神父・牧師の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

神父・牧師の仕事とは

神父牧師は、どちらもキリスト教の儀式を行う権限と資格を教会から与えられた人のことです。

神父は、カトリック教会または正教会、東方正教会に属し、カトリックの信仰の主柱である祭儀「ミサ(礼拝集会)」のほかに、罪を許す「洗礼」、結婚式に当たる「婚姻」、聖職者を任命する「叙階(じょかい)」などの儀式を執り行います。

なお、神父という呼び名は尊称であり、正式には「司祭」といいます。

牧師は、プロテスタント教会に属し、礼拝に加え、洗礼や最後の晩餐を再現する儀式「聖餐(せいさん)式」を実施します。両者は教会で行う葬儀の司式も行います。

教会に不可欠な儀式を任されている神父・牧師は、教会の要といえます。

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神父・牧師の業務の内容

早朝から深夜まで信者を支える

神父・牧師にとって、信者を導き、支えることは重要な仕事の一つです。

たとえば神父は早朝からミサを開き、聖書の研究会を行うなどして、信者が信仰を深めるよう促します。

日によっては病院に入院中の信者を訪ね、病を癒す儀式「病者の塗油(とゆ)」を施すこともありますし、夜間でも悩みを抱えた信者からの相談に対応します。

一方、牧師は早朝の祈祷会にはじまり、信者の家庭に出向いて行う家庭集会、定期的に開くカウンセリングなどで信者の相談に対応する時間を設けており、一日中信者の心を支える活動をしています。

教会の管理・運営

教会の管理・運営も、神父・牧師の大切な仕事です。

保育園や幼稚園を併設している教会も多いため、神父・牧師は、教会に加え、保育園や幼稚園の事務仕事もこなします。

また、教区ごとの会議に顔を出して教会の抱えている課題について意見を交わしたり、教会のホームページやブログなどで情報発信したりするケースもあります。

教師・専門家としての仕事も

神父・牧師のなかには、宗教家としての専門知識と経験を見込まれ、高校や大学などの教育機関にて、宗教・信仰に関する教鞭を執っている人がいます。

生徒から相談を持ちかけられることが多く、カウンセラーとしての役割を求められることもあります。

そのほか、キリスト教をテーマにした原稿執筆や講演の依頼などを受けることがあります。

神父・牧師の役割

思い悩む人に寄り添う

教会は、たとえ信者でなくても、誰でも自由に出入りできる場です。

思い悩む人がやってくれば、神父・牧師はどのような人に対しても静かに話を聞きます。

定期的にカウンセリング時間を設けたり、ホームレス対象の配食活動やアルコール中毒患者を集めた分かち合いの活動を行ったりしている教会もあります。

さまざまな悩みや不安を抱える人に寄り添うことが、神父や牧師に求められる役割です。

神の教えを伝え導く

神父はミサ(カトリック教会の礼拝のこと)で、牧師は礼拝で、わかりやすく「神のことば」と「教え」を語り、ミサや礼拝にあずかる人々が神と出会い、生きる力を得られるように導きます。

罪の意識に苦しんできた人には、罪が許される「洗礼」や「ゆるしの秘跡」などを授け、軽やかな人生を取り戻す後押しをします。

そして、なにより神父も牧師も、自らが日々信仰の道を歩み、自分たち自身が神の愛や力を感じさせる存在となって、周囲の人々に希望と救いを与えていきます。

新人の育成

多くの新米神父や牧師にとって、短期間で神の教えを伝え導く存在にはなるのは難しいことです。

そこで、教会では新人たちを育成するために、教区や教団ごとに、先輩神父や牧師と交流する機会を設けています。

若手の神父や牧師は、新人たちの良き相談相手となることが求められます。

同じ道を志す者同士だからわかるつらさや悩み、喜びを分かち合い、後輩の成長を支えるということです。

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神父・牧師の勤務先の種類

神父・牧師の活躍の場は、全国にある教会です。

神父はカトリック教会または正教会、東方正教会、牧師はプロテスタント教会で働きます。

神父としてカトリック教会中心に活動したい場合、はじめは約1年間神父のアシスタント役である「助祭(じょさい)」を経験します。

プロテスタント教会の場合、牧師になるまでの過程は各教派によって異なり、数年間は伝道師として現場に出るのが一般的で、その後牧師になるための試験を受け、合格する必要があります。

神父・牧師と関連した職業

神父・牧師と切り離せない職業に「修道女」があります。

カトリック教会では、女性の神父(司祭)を認めていないため、女性がカトリック教会の教えを広めながら生きていきたい場合には「修道女(シスター)」となります。

日本のカトリック教会にも多くの修道女がおり、それぞれの立場で宣教や社会奉仕活動を行っています。