「パティシエ」の仕事とは

パティシエの仕事内容

洋菓子を専門に作る職人

パティシエは、フランス語で「菓子製造人」を意味し、日本ではおもに洋菓子店やレストラン、ホテルなどで、ケーキやクッキーなどの洋菓子を専門に作る職人のことをいいます。

一人のパティシエが洋菓子の完成までのすべての製造工程を担当することもあれば、計量や生地作り、デコレーションなどの作業ごとに複数のパティシエが分業して働くこともあります。

パティシエは、洋菓子のさまざまなレシピはもちろんのこと、そのおもな材料となる小麦粉、バター、砂糖、卵の分量や取扱い方などにも熟知しています。

そして、さまざまな材料や器具を巧みに扱い、経験と高い技術によって、人々に満足してもらえる安定した品質の洋菓子を作り続けていきます。

パティシエの就職先・活躍の場

街の洋菓子店から大きなホテルまで多岐にわたる

パティシエの活躍の場は、いわゆる「街のケーキ屋さん」のような洋菓子店やパティスリーのほか、ホテルやレストラン、あるいは洋菓子メーカーの工場など多岐にわたります。

個人店と大規模なホテルでは作る洋菓子の種類や量もまったく違いますし、勤務先によって仕事の流れや担当業務、勤務時間などはだいぶ異なってきます。

修業をして技術を磨いていくと、そのまま社員として管理職を目指していくこともできますが、独立して自分の洋菓子店を構える人も多くいます。

パティシエ1日

早朝からの勤務となることが多い

パティシエは洋菓子店やレストラン、ホテルなど、多岐にわたる場所で活躍しています。

ここでは専門店で働くパティシエのある1日を紹介します。

6:00 起床
すぐに出かける準備を整えます。

7:00 出勤
仕事用のコックコートに着替え、道具や材料を用意します。

7:30 作業開始
開店に間に合うように作業スピードを考えながら、次々と商品を作ります。

9:50 開店準備
商品をショーウインドウに並べます。

10:00 開店
ここからは売れ行きを確認し、減りが早いものは途中で再び作ります。

13:00 休憩
客足が落ち着いているところで昼食をとります。

14:00 商品補充
売れ行きを見ながら商品補充をします。

17:00 翌日の仕込み
明日の予約状況をチェックし、仕込み作業を進めます。

20:00 片付け
その日の汚れは必ずきれいにしてから帰ります。

21:00 退勤
家に買ってからもレシピの研究や勉強をすることも。

パティシエになるには

製菓専門学校で学んでから就職する人が多い

パティシエは学歴や資格が求められないこともありますが、さまざまな洋菓子作りに対応できる力を身につけるため、この仕事を目指す人の多くが製菓系の専門学校に通い、製菓の基礎知識と技術を身につけています。

卒業後、パティスリーやレストランなどへ就職し、パティシエとしてデビューします。

一方、まったくの未経験から洋菓子作りの現場へ入り込み、修業をする道もあります。

ただし、未経験者の場合はアルバイトや契約社員からのスタートとなることが多かったり、思うような求人が見つからなかったりする可能性があります。

パティシエの学校・学費

製菓専門学校では製菓の基礎から学べる

パティシエになるための学校として最も代表的なのが、製菓専門学校です。

製菓専門学校では、菓子作りの技術はもちろんのこと、食品衛生学や食品学、栄養学、色彩学、菓子デザイン、接客術など、パティシエとして現場に出た時に役立つさまざまな知識を学べます。

こうした学びを生かし、パティシエとして就職を果たしている人も多くいます。

専門学校は2年制のところが多く、卒業までに300万円程度の学費がかかってきますが、もっと気軽に学びたいのであれば民間の製菓スクールという選択肢もあります。

パティシエの資格・試験の難易度

仕事に関連する国家資格がある

パティシエに関連する国家資格として、「製菓衛生師」や「菓子製造技能士」があります。

前者は菓子製造業で働く人の資質の向上や衛生面での管理に関わる資格、後者は一定レベル以上の菓子作りの技術と知識を有することを証明できる資格です。

どちらも所定の製菓専門学校を卒業すれば受験することができますが、製菓衛生士の合格率は60%~80%程度、製菓製造技能士は40%~50%程度となっており、とくに製菓製造技能士はやや難易度が高めとされています。

資格を持っておくと、就職の際に評価されることがあるようです。

パティシエの給料・年収

新人時代は安い給料も覚悟を

パティシエの世界では「見習い期間」という考え方があり、新人のうちは給料も安く、厳しい待遇を覚悟する必要があります。

仕事をスタートした時点の年収は300万円未満になる人も多く、長時間拘束になりがちな仕事のわりに、あまりよい給料はもらえないことがほとんどです。

アルバイトからスタートする人もいますが、日々の努力や実力が認められるようになると徐々に昇給し、一般的な会社員の平均年収に近い給料が望めるでしょう。

独立して成功すれば、大きく稼ぐことも夢ではありません。

パティシエのやりがい、楽しさ

「おいしい」と言われる洋菓子作りができる

パティシエのやりがいは、大好きなお菓子に毎日触れ、人々を笑顔にできるおいしいお菓子を自分の力で作っていけることです。

地道な練習や訓練を繰り返し、少しずつ洋菓子作りが上達し、たくさんの人に認めてもらえるものが作れるようになったときは、大きな喜びと達成感が味わえます。

また、この仕事は技術職であるため、高い技術とセンスがあれば自分の腕ひとつで国内はもちろん、海外のパティスリーで働いたり、独立開業して自分の理想の店を経営していくこともできます。

