テレビ局社員の年収はいくら? 地方局やNHKの給料も解説

テレビ局ははなやかで高収入な印象もあり、とくに大手のテレビ局は学生の就職先として非常に人気があります。

ここでは、テレビ局社員の実際の年収はどうなのか、地方局やNHKの給料も踏まえながら解説します。

テレビ局社員の平均年収・給料の統計データ

テレビ局社員の平均年収・月収・ボーナス

テレビ局社員というと、その仕事内容やはなやかな様子から「高収入」というイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。

実際に、テレビ朝日やフジテレビなどの大手キー局の場合、30代で年収1000万円を突破することは珍しくありません。

一方で、全国各地にある地方局(ローカル局)の場合は、キー局の7割程度の年収になるのが一般的です。

こちらもキー局には及ばないものの、地方都市における収入としては非常に高い金額といえます。

こうした基本給に加え、年に一回の昇給と年に二回以上の賞与もあります。

配偶者手当や住宅手当などの福利厚生も充実しているので、経済的には安定した生活を送ることができるでしょう。

テレビ局社員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

年収が1000万円のテレビ局社員の場合、月々の手取りはいくらになるのでしょうか。

テレビ局は、基本的に毎月の給料にプラスして年に二回以上の賞与が支払われます。

そのため、毎月の手取り額は60万円前後で、残りは賞与というイメージになります。

ただし、これはあくまでもキー局の場合です。

地方局の場合は年収700万円として、毎月の手取りが40~50万円ほどになります。

テレビ局社員の初任給はどれくらい?

テレビ局社員の初任給は、一般企業よりも金額が高いことで知られています。

キー局の代表的なテレビ局であるフジテレビの初任給を見てみましょう。

新卒採用の募集要項によると、初年度の参考月給は292,100円です。(2022年度実績)

この内訳は、基準賃金224,500円・住宅費補助23,000円・年金補助3000円 ※クリエイティブ手当・主務職ライフサポート手当 月平均41,600円となっています。

さらに、通勤費(80キロメートル範囲内・全額支給)、時間外割増手当、深夜加算手当、早朝出勤手当、休日出勤手当、出張手当、慶弔見舞金等があり、定期昇給は年1回、賞与は年4回となっています。

一方、テレビ朝日の初任給は月給 243,030円です。(2022年度実績)

内訳は、本給 214,500円、ライフプラン給(企業型確定拠出年金の掛金)、残業手当固定分28,530 円(平日残業時間15時間相当分)となっています。

こちらも昇給年1回、賞与年4回WLB手当・賞与前渡金支給月あり 平均月額 約11万円(支給条件あり)残業手当・子女手当・介護手当などのほか、昇給が年1回、賞与が年4回となっています。

こうしてみると、もともとの基準賃金が高いのに加えて、さまざまな手当がついていることがよくわかります。

初任給の時点で月給30万円を超えることも夢ではないでしょう。

テレビ局社員の福利厚生の特徴は?

