大工と宮大工の違い

木組み工法と在来工法

日本の建築物は古くより「木組み」と呼ばれる工法で建てられてきました。釘や補強金物を使わず、木材を組み合わせることだけで骨組みを作ってきたのです。

しかし、木組み工法は工期が長く、使用する木材もすべて手作業での加工となるため、コストがかかるという難点があります。

そこで発展したのが現在主流になっている在来工法です。

在来工法では機械で加工された木材を使用し、釘や補強金物を使いながらの作業となるため、工期もコストも大幅に抑えることができるようになりました。

宮大工は神社仏閣の大工さん

宮大工とは主に神社や仏閣などの伝統建築を手掛ける職人を指します。これは神社や仏閣を「お宮さん」と呼んでいたことに由来した呼称です。

神社や仏閣は前述の木組み工法で建てられているので宮大工は木組みの技術を習得している大工であるということもできます。

宮大工以外にも家屋大工、町大工、プレハブ大工、数寄屋大工、建具大工、家具大工、船大工、型枠大工、造作大工など大工にいくつかの分類がありますが、一般的に「大工さん」と呼ばれるのは家屋大工であると考えてよいでしょう。

大工の仕事

家屋大工も木造建築を手掛けているという点に関しては宮大工と同様です。

両者の決定的な違いはその工法にあります。家屋大工は主に前述の在来工法によって作業を進めます。したがって、家屋大工は宮大工に比べて一件の工期が短くなるため、相対的に多くの案件を請け負っています。

もちろん、宮大工の中にも在来工法の技術を持っている人もいれば、その逆もまた然りです。

住宅を建てたいと考えている人の中には木組みでの建築を希望する人も少なからずいます。そのため、家屋大工にも木組みの技術力が求められることもあるのが現状です。

宮大工は修業年数が長い

一般的な大工は個人差もありますが大体2~3年ほど修行すれば一通りの作業ができるようになるといわれています。

しかし、宮大工の場合、そうはいきません。一人前と呼ばれるまでに最低でも10年はかかるのが一般的です。

宮大工は使用する木材をすべて手作業で加工します。なんとその際に使用する道具類もすべて職人自身が作っているのです。

実際の接木までにかかる行程が長いため、10年ほどは師匠の下で基礎を身体に叩き込むことになります。

この修業年数の長さは宮大工の大きな特徴であるといえるでしょう。