道とは関係のなかった人でも、神職を目指すことは可能です。

世襲でない場合は、神道を専門的に学べる國學院大學もしくは皇學館大學に進学し、大学在籍中から積極的に神社とのコネクションを築いておくことが推奨されます。

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神職・神主の転職状況・未経験採用

神道の関係者とのコネクションを築く努力が必要

神道は世襲の要素が強く、一般的なビジネスの場とは異なる特殊な世界といえます。

このため、一般人が社会人から神職への転職を目指す場合は、まず、なんらかのコネクションがない限り厳しいと考えておくべきでしょう。

転職希望者の場合、神社が運営する神職養成所に入って修業をする道が考えられますが、神職の資格を取る前に奉職見込み先を見つけておかないと、せっかく資格を取得してもムダになってしまう可能性があります。

地元の神社だけに絞ると欠員がほとんど出ない場合がありますが、農村部や山間部などでは、神職の後継者やなり手に困っているような神社もあります。

全国規模で求人を探していくことで、奉職先を見つけやすくなるでしょう。

巫女になるには

公募されるケースもあるが、年齢制限には注意が必要

「巫女(みこ)」とは、主として神社に鎮座している神に仕える女性のことをいいます。

現代の巫女は、神職の補助や、神事において神楽・舞を奉仕する役割を担い、神社には欠かせない存在となっています。

巫女には神職とは異なり、なるために必要な資格がありません。

「女性である」という条件さえ満たせば、誰でも巫女を目指せます。

ただし、実際には寝食の娘や近親者など、神社と縁のある人が巫女になるケースが多く、一般的に求人が出されるケースはさほど多くないのが実情です。

外部から巫女を目指したい場合には、神社の関係者に話を聞いたり、直接神社に問い合わせたりしてみる必要があるでしょう。

なお、巫女は若い女性のみがなれる職であり、大半の神社では10代~20代前半を募集対象としています。

応募を検討する場合には、年齢には気をつけて早めに行動しましょう。

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神職の階級の種類

神道ならではの「階位」がある

神職として、神社本庁に所属する神社に奉職するためには、特殊な資格が必要です。

その資格のことを「階位」といい、上から「浄階(じょうかい)」「明階(めいかい)」「正階(せいかい)」「権正階(ごんせいかい)」「直階(ちょっかい)」という5つに区分されています。

この階位を得る方法のひとつが、神職資格課程のある「國學院大學」あるいは「皇學館大學」に進学する方法です。

所定の単位を取得すると正階、さらに実習を受けることで明階が得られます。

ある程度の階位を所持すると「職階」という、神社における役職のようなものに就くことができます。

そのトップにあたるのが「宮司」であり、神社の責任者のポストとなります。

なお、神社本庁所属ではなく、他団体に所属している神社や、単一で宗教法人で運営している神社などでは、独自の階位を定めている場合もあるため注意が必要です。