「飲食店社員」の仕事とは

飲食店社員の仕事内容

現場経験がすべての基本

飲食店社員の仕事は、概ね次の3つに分かれるでしょう。

1.店長として、実際の店舗で働く
2.エリアマネージャーとして複数の店舗と本社の橋渡しを担う
3.本社に勤務し会社全体の戦略を練る。

店長は現場の動きを熟知し、すべての業務を滞りなく行える現場の責任者です。

シフトの調整やアルバイトの教育、食材等の発注といった店舗マネジメント業務、クレーム処理などが主な業務です。

エリアマネージャーは担当する店舗を定期的に巡回し、運営方針の伝達、商品構成や店内のレイアウト、在庫管理等の指導、店長の教育を行います。

各店舗の状況を本社にフィードバックする役割も担っています。

本社に配属されると会社としての戦略を練ったり、商品やオペレーションを開発したり、各種企画を立案したりと経営の根幹に関わります。

なお未経験から店長になれるケースは稀で、通常は店長になる前に、一定期間を店員として現場で過ごすことが求められるでしょう。

あくまでも店舗現場での経験がキャリアのベースとなるのが、飲食店社員という仕事なのです。

飲食店社員の就職先・活躍の場

就職先は非常に多彩

飲食店社員が活躍するのは、基本的に飲食店の現場になります。

しかし飲食店といってもその形態は多様で、チェーン店や個人店といった店の規模、あるいは和食・中華・イタリアンやフレンチなどメニューによって多数のバリエーションがあります。

