出版社社員の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

出版社社員の平均年収・給料の統計データ

一般的に、出版社社員の平均年収は比較的高めだといわれます。

しかし、国内には従業員1名~数名ほどの零細出版社まで含めれば3000社ほどの出版社が存在しており、各社で給料には大きな差が出ているのが実情です。

著名な出版物を多数発行している大手出版社では、経験を積めば1000万円以上が見込めますが、中小出版社では年収300万円~400万円台になることもあります。

福利厚生についても差が出やすく、中小出版社では大手ほどの待遇は見込めない場合が多いです。

出版社社員の平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
マスコミ・出版・広告・放送・印刷・イベント
(マイナビエージェント)
420万円 20代:376万円
30代:509万円
放送/新聞/出版
(DODA)
394万円 男性:437万円
女性:348万円
20代:331万円
30代:422万円
40代:483万円
50代~:585万円
生涯賃金:2億1059万円
新聞・出版・印刷
(マイナビ転職)
479万円 -

上記の表を見ると、出版社社員の平均年収は400万円~450万円程度がボリュームゾーンと推定できます。

ただし、このデータでは出版以外の業種も含まれていることから、あくまでも参考程度に捉えておいたほうがよいでしょう。

出版社社員の平均年収は、企業の売上高や規模、職種、役職などによって100万円~300万円以上の差がつくことも珍しくありません。

出版社社員の初任給はどれくらい?

出版社社員の初任給は、企業によって違いがあります。

たとえば大手3社といわれる集英社、講談社、小学館の場合、2019年度の実績は以下のようになっています。

  • 集英社:262,300円(新卒・22歳の初任給)
  • 講談社:本給月額258,260円(4年制大学卒22歳)
  • 小学館:260,300円

各社とも26万円前後となっており、業界内では最も高水準です。

他の中小出版社の実績を見てみると、会社によってさまざまですが、大卒初任給で21万円~24万円ほどが相場となるようです。

出版社の新卒採用では、大卒以上の学歴が求められることが多いこともあり、初任給は平均的か、やや高めといえるでしょう。

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出版社社員の職場別の給料・年収

大手出版社

出版社は株式公開していない企業が多いため平均年収は推定でしかありませんが、大手出版社の平均年収は500万円~600万円以上といわれています。

例年、大手3社の年間売上高は1000億円前後となっており、出版不況といわれるなかでも、高水準かつ安定した給料が見込めます。

新卒で入った社員が順調にキャリアを積んでいくと、30代後半や40代では役職者になります。

編集部の場合、副編集長、編集長とキャリアアップするにしたがって大きく昇給し、年収1000万円を超えるケースも珍しくありません。

大手出版社の給料・年収は他業種の企業と比べても高めといわれますが、給料には「みなし残業代」が含まれていることがあり、実働に対して特別に高額な給料だとは思わないと話す人もいます。

中小出版社

中小出版社だけの給料・年収平均値は明確ではありませんが、大手に比べると低めの水準となっています。

ある程度の売上や規模が大きな会社であれば、年収500万円~600万円程度は見込めますが、零細出版社であれば年収300万円~400万円台にとどまることもあるようです。

医学系出版社など、一部の専門出版社では平均年収が1000万円前後であるといわれ、高額な給料が見込めます。

このように出版社の年収は会社によって大きな差が出やすいことが特徴です。

出版社社員の雇用形態別の平均給料・年収

正社員

出版社社員の多くは、正社員として採用されています。

正社員の給料は、先に挙げた通り勤務先となる出版社の規模によって大きく変わってきます。

大手出版社勤務であれば、入社5年~10年ほどで年収500万円~600万円以上になる人は珍しくありませんし、40代を超えた役職者は年収1000万円以上になるケースもあります。

中小出版社勤務の場合は大手ほどの給与水準ではない場合がありますが、正社員であれば金額の大小はあれどボーナスも支給される企業が多く、それなりに安定した給料が望めるでしょう。

多忙な編集部で働く人の場合、残業代が多くつくことで収入が高くなっている人もいるようです。

アルバイト

出版社では編集部門を中心に、アルバイトとして働く人もいます。

アルバイトの場合、編集アシスタント的な役割を任されることが多く、時給は1,000円~1,100円程度からのスタートが一般的です。

経験を積むことで徐々に責任ある業務を任されるようになり、なかにはアルバイトから契約社員、正社員へとステップアップする人もいます。

アルバイトとしての給料は決して高いものではないため、収入を上げたいと考えるのであれば、やはり正規雇用を目指す必要があるでしょう。

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出版社の待遇の特徴

出版社の待遇は、会社の規模が大きくなればなるほど充実している傾向です。

大手出版社の場合、まず年に2回の賞与(ボーナス)、年に1回の昇給が基本形です。

社会保険完備はもちろんのこと、時間外勤務手当、住宅手当、家族手当、通勤手当、資格手当、役職手当といった諸手当があります。

また財形積立、退職年金、住宅資金融資制度、健康管理(健康診断、人間ドック)、さらに育児や介護に関する休業制度も整っているため、長く働き続けていくうえでの安心感があるでしょう。

社内のサークル活動や部活動が盛んな会社もあります。

中小出版社では大手と同等の待遇を用意しているところもありますが、社会保険や通勤手当など、最低限のものしかない場合もあります。