パティシエのつらいこと・大変なこと・苦労

パティシエのつらいこと・大変なこと

一人前になるまではなかなか稼げない

多くのパティシエが嘆いているのが、給与の少なさです。

仕込みのために朝早く出勤したり、時期によっては深夜の帰宅になったりするなど勤務時間は長くなりがちですが、それに見合った給料が得られるとは限りません。

企業などに勤めるパティシエの場合、30歳代であっても、一般的なサラリーマンの初任給程度にしかならない場合がほとんどです。

さらに、大手チェーン企業の商品開発などのポストでない限り、ボーナスをもらえることもあまりありません。

こういった理由から独立を目指す人も多いわけですが、たった2〜3年で独立して成功できるほど甘い世界でもありません。

歴が浅いうちは「修業している」という感覚でいなければ、継続していける仕事ではないといえるでしょう。

好きな物ばかりを食べられない

パティシエとして一番大切なことは「味覚」です。

研ぎ澄まされた味覚が無ければ、微妙な味の差が分からず仕事に支障をきたします。

ジャンクフードから高級食材まで、ひと通りは食べて味の違いを知っておく必要がありますが、日常的に濃い味の物ばかりを食べていたり、暴飲暴食をしたりすることは、「味覚を整える」点でよいとはいえません。

一流のパティシエになることを目標としている人は、刺激物や臭いの強い物などをできるだけ避けて体調管理をしています。

好きなものを好きなだけ食べられないことをストレスに感じて、耐えられなくなるような人にはつらいかもしれません。

とにかく傷が絶えない

パティシエを取り上げるテレビ番組では、美しいデコレーションなどを施していく、いわゆる「見せ場」をよく放送しています。

もちろん、そういった作業も仕事の一部ですが、実際は200℃を超えるような鉄板で一日中生地を焼いたり、鋭利な道具を使って細かい作業を繰り返したりといったことが多いのです。

男性はもちろん、女性だろうと業務内容に差はありません。

職場で男性が気を遣い、率先して重い物を運ぶこともありますが、忙しい時や職場によってはそんなことを期待してはいけません。

女性であっても、重い鉄板で腕を火傷してしまうなど日常茶飯事です。

女性のパティシエのなかには、こういった事情を知らない人に驚かれないよう、夏でも長袖を着る苦労をしている人もいるようです。

他にもさまざまな苦労があるパティシエですが、お客さまに心から喜んでもらえたり、苦労を共に分かち合う仲間ができたりと、お金には変えられない喜びも多くあります。

苦労も将来のためと考え、前向きな気持ちで努力を続けていくことが必要です。

パティシエの悩み

パティシエの職業病

腰痛

パティシエの職業といって一番に挙げられるのが腰痛です。

これは飲食業界に携わるすべての人の悩みともいえますが、パティシエは立ち仕事。

また、同じ場所で同じ姿勢をとりながら作業をする時間が長いため、足腰への負担は相当なものです。

そして、厨房によっては食材の品質を守るためにかなり室温を下げていることもあります。

体が冷えるため、より腰に負担がかかるという声も聞かれます。

腱鞘炎

また、腱鞘炎もパティシエならではの職業病です。

大量の生地を練ったり、ボウルに入ったクリームを混ぜ続けたりすると、どうしても腕に負担がかかります。

悪化すると痛みでものを握れなくなるため、早めに病院に行くなどして対処しなければなりません。

小麦アレルギー

さらに、まれではありますが小麦アレルギーを引き起こす人もいます。

小麦を吸うだけで気分が悪くなったり、ひどければ呼吸困難になったりします。

パティシエになるまで何の症状もなかった人が、毎日たくさんの小麦粉を使用するうちに、突然こういった症状を発症してしまうようです。

友人や恋人と休日が合わせにくい

パティシエは激務のところも多くあります。

勤務時間は勤務先によって異なりますが、早いところだと朝4時ごろから仕事がスタートします。

そして、店が閉まった後も翌日の仕込みをしたり、自分の練習をおこなったりで、結局帰れるのは日付が変わってから…ということも。

また、土日祝日は勤務となる職場が多いことも特徴です。

世間が休みでも自分は仕事という状況が多く、友人や恋人と遊ぶ時間がとりにくいといった悩みを抱えることになります。

出会いのチャンスが少ないと嘆く人もいます。

さらに、パティシエが最も忙しくなるのがクリスマス前。

秋から準備が始まり、12月に入ると長時間の残業や徹夜になることもあります。

年末に向けてまわりがだんだん浮かれ気味になっていくなか、厨房にこもってひたすら作業…という状況は多くのパティシエに経験があるでしょう。

パティシエは太る?

毎日おいしいお菓子に囲まれているパティシエは太らないの?と疑問に思う人もいるかもしれません。

しかし実際は、パティシエになって太ってしまったという悩みはあまり聞かれません。

甘いお菓子とは切っても切れない関係にありますが、パティシエの仕事は見かけよりもかなりハードなため、業務中の味見や勉強として口にするお菓子くらいではほとんど太ることはないでしょう。

ただし、製菓専門学校に通う学生のなかには実習後の試食や食べ歩きなどで太ってしまったという人もちらほらいるようです。

パティシエを辞める理由で多いものは?

長時間労働に耐えられなくなった

新卒で就職したパティシエの1年以内の離職率は7割にものぼるといわれています。

パティシエを辞めてしまう理由のなかでも最も多いのが「長時間労働に耐えられなくなった」というものです。

パティシエの多くが働く洋菓子専門店は人手が不足している現場が多く、早朝の仕込みから閉店後の片付けや翌日の仕込みまで、労働時間が12時間を超えることも珍しくありません。

クリスマス前などの繁忙期になると、毎朝5時に起きて帰宅は0時過ぎ…といった勤務になるところもあります。

その上、パティシエは体力勝負の仕事でもあるため、長時間立ちっぱなしの重労働を続けることで精神的につらくなってしまう人もいます。

せっかく夢を叶えてパティシエになっても、多くの人が洋菓子業界の厳しさを目の当たりにして辞めてしまうのです。

とにかくお金が貯まらない

非常に多忙な生活を送っているパティシエですが、忙しい分だけお金がたくさんもらえるというわけではありません。

他の業種に比べても給料が安い場合が多く、どれだけ仕事が長引いても決まった額だけで残業代は支払われないということもあります。

パティシエとして大きく稼げるのは、世間から一流だと認められ、独立して自分のブランドを持つ一部の人だといえるでしょう。

見習いのうちは生活するだけでも大変ですが、多少お金に余裕があるときも、自分でお菓子作りの練習をするための食材や道具を買ったり、勉強のために洋菓子の本を買ったりするのに使うくらいです。

それ以外のことにまでお金を使ったり貯金したりする余裕がない、という人は少なくないようです。

金銭面の余裕を持てずに将来が不安になり辞めてしまうパティシエもいるのが実情です。