僧侶(住職・坊さん)の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

僧侶の仕事とは

僧侶の仕事は主にお寺に所属し、葬儀や法事などでお経を唱えたり、説教することで故人を弔う仕事です。

ちなみに出家して仏教の修行をしているすべての人が「僧侶」、僧侶に親しみを込めた呼び方が「お坊さん」、住み込みでお寺の管理職をしている人が「住職」です。

寺院によっては墓地を所有し、その墓地の維持や管理などの事務も仕事のひとつです。

そのほか幼稚園などの教育機関を併設している寺院では、僧侶が職員をする場合もあります。

地域の人の憩いの場として寺院を開放したり、寺カフェやバーを経営したり、瞑想(めいそう)体験や写経教室などのイベントを行うなど、僧侶は地域に貢献しています。

最近ではテレビに登場したり書籍を出版するなど、時代に合わせて活躍の場を広げ、仏教を伝える僧侶も増えています。

僧侶は、日常生活も修行の一環と考えられているため、空いている時間には掃除や境内に眠る故人のための読経や写経も欠かせません。

仏教への教えを深めるために仏教史や寺院の歴史を学ぶなど、自己研鑽をすることも大切な仕事となっています。

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僧侶の業務の内容

故人を弔う

僧侶の仕事は、葬儀をはじめ各種法事で読経を行い、故人を弔うことです。

お寺によって曹洞宗、浄土真宗、日蓮宗などさまざまな宗派があるため、お経の内容や仏教に関する考え方も異なります。

とくに多くの人が休暇を取るお盆やお彼岸の時期は、1日に何軒も法事をまわる繁忙期です。

仏の教えを伝える

仏の教えを人々に伝えることも、僧侶の大切な仕事でしょう。

葬儀や法要で教えを説いたり、生前から人々が没後無事に成仏できるように、法話や講演を行ったり、悩み相談を受けることもあります。

墓地の維持・管理

墓地を持っている寺院では、墓地の維持や管理、紹介、事務的作業も僧侶の仕事です。

最近では金銭的な問題などで、地域によっては引き取り手のいないご遺体や管理する人がいない墓地を指す「無縁仏」が増加し、低コストの葬式や墓地の提案も求められています。

また寺院のほかにも駐車場やアパート、マンションなどの不動産経営を行う僧侶も多いです。

幼稚園の運営

寺院の中には幼稚園などの教育機関を運営しているところもあり、職員も担います。

少子化が社会問題となっている現在は、定員の確保に苦労しており、一般的な幼稚園と同様にさまざまな経営努力が必要です。

地域貢献

最近では本堂を開放したり、公民館などに出向いて一般の人に積極的に説法を行ったり、地域の集会に参加することで、地域貢献する場も増えました。

寺院でイベントを開催したり、書籍を執筆したり、大学で教鞭をとったり、テレビやラジオに出演して活動の幅を広げている僧侶もいます。

自身の修行

葬儀や各種法事がないときは、自身の修行も欠かせません。

まだ日が昇らないうちに起床し、境内を常に清廉な場に保つための清掃、質素な食生活など、日常生活の一つひとつが修行の一環です。

僧侶の役割

僧侶は、社会的な役割が大きいです。

まず大きな役割は故人を弔い遺族をなぐさめることで、仏教に関心がない人でも、葬儀や法事で僧侶の力を借りる場合が多いでしょう。

大切な人との悲しいお別れも、僧侶が読経を行う事で故人が無事に成仏することを願い、残された遺族を慰めてくれます。

また仏の教えを後世に伝えることも、僧侶の役割です。

除夜の鐘や、道端のお地蔵さんは日本で当たり前の光景ですが、これは仏教の影響を受けており、昔の僧侶たちが仏教を広めた結果だということがわかります。

同じように現代に生きる僧侶たちも、後世に仏の教えを伝える役割を担っているのです。

さらに僧侶は、人々の生活で困ったときの駆け込み寺の役割も果たしています。

かつては、困りごとがあれば寺院の門をくぐって助言を求め、子どもたちは境内で僧侶に宿題を見てもらうものでした。

残念ながら現在では関係性が希薄になっていますが、仏教関連の書籍を手に取る人や、テレビなどのメディアにご意見番として出演して説法をする僧侶も増えています。

時代によって形に変化はありますが、人々に感謝され、僧侶が尊敬される存在であることはいつの時代も変わらないでしょう。

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僧侶の働く場所

僧侶の勤務先は、全国の寺院です。

仏は老若男女の別なく誰にでも平等な存在となるため、寺院も仏教を志すすべての人に対して開かれています。

つまり、寺院の規模によって物理的に受け入れ困難な場合や、修行に耐えられる健康状態ではないなどよほどの理由がない限り、受け入れてくれる寺院を見つけることができるでしょう。

基本的な仕事内容は変わりませんが、宗派によって要求される条件や、仏教に対する考え方、読経の内容、お作法などが異なる場合があるので事前によく調べておく必要があります。

また寺院を管理する社長の存在である「住職」になる場合は、ほとんどの場合が世襲です。

跡取りがいない寺院や子どもがその任を放棄している場合以外は、努力して目指せるものではない点にも注意しておきましょう。

最近では、葬儀社と直接契約するフリーランスの僧侶が出現しており、寺院に所属せず葬儀と法事のときだけ派遣されるサービスを行っています。

僧侶の仕事の流れ

僧侶の仕事の流れは、ルーティンワークが多いのが特徴です。

朝早く起床したら身支度をし、寺院の門を開けて境内を清掃し、朝の読経を行います。

日中は来客対応や事務作業、空いた時間には仏教を深く理解するための勉強が欠かせません。

これらのルーティンワークと合わせて仏事やお葬式などを行うため、1日の流れはその日によって異なります。

お盆やお彼岸といった時期は、1日に何軒もの檀家をまわって読経を行う僧侶にとっての繁忙期です。

また葬儀は予期せず入る業務であるため、葬儀や法事をはしごして息つく間もなく故人を弔うこともあるでしょう。

僧侶と関連した職業

僧侶と神職・神主の違い

僧侶と関連した職業に、神職神主があります。

僧侶は仏教の教えに基づくお寺につとめていますが、神職・神主は神道をつかさどる神社につとめている人のことです。

神職・神主はお祓(はら)いや地鎮祭(じちんさい)、七五三などの各種儀式の執り行いなどを行う仕事で、なるためには「階位」という資格を取得しなければいけません。

一般的に「神主」と呼ばれますが、正式な名前が「神職」です。

なお僧侶にとって寺の管理職に当たる「住職」は、神社では「宮司(ぐうじ)」と呼ばれています。

神職・神主の仕事

僧侶と葬儀屋の違い

葬儀屋は、亡くなった方の葬儀手配から式場準備、司会進行まで葬儀に必要な一連の業務を担当する仕事です。

葬儀ではどちらかが担当するのではなく、葬儀屋は遺族のサポート役、僧侶は読経を行い故人を弔う役目があるため、双方は切っても切れない関係といえるでしょう。

葬儀屋になるのに資格は必要なく、採用試験に合格すれば働くことができます。

葬儀屋の仕事