役員のつらいこと・大変なこと・苦労

役員のつらいこと・大変なこと

従業員よりも責任が重くなる

役員のような会社の偉いポジションに就けば、高い給料がもらえて自由に暮らせると考える人もいるかもしれません。

しかし、役員はただ楽でメリットばかりの立場ではありません。

役員の最も大変なことのひとつは、抱える「責任」が大きくなることです。

取締役などの役員は、株主や従業員、取引先などへの責任を負わなくてはならず、会社と雇用契約を結んで仕事をする一般社員(従業員)とは、会社に対する責任範囲が大きく異なります。

社員であれば、たとえ仕事でミスをしても、(上司に叱られることはあっても)大問題に発展しないことは多々あるでしょう。

しかし、役員にはさまざまな法的義務があり、もし自身の行為に問題があって会社が倒産した場合には、第三者に生じた損害賠償の責任も問われます。

社員とは抱えるプレッシャーもだいぶ違うものになりますし、経営に参画する以上、社会全体に対する責任感を持っていなくてはならないという覚悟が求められます。

従業員と同じ待遇は受けられない

役員になると、従業員のような待遇が受けられない場面が出てきます。

たとえば、役員には労働基準法をベースにした「就業規則」が適用されないため勤務時間や休日は決まっておらず、どれだけ長時間働いても残業代の支給や休日出勤手当はありません。

雇用保険も適用されず、会社を離職した場合などの失業給付金はもらえません。

さらに、会社がもし破産したときに報酬の未払いがあった場合にも、労働者の給与のように優先的に取り扱われるわけではなく、泣き寝入りのような状態になる可能性もあります。

もちろん、役員には役員ならではの特別な待遇も用意されていますし、昇進したことで世間から評価されたり、実際に会社を動かしていく重要や役割を担ったりできる喜びがあります。

その一方、大変なところもたくさんあると考えておいたほうがよいでしょう。

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役員の悩み

役員になると、オンオフのメリハリがつけにくくなることがあります。

役員には労働基準法が適用されないため、長時間働いたり、休日に仕事をしたりしても、法的に問題になることはないのです。

役員にもさまざまなタイプの人がいますが、重要な役割を任されていて向上心の強い人だと、寝ても覚めても経営のことを考えるといった人は少なくないようです。

会社にいる時間以外にも、情報収集のための読書や勉強は欠かせませんし、会合に出席したりして積極的に人脈構築に動き回ったりすることもあります。

社員が休みの日に出勤して、集中できる静かな環境で仕事に向き合うような人もいます。

役員になることで、社員時代よりもずっと忙しくなる可能性は否定できません。

役員を辞める理由で多いものは?

役員は、なろうと思って自由になれるものでも、会社側が勝手に決めるものでもありません。

株主総会の普通決議で選任される必要があり、また任期も定められています。

取締役に関していえば、通常の任期は2年ですが、短縮もでき、また委員会設置会社を除く非公開会社では10年まで伸ばすことが可能です。

したがって役員を辞めるタイミングは通常「任期満了時」ですが、任期途中でもやむを得ない理由がある場合、会社に「辞任届」を提出すれば、辞任の効力が発生するとされています。

任期途中で役員を辞める人の理由で多いものは、自身の健康悪化です。

役員は比較的年齢が高い人が就くケースが多いため、重大な病気や体力不安などで職務をまっとうするのが難しくなった場合などには、辞任することがあります。

また「欠格事由」に該当すると、自動的に辞任です。

このほか、会社の先行きが不透明であることに不安を感じたり、責任やプレッシャーの重みに耐えきれずに辞任を決意する人もいます。

ただし、辞任理由が「やむを得ない理由」と認められない場合、損害賠償請求が発生することもあるため、注意しなくてはなりません。