巫女になるための条件とは? 年齢制限はある? アルバイトでも働ける?

巫女は、かつては神道を担う中心的な存在でしたが、現代ではおもに、神職の補助や神楽・舞を奉仕する役割を担います。

女性でなければなることは許されないほか、若いうちしか仕事ができず、一定の年齢を迎えると引退する特別な職業です。

ここでは、巫女になるための条件や年齢制限について詳しく解説します。

巫女の仕事内容

「巫女(みこ)」とは主として神社に鎮座している神に仕える女性のことをいいます。

「神女」と記載されたり、「舞姫(まいひめ)」「御神子(みかんこ)」と呼称される場合もあります。

巫女の果たす役割は時代と共に変化してきました。

元来、巫女は神楽を舞ったり、祈祷をしたり、占いをしたり、神託を得て他の者に伝えたり、口寄せなどをするなど神道において中心的な存在でした。

しかし、時代が下って明治時代になると、神職の補佐的な役割に転じるようになります。

現代では、巫女は神社に勤務し、おもに神職の補助、また神事において神楽・舞を奉仕する役割を担い、神社には欠かせない存在となっています。

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巫女になるために資格は不要

巫女の中には神職の資格を持っている人もいますが、基本的には特別な資格は必要ありません。

条件はただひとつ、「女性であること」だけです。

巫女は男女雇用機会均等法の適用外であるため、女性を指定しての募集が認められています。

社家関係者が巫女になることが多い

神社に奉職し、常駐している巫女は神職の娘や近親者など、その神社に縁がある場合がほとんどです。

したがって、神職同様、一般に出回る巫女の求人は余り多いとはいえません。

また、規模の小さい神社においてはそもそも巫女を置かないところもあります。

数少ない巫女の求人は、他の職種と同じように求人広告に掲載されたり、ハローワークや神職養成機関求人票が出されます。

しかし、これらはタイミングによってはまったくないこともあるため、あまりあてにはできません。

巫女を志す人は自分の足を使って、実際に神社を訪ねたり、電話で問い合わせたりするなどして直接交渉する方が近道であると考えられます。

ただし繁忙期の問い合わせは避けるようにしましょう。

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20代で引退を迎える

巫女が神社に奉仕できる年数はごくわずかで、一般的には20代後半で定年を迎えます。

中学卒業後すぐに奉職したとして最長10年余り、短大や大学を卒業してからの奉仕であれば、数年間しか奉仕できません。

一部、十分な経験を積んできた巫女が、30代を超えてから非常勤などで引き続き巫女の仕事を続けるケースもありますが、巫女を定年してからは事務作業に転じることになる場合がほとんどです。

中には神楽の指導にあたる場合もあります。

アルバイトの巫女も存在する

年末年始や例大祭期間などの繁忙期には臨時のアルバイトを採用している神社が多数あります。

一般的に神社においてはアルバイトのことを「助勤」「助務」と呼んでいます。

「助勤」「助務」は神社独自で募集をすることがほとんどですが、時には近隣の大学や高等学校等に求人を出すこともあります。

また、神職養成機関に所属する女子学生が研修生・実習生として臨時に助勤巫女として奉仕する例もあります。

巫女を志す人は、学生の間に助勤巫女を経験しておくとよいでしょう。

助勤の経験が本職を志す時のアピールポイントになることも少なくないので、積極的に挑戦してみることをおすすめします。

英語は大きな武器に

日本文化を象徴する神社には、海外からの観光客も数多く訪れ、外国の方と接することが多いです。

採用の際に語学が堪能であることは、かなりの強みになるので、巫女を志す人は語学力をつけておくとよいでしょう。

また海外の方のみならず、参拝客の対応をする機会が多い巫女は、言わば神社の顔です。

明るく朗らかな受け応えができることが必要不可欠であるため、接客系のアルバイトなどで経験を積むのも良いかもしれません。

また巫女は清廉であることが求められます。華美な服装や化粧などはご法度ですので注意しましょう。

巫女の平均年収・給料の統計データ

巫女の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

巫女の平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、巫女の平均年収は、42.2歳で382万円ほどとなっています。

・平均年齢: 42.2歳
・勤続年数: 9.3年
・労働時間/月:165時間/月
・超過労働: 10時間/月
・月額給与: 280,200円
・年間賞与: 456,500円
・平均年収: 3,818,900円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
巫女の平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

巫女の勤務先の規模別の年収(令和4年度)

巫女の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める巫女の平均年収は364万円、100〜999人規模は386万円、1,000人以上の規模では413万円、10人以上規模の事業所平均は382万円となっています。

巫女の年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「その他のサービス職業従事者」でツアーコンダクタートリマー葬儀屋便利屋など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

巫女の勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

巫女の年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。最も年収が高い世代は、40~44歳の443万円です。

全年代の平均年収は382万円となっています。

巫女の年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「その他のサービス職業従事者」でツアーコンダクター、トリマー、葬儀屋、便利屋など他職業を含むデータです。

巫女になるための条件のまとめ

巫女の求人は少なく、仕事につけたとしても20代後半で定年を迎えるという厳しい仕事です。

しかし、アルバイトなどで巫女さんを経験する方法はあります。

興味があるひとは、まずは繁忙期などのアルバイト求人などを調べ、仕事を経験してみるとよいでしょう。