パティシエのつらいこと、大変なこと

一人前になるまでは厳しさを感じることも

パティシエにとって最も大変なのは、一人前になるまでの時期かもしれません。

新人時代は先輩よりも早くに出勤し、掃除や片付けなども自分で担当します。

また、仕込み内容や時期によっては早朝から深夜まで働くこともあり多忙な生活となりますが、給料や待遇はあまり良くないことも多いです。

そのような状況下でも、1日でも早く認められる存在になれるよう前向きに修業を続ける覚悟が必要です。

また、華やかなイメージとは裏腹に、作業場では高温のオーブンを扱ったり、重い材料を持ち運んだりすることもあるなど、体力勝負の一面もあります。

パティシエに向いている人・適性

細かな作業や単純作業も苦にしない人

パティシエに向いているのは、洋菓子作りが好きなことはもちろんですが、細かな作業や同じ作業にも丁寧かつ集中して取り組める人です。

「洋菓子作り」というと楽しくおしゃれな印象があるかもしれませんが、仕事では何十個、ときに何百個も同じ商品を作り続けることになるため、かなりの根気が求められます。

また、朝から晩まで立ちっぱなしになることもあるため、体力があり、ちょっとやそっとのことでくじけない精神力も必要になります。

パティシエ志望動機・目指すきっかけ

洋菓子作りが好きということ

パティシエの志望動機として多いのは、「洋菓子を作るのが好き」「お菓子を食べた人を笑顔にしたい」といった思いです。

パティシエは職人であるため、生涯勉強のつもりで技術を磨いていく努力が求められます。

どれだけ洋菓子作りに情熱を注ぐことができるかが、パティシエとして活躍し続けるためには大事な要素となるでしょう。

最初は誰しも未経験からのスタートですが、上達のためにも洋菓子作りを仕事にしたいという強い気持ちが欠かせません。

パティシエの雇用形態・働き方

ゆくゆくは独立開業を目指す人も多い

洋菓子店やホテル、レストランなどで働くパティシエの雇用形態は正社員であることが多いですが、アルバイトや契約社員、派遣社員といった形で働く人もいます。

とくに未経験からスタートする場合は、まず非正規雇用で経験を積み、実力がつくと正社員にステップアップするというケースも見られます。

将来は独立開業を目指している人も多くおり、経験を積んだ後には自分の店を出し、自らオーナーとなって店を経営していくこともできます。

パティシエの勤務時間・休日・生活

イベント前は休み返上で長時間働くことも

パティシエの勤務時間は長くなりがちです。

店の営業時間に合わせて働くことが多いですが、仕込みや準備、片付けなどの業務を含めると、1日に10時間以上の勤務になることも珍しくはありません。

新人のうちは勤務時間外に練習もします。

サービス業であるため、複数のパティシエが在籍する職場では交代制で働く職場も多いようです。

休日は平日あるいは不定期になったり、クリスマスやバレンタインなど洋菓子の需要が高まるイベント前には休み返上で働くこともあります。

パティシエの求人・就職状況・需要

「見習い」と「即戦力」の求人がある

パティシエの求人を詳しく見てみると、大きく「見習い募集」と「経験者募集」の2種類に分かれます。

見習い募集の場合は未経験者や経験の浅い人でも採用されやすいですが、厳しい下積みからのスタートとなります。

一方、経験者募集の場合は即戦力になれる人材が求められます。

パティシエは活躍の場も多岐にわたり安定した需要があるため、雇用形態や労働条件にこだわり過ぎなければ、働き口を見つけることにさほど苦労はしないでしょう。

パティシエの転職状況・未経験採用

未経験者はできるだけ若いうちの転職を

パティシエに転職する場合、年齢は若いほうが活躍しやすいのが実情です。

製菓のスキルは一朝一夕で身につくものではなく、何年も現場で修業することで一人前とみなされます。

見習い期間は給料も安く、待遇面でもあまり恵まれないケースが多く、厳しい生活となる可能性があります。

また、高校卒業後ストレートで製菓専門学校へ進学して就職する見習いパティシエの多くが20歳くらいであるため、とくに未経験からスタートするのであれば、若い人材のほうが採用されやすいでしょう。

パティシエの現状と将来性・今後の見通し

人々に受け入れられる洋菓子を作り続けるために

すでに成熟期を迎えたといわれる製菓業界ですが、趣向を凝らした店づくり・商品づくりで繁盛する店も目立ち、さらなる市場の発展も見込まれます。

ある洋菓子商品がブームとなれば、それを作るパティシエにも大きな注目が集まります。

実力が問われる厳しい世界ではありますが、有名なパティシエになれば地域や国を超えて活躍することもできる魅力的な仕事です。

現状に満足することなく技術を磨き、創造力や豊かな考えで、その時代に受け入れられる洋菓子を作り続ける心が大切だといえるでしょう。