キー局も地方局も含めて、テレビ局は基本的には大手企業です。

そのため、福利厚生の制度は非常に充実しています。

結婚すれば配偶者手当や扶養手当が出ることがありますし、住宅を借りる際には住宅手当が支給されたり社員寮を安く貸してもらえたりします。

また、近年はテレビ業界でも女性の社会進出が進んでおり、産休や育休、時短勤務を取りやすくなってきています。

規模の小さい番組制作会社やプロダクションに比べると、人手があるぶん、休みやすい環境があるといえるでしょう。

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テレビ局社員の給料・年収の特徴

社員のメリットとデメリット

テレビ局社員はあくまでも会社員という立場で、よくも悪くも収入が安定しています。

収入や身分が保証されている一方、アナウンサーとして人気が出たり、ディレクターとして看板番組を支えたりしても、収入にはそれほど反映されないという現実があります。

こうした状況に満足できない場合は、退職してフリーランスとなり芸能事務所や制作会社に所属して仕事をする道もあります。

フリーになると、人によっては会社員時代よりも高い収入を得られることもありますし、より自由度の高い仕事をすることができます。

厳しい時代に突入

今までは「高収入」が当たり前とされてきたテレビ業界ですが、これからの時代も同じような状況が続くと安心することはできません。

近年では、動画配信サイトの発展や娯楽の多様化により、若者を中心にテレビ離れが進んでいます。

そのためどのテレビ局でも、かつてのような高視聴率が取れなくなっているという厳しい現状があるのです。

視聴率が下がったり反響が減ったりすると、番組のスポンサーも手を引いてしまい、広告収入が減ってしまうことになります。

これからの時代、テレビがどのように視聴者をつなぎとめるのか、どのように収益を伸ばしていくのかは業界全体の大きな課題とされています。

テレビ局社員も今までのような「高収入」「高待遇」というわけにはいかなくなる可能性があります。

これからテレビ業界を目指す人は、今の時代をよく理解したうえで進む道を決めたほうがよいでしょう。

テレビ局社員の勤務先別の給料・年収

地方局(ローカル局)の給料

地方局の給料や年収は、キー局と比べると7割程度になるといわれています。

もちろん、これは地方によって大きな差がありますし、どのキー局の系列局なのかによっても給料は異なります。

昇給や賞与の制度は整っており、地場の企業のなかでトップクラスの年収となることも珍しくありません。

このため、キー局だけではなく地方局も、就職試験の倍率が非常に高いことで有名です。

高い競争率を勝ち抜き合格するためには、面接官を納得させられる志望動機や自己アピールが必要不可欠でしょう。

NHKの給料

公共放送であるNHKの場合は、年収はいくらになるのでしょうか。

採用情報によると、短大・専門・高専卒の初任給は月給199,410円、大卒では月給218,360円、大学院卒の人は月給231,360円となっています。(2022年度)

NHKのHPによると、大卒モデルの年収では、30歳で531万円、35歳で665万円(2019年度)と発表されています。

ただしこれは一般職の場合で、管理職については年俸制になります。

2019年度の基本年俸は、全国職員の場合、913.6万円(課長クラス)、1173万円(部長クラス)、1428万円(局長クラス)です。

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テレビ局社員が所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢
(株)フジ・メディア・ホールディングス 866万円 45.1歳
(株)テレビ朝日ホールディングス 1382万円 42.1歳
TBSホールディングス 1449万円 49.1歳
日本テレビホールディングス(株) 1379万円 48.0歳

出典:2022年現在(各社有価証券報告書より)

フジテレビの平均年収

フジテレビの平均年収は45.1歳で866万円です。

テレビ局のなかでもバラエティ番組に力を入れており、かつては平均視聴率首位を叩き出していたものの、近年では視聴率が低下しつつあり、平均年収も減少傾向です。

テレビ朝日の平均年収

テレビ朝日の平均年収は42.1歳で1382万円です。

スポーツ番組と報道に強く、さまざまなスポーツの放映権を持っているほか、サイバーエージェントと提携しAbemaTVでも多様な番組を発信しています。

TBSの平均年収

TBSの平均年収は49.1歳で1449万円です。

とくにドラマに定評があり、近年では『逃げるは恥だが役に立つ』などで大きな社会現象を巻き起こしています。

日本テレビの平均年収

日本テレビの平均年収は48.0歳で1379万円です。

バラエティ・ドラマ・スポーツなどどのジャンルでも人気番組を放送しており、24時間テレビなど歴史ある番組も多く制作しています。

テレビ局社員の正社員以外の給料・年収

派遣社員

テレビ局には、正社員だけではなく派遣社員として働いている人がたくさんいます。

ディレクターや記者のような放送部の職種だけではなく、広報経理などの事務系の部署にも派遣社員は多いのです。

派遣で働く場合、時給1500~2000円ほどになることが多いようです。

一般的なパートやアルバイトに比べると高めではありますが、正社員に比べると決して待遇はよくありません。

アルバイト

テレビ局にはアルバイトとして働いている人もいます。

ADの買い出しを手伝ったり、インタビューの文字起こしをしたり、ロケの際に三脚や機材を持ち運んだりする仕事です。

アルバイトをしているのは大学生が多く、時給1000~1500円ほどになります。

テレビ局への就職を目指す学生がアルバイトに応募することが多いので、非常に人気があります。

フリーランス

テレビ局の社員のなかには、経験を積んだあとに退職してフリーになる人がいます。

職種として多いのは、アナウンサーやディレクター、カメラマンなどです。

彼らの仕事は、自分のスキルやセンス、コミュニケーション能力の高さが仕事の量に直結するため、優秀で引く手あまたな人材は、フリーになったほうが高収入を得られることがあるのです。

とくにテレビ局の看板アナウンサーとして活躍していた人の場合、フリーになると倍以上の金額を稼げることもあります。

そのぶん、一度仕事がなくなれば収入が激減してしまうというリスクもあるため、安定を求めるのであれば社員のままのほうが無難です。

職種によって年収に違いはある?