また、先述のように現場を離れて本社社員として働くケースもあるなど、多岐にわたる職場が存在するのが飲食店業界といえるでしょう。

飲食店社員1日

長時間労働になりがち

飲食店社員の働き方は営業時間やピークタイム、役職によって変わってきますが、こでは一般的な「店長」の1日を紹介していきましょう。

10:00 出勤
仕込みが必要な店舗の場合には、もう少し早い出勤となります。

10:40 朝礼・ミーティング
アルバイトスタッフが揃ったらその日の連絡事項などを共有します。

11:00 開店
開店直後はお客さまも少ないものの、お昼に向けて徐々に客足が増えていきます。

12:00 ランチタイム
客足がピークを迎え、もっとも忙しい時間帯となります。

14:00 夕方の準備
ピークを過ぎたら、接客を続けながらディナーの準備に取りかかります。

15:00 食事
スタッフが交代で休憩と食事を取ります。

15:30 一時閉店
いったん店を閉め、店長自身も休憩に入ります。

16:45 夕礼・ミーティング
ディナータイムに向けて改めてミーティングを実施します。

17:00 開店
ディナーの時間帯に向けた営業がスタートします。

19:00 ディナータイム
ランチ同様、怒涛の客入りにスタッフ総出で対応します。

21:30 ラッシュ終了
営業を続けながら、片付けや翌日の準備に入ります。

23:00 閉店
スタッフに掃除や片付けを任せ、店長はレジ締めと営業日報の作成を行います。

24:00 退勤
戸締りや火の元をチェックし、帰宅します。

飲食店社員になるには

何はなくとも現場経験

飲食店業界は、学歴や資格が求められない世界です。

そのためどのような方にもチャンスのある業界である一方、実力主義の厳しい世界ともいえるでしょう。

慢性的な人材不足であることから未経験者の採用にも積極的であり、高校生・大学生など学生のアルバイト先としても常に認知されています。

そんな飲食店業界の社員として働くには、上述のようにアルバイトとして現場に立つか、正社員として勤務することが一般的な方法でしょう。

いずれの場合でも、まず求められるのは現場経験であり、店舗での接客や調理といったノウハウをどれだけ積めるかがその後のキャリアに影響します。

「何はなくとも現場」という、非常に公平でシンプルな世界が飲食店という業界なのです。

飲食店社員の給料・年収

基本的にはサラリーマンと同じ

飲食店社員も一般的なサラリーマンと同じ勤め人ですから、勤務先の給与基準に準じた収入となることがほとんどです。

例えば大手チェーン店の場合、平均月収は22〜30万円の間で、役職ごとの差を設けて給与額を定めています。

店長クラスで平均給与は25万円前後。年収に換算すると300〜350万円ほどになります。

また、昇給は役職が上がらない限り、大きくは望めません。

一方で中小規模の飲食店のケースだと、大手のように段階的な役職の振り分けが定められていないことが多いでしょう。

したがって給料も利益率で決まっていくことになり、月の売上から諸費用を引き、残った額が給料となるパターンが多いといえます。

飲食店社員のやりがい、楽しさ

お客さまをもてなす喜び

お客さまあっての飲食店業界は、お客さまに「おいしかった!また来るね!」と言っていただくことが何よりのやりがいといえます。

もちろんクレームのようなネガティブな反応を受けることもゼロではありませんが、お客さまの嬉しそうな笑顔をみれば、そうした苦労も吹き飛んでしまうのではないでしょうか。

人々が食事や談笑を楽しむ飲食店という空間で働く人たちには「お客さまを喜ばせたい」というタイプの人が多いようです。

おもてなしの心を持つそうした人々にとって、自分たちのサービスがお客さまの喜びにつながることが最もやりがいと充実感を覚える瞬間なのでしょう。

飲食店社員のつらいこと、大変なこと

気力と体力が求められる

お客さまに楽しんでいただくことをミッションとする飲食店業界では、常に明るく笑顔でいることが求められます。

たとえば個人的な事情で何か嫌なことがあって気分が塞いでいても、店に出たら笑顔で接客をしなければなりません。

どんな理由があっても笑顔でお客さまに接しなければならないことは、決して楽なものではないでしょう。

また、飲食店ではシフト制の勤務が一般的で、パートやアルバイトであれば定時に出退勤することができますが社員はそうではありません。

多くの場合、朝から晩まで店に立つことになり、長時間労働となってしまいがちな、体力的にハードな仕事であるといえます。

飲食店社員に向いている人・適性

エンターテイナーの気質がある人が向いている

飲食店のコア業務は何といっても接客であり、お客さまをもてなすことにやりがいを感じられる人に向いている仕事といえます。

笑顔や愛想といった分かりやすい要素はもちろん、お客さまごとの状況に即した気配りやサービスのような高度なコミュニケーション能力が求められるため、対人スキルの高い人も適性があるでしょう。

また、飲食店社員の場合にはアルバイトスタッフをまとめる役割でもありますので、スタッフを励ましたり教育したりといったリーダーシップも重要になります。

部活やサークルでリーダーを務めたことのある人や、場を盛り上げるムードメーカータイプの人も向いているかもしれません。

一方で、過酷な競争に直面する飲食業界では、ただ明るいだけで活躍することは簡単ではありません。

お客さまの回転率向上やコストカット、売上の拡大など、ビジネス的なセンスも今後はますます必要となるでしょう。

飲食店社員志望動機・目指すきっかけ

お客として雰囲気に触れたことがきっかけになりやすい

飲食店社員を目指す人のほとんどは「お客さまに楽しんでもらいたい」という思いを持っています。

人々が食事や滞在を楽しむ空間である飲食店の従業員には、このおもてなしの精神がとりわけ重要であることは間違いありません。

日頃から家族や友人を喜ばせたり、楽しませたりするエンターテイナーの気質を備えている人がその特性を最大限発揮するために飲食業界を目指すことは珍しくないはずです。

また、自分自身がお客として日常的に触れる機会が多いのも飲食業界の特徴でしょうから、様々なお店を見ていくうちに飲食店社員として働くことを志すといったケースもあるでしょう。

