銀行員と公認会計士、税理士の仕事の違い
銀行員と公認会計士・税理士の仕事内容の違い
銀行員・公認会計士・税理士は、お金に関する仕事をしていますが、業務内容は大きく異なります。
銀行員は企業への融資を行うために、企業の財務状況などを確認し、ときにはより良い運用をするための提案や業績改善などのアドバイスをすることもありますが、基本的には融資のお付き合いがある会社に限定されます。
一方で公認会計士は、主に上場企業などの規模が大きい会社で監査が必要になる企業で財務諸表のチェックなどを行い、税理士は税金に関する専門家として納税者の申告書類へのアドバイスや処理を担うことが仕事です。
公認会計士や税理士は、事業内容自体への関与は少なく、あくまで正しい申告ができているかということをチェックする点で銀行員の立場とは異なります。
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銀行員と公認会計士・税理士になる方法・資格の違い
銀行員として働くためには、「証券外務員資格」が必須になりますが、内定前から取得する必要はありません。
その他にも保険に関する資格や内部管理に関する資格など、銀行員として必要な資格は非常に多いのですが、銀行員として働くことが決定してから取得すれば良いものばかりです。
一方で公認会計士・税理士として働くためには資格合格が必須になります。
公認会計士は公認会計士資格の合格・2年以上の業務補助実績・実務補修・終了考査に合格という4つのステップが必要になります。
税理士は税理士資格合格と関連する分野での2年以上の実務経験が必要で、その2つが満たすことができれば日本税理士連合会に税理士として登録することができます。
銀行員と公認会計士・税理士の資格の難易度の違い
銀行員として働くために必須となる「証券外務員資格」は、金融知識を多く覚える必要があり、きちんと勉強せずに取得できるものではありませんが、参考書や通信教育でしっかり学習さえすれば誰でも取得できるものです。
この資格がないと金融商品を取り扱えず、銀行員として働けないため、遅くとも入社してから半年までには取得する必要があります。
一方で公認会計士や税理士の資格は専門学校に通って試験突破をしたり、実務経験が必要だったりと、専門性が高いため難易度も高く、時間や手間もかかります。
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銀行員と公認会計士・税理士の学校・学費の違い
銀行員になるためには、一般職は高卒・短大卒以上、総合職は大卒以上が条件となることが多いですが、その他に銀行員になるために専門学校などに通う必要はありません。
公認会計士や税理士になるためには、独学で勉強して試験を受けることもできますが、専門性の高い知識が必要になので、より効率的に勉強するために専門学校に通う人も多いです。
なお、公認会計士に学歴は必要なく高卒でも目指すことができますし、税理士は基本的には大卒が受験資格になりますが、日商簿記1級があれば大卒でなくても受験資格が付与されます。
しかし、実際に公認会計士や税理士になる人は高学歴であることが多い傾向にあります。
銀行員と公認会計士・税理士の給料・待遇の違い
銀行員の給料・待遇は各銀行によって異なりますが、一般的に銀行員の給料平均は500万円~600万円ほどで、社宅や家賃補助などの福利厚生も整っているといわれています。
都市銀行の場合は転勤も多く、仕事内容も多岐に渡るので、総合職で出世が早い人では30歳で1000万円を目指せる可能性もあります。
また、大学卒業生の初任給が約20万円程度ですが、公認会計士の初任給は30万円~35万円となり、平均年収も1000万円と非常に高水準にあります。
税理士も所属する税理士事務所にも異なりますが、平均年収700万ほどといわれており、比較的高水準です。
銀行員は独立することはできないので会社員としての活動に絞られますが、公認会計士・税理士は独立することもできるので、成功すれば年収2000万?3000万円も手の届く範囲となります。
銀行員と公認会計士・税理士はどっちがおすすめ?
銀行員は資格試験がないため、銀行の入社試験に受かれば銀行員になれますが、独立して働くことはできません。
一方で公認会計士や税理士は資格があれば独立して働くこともできるので、資格取得までに時間や手間はかかりますが、その点ではおすすめです。
また、銀行員の仕事は幅広く、法人担当になった場合は、企業が成長するためにどうすれば良いのかということを考えながら融資だけではなく、金融資産の投資方法や外国為替の方法、社員への給料の支払方など多方面から提案することができます。
財務諸表などの書類上のチェックで企業が税金の過払いや不足を防ぐのも大切な仕事ですが、企業の成長に寄り添いたいと思う人にとっては銀行員の仕事の方が面白いでしょう。