テレビ局に就職した場合、業種によって年収が大きく変わることがあります。

事務など裏方として働く場合は、年収が450万円~700万円程度と、一般的な会社員とさほど変わらない事も多いです。

一方で、営業となると650万円~1200万円ほどになることもあります。

テレビ局の営業は、番組の合間に流すテレビコマーシャル、いわゆるCMを放送する権利を売るのが仕事で、CMの売り上げこそが企業を存続させるための重要な収入となるからです。

テレビ局の営業の仕事はまさにテレビ局を支えているといっても過言ではなく、優秀な営業マンはどんどん出世していく傾向にあります。

また、アナウンサーで入社した場合、大手キー局では800~1200万円、ディレクターは、700万円~1300万円ほどとなります。

テレビ業界は年功序列ではなく実力によって昇進に差が出てくるため、どちらもテレビ局を背負う顔として活躍するようになれば、給料・年収もトップクラスとなります。

テレビ業界の関連職業との年収の違い

テレビ局の社員と比べると、ADなどが務める番組制作会社の年収は高くはなく、平均すると300万円から600万円ほどとなります。

勤務先によっては、福利厚生がしっかりしていなかったり、残業代が支払われなかったりすることもあるため、テレビ局で働くことを目標としている人も多くいます。

キー局勤務のアナウンサーであれば、30代で1000万円を超えることも少なくない一方、地方局の場合は、年収500万円〜1000万円が相場だといわれています。

とくに女性アナウンサーの場合は、独立してフリーになった方が年収が高くなる場合も多いです。

マスコミ業界の関連職業との年収の違い

厚生労働省が行った賃金の統計調査によると、39歳の新聞記者の場合、平均年収は792万円とされています(令和元年度統計)

多くの新聞社は非上場で年収を発表していませんが、2017年度の日本経済新聞社の平均年収は約1,221万円、平均年齢は43歳5ヶ月とされています。

経済的に余裕のある生活が送れる一方で、多忙になりやすく不規則な勤務になりがちです。

出版社社員の平均年収は400万円~450万円ほどとされ、マスコミ業界の中では低めとなっています。

ただし、出版社は大手から中小零細まで幅広いため、実際の給料・年収水準は各社で大きな差が出ています。

広告業界の平均年収は、650万円程度といわれています。

とくに日本の広告業の代表である電通と博報堂DYホールディングスは、平均年収1,000万円を超えています。

テレビ局社員の年収が高い理由は?

テレビ局社員の年収が高い理由として、テレビ局(地上放送事業者)は、電波法・放送法という法律に基づいて、総務大臣が監督していることがあげられます。

参入障壁が高く、ほかの業界のように次々と新しい企業が台頭してくることがないため、ライバルが少ないのです。

さらに、テレビ離れが加速しつつあるとはいえ、現状ではまだテレビ局の宣伝効果は非常に高く、スポンサーからの高い広告費が見込めます。

また、大手テレビ局の場合は不動産やイベントなど放送以外の事業も行っており、テレビ放送以外でも収益を上げて、収入を増やすことができます。

こうした理由から、テレビ局社員の年収は高い水準を維持しているのです。

テレビ局社員は年収1000万円以上を目指せる?

テレビ局社員は年収1000万円を目指せる仕事です。

特にキー局で経験を重ねていくと、年収1000万円を超えることは珍しくなく、最終的には1200~1500万円ほどになる人も多く見られます。

テレビ業界は、年功序列よりも人気や知名度など実績によって年収が大きくアップします。

大きな番組を手掛けるなどして出世すれば2000万円以上を得ている人もいます。

テレビ局社員が収入を上げるためには?

テレビ局の社員が収入を上げるために大切なのは、確実にキャリアアップすることです。

ディレクターであればプロデューサーを目指す、記者であれば報道部長を目指す、アナウンサーであればエグゼクティブアナウンサーを目指す、といったようにです。

このように経験を積み重ねて昇進すれば、それに伴って必然的に給料もアップします。

放送部長や局長などの幹部クラスになると、年収2000万円クラスも夢ではありません。

もちろん、このようなキャリアアップには厳しい競争がつきものです。

手掛けた番組が大きな賞を受賞したり、高い視聴率を取ったり、組織の改革に力を尽くしたり、何かしらの実績を残すことが必須です。

テレビ局社員の年収・給料のまとめ

テレビ局社員は一般的な職業にくらべると年収は高い年収が得られます。

一方で、テレビ局に就職することは非常に難関であり、実力だけでなく運も必要な仕事です。

また近年ではテレビ離れによる業績悪化から、これまでのように安定した高収入が得られるとは限らなくなってきています。

すぐに大幅に減額することはないとみられますが、時代の変化とともに、給料が大きく変わっていく可能性があるため、注意が必要です。