飲食店社員の雇用形態・働き方

雇用形態は非常に多様

飲食店は、正社員・派遣社員・パート・アルバイトと多彩な雇用形態が存在する業界です。

人材難から未経験者にも比較的門戸を開いていますが、その場合にはいきなり正社員というケースよりも、まずアルバイトとして現場に加わることが多いようです。

現場で接客や調理をはじめあらゆる業務を経験したうえで、正社員として雇用され、現場リーダーや副店長を経て、晴れて店長のポジションを任されるというのが一般的でしょう。

よって、雇用形態はバラエティに富んでいるものの、リーダーや店長といったキャリアップを目指す場合のルートはシンプルであるといえます。

まず現場から、というのが飲食業界のセオリーなのです。

飲食店社員の勤務時間・休日・生活

ハードな環境だが改善の傾向もある

飲食店業界では、店長やリーダーといった社員の勤務条件は総じてハードなことが多いといえます。

アルバイトが足りない場合などは、文字どおり朝から晩まで、しかも休日返上で連続勤務となるケースも珍しくありません。

現場はアルバイトに任せてマネジメントやバックオフィスの仕事に集中できればベストですが、慢性的な人不足に悩む飲食業界ではそれはなかなか難しいものです。

結果的に長時間労働・休みなしという状況に陥りがちのため、飲食業界は激務だとのイメージがついてしまっているのが現状です。

しかし近年、いわゆるブラック企業の環境改善に向けた取り組みが政府主導でなされるなど改善の兆しも見せており、飲食店社員にとって働きやすくなってきていると見る向きもあります。

飲食店社員の求人・就職状況・需要

求人は常に多数ある

飲食店は世の中に溢れており、毎日大勢の人々が食事や談笑のために足を運んでいますから、急激に需要が落ち込むことは考えにくいでしょう。

同時に、深刻な人手不足に悩まされる業界でもありますから、常に新しい人材が求められ、働き口には困らない環境であるともいえます。

一方で、長時間労働や立ち仕事、クレーム対応などストレスも少なくない労働環境であり、長く働き続けることが簡単でない業界でもあります。

そのため飲食業界においては、仕事を見つけること以上に、いかに持続性のある働き方をするか、さらにその中でどのようにキャリアアップを果たしていくかが重要であるといえるのではないでしょうか。

飲食店社員の転職状況・未経験採用

大事なのは持続性のある働き方

先ほども述べたように、飲食店は日本中に無数に存在しています。

もっといえば、外食産業は世界中に根付いており、場所を選ばなければ勤め先は世界全体に広がるともいえます。

特別な資格や技能も求められないため、身ひとつで現場に飛び込み、叩き上げでキャリアを積んでいき、ゆくゆくは独立開業して自分の店を持つといったサクセスストーリーも現実のものとして狙える世界です。

他方では、体力・気力ともにハードなことから離職率が高く、長く続けていくことが他業界に比べて簡単ではない現実もあります。

現場での接客や調理、マネジメント経験があれば転職には困らないはずですが、長期間にわたって業界で活躍するには、スキルやノウハウの習得はもちろん、しっかりした健康管理も重要になってくるでしょう。

飲食店社員の現状と将来性・今後の見通し

目の前の仕事をひたむきにこなそう

飲食店社員の仕事には、長時間の業務をこなすことのできる体力と精神的なタフネスが必要とされます。

また何より、お客さまに喜んでいただきたいというおもてなしの心が不可欠です。

プレイヤーの多い業界であるため、どうしても競争が厳しく、新陳代謝の激しい業界であることは間違いないでしょう。

そのような環境の中で社員として、また店長や本部スタッフとしてキャリアを築いていくには相応の努力と覚悟が求められます。

逆にいえば、続けていくことができればノウハウと経験を得ることができ、会社やオーナー、またお客さまからの信頼も獲得できるため、活躍の可能性が広がっていくともいえます。

日々、大勢のお客さまやスタッフが入り乱れる賑やかな業界であるものの、地道に目の前の業務をこなしていくことが成功の秘訣なのかもしれません。