出版社社員のつらいこと・大変なこと・苦労

出版社社員のつらいこと・大変なこと

企画を立てる苦労

出版社社員、とくに編集者が最も苦労するのは、企画を立てることです。

雑誌の特集ページの場合は、ただ単に企画案を出せばいいというわけではありません。

新鮮な話題か、発売月や季節に合っているか、昨年の同じ時期などと企画内容が重複していないか、読者層に合っているか、他社の雑誌が書きそうな内容ではないかなど、たくさんのことを考慮して企画を立てる必要があります。

書籍の場合も同様です。

いま世間が読みたいのはどんな内容か、どのような読者層を対象にするか、著者を誰にするか、ページ数やサイズ、単価をどうするか、どのくらい売れそうかなど、考えるべきことは山ほどあります。

雑誌にしても書籍にしても、企画内容によって売れる・売れないが決まるといっても過言ではありません。

よいアイディアを思いついても、編集部全体の企画会議でボツになってしまうこともあります。

編集者は常に「生みの苦しみ」と戦っているのです。

連携・交渉・調整の難しさ

編集者は、ライター、デザイナー、イラストレーターカメラマンなどの「作る側」のスタッフはもちろん、営業や管理スタッフ、作家や取材先の人たち、そして印刷会社をはじめとする業務委託先と、たくさんの人たちとかかわります。

その中心的立場として、コミュニケーション力を発揮しつつ仕事を円滑に進めていかなくてはなりません。

もちろん営業や宣伝などの職種に就いた場合でも、本を売るために編集部との打ち合わせをしたり、取次や書店などへ交渉をしたりと、人とのかかわりは非常に多いです。

時には立場の異なる相手同士の板挟みになったり、難しいことを言われて大きなプレッシャーを受けたりと、つらいこともあります。

双方の意志をくみ取りながら、ゴールに向かって進めるよう調整していく力が求められてきます。

出版社社員の悩み

出版社で働きはじめると、やはり世の中に出回るあらゆる書籍・雑誌の動向が気になります。

プライベートで書店に足を運んでも、自社の新刊がどのように並べられているかや、他社で売れている本はどのようなものかなどの情報を常に追ってしまうものです。

また、編集や校閲に関わっていると、文章の表現や誤植には非常に敏感になります。

本だけではなく、カタログやパンフレットなどあらゆる印刷物を見るときに、つい自分で誌面をチェックするような意識を持ってしまいがちです。

「つくる側」に回ることで、日常のあらゆる情報を自分の仕事に生かせないか、と考えるようになります。

単にいち読者だったときのようなシンプルな感覚のままでいられないことは、出版社社員の職業病のようなものだといえるでしょう。

出版社社員を辞める理由で多いものは?

出版社社員になるのは簡単ではないため、無事に内定が出たときには、多くの人が未来への希望をもち、意気揚々と仕事を始めています。

しかしながら、いざ現場で働き始めると、想像以上の厳しさや苦労を感じて、早い段階で離職してしまう人もゼロではありません。

昔から出版社社員にとって大変だといわれるのが「残業の多さ」です。

多くの雑誌や書籍を手がける大手出版社は、残業時間が月平均で50~70時間ほどになることもあります。

とくに編集の仕事は激務になりがちで、どうしても残業時間が増えがちです。

ただ、近年はあらゆる業界で「働き方改革」が進められ、出版社も残業時間削減の取り組みに力を入れはじめています。

10年、20年前に比べたら、だいぶプライベートも重視しつつ働けるように変化しています。

また、出版社での働き方は個人の裁量に任せられることが多いため、仕事に慣れて効率的な動きができるようになれば、日によって定時で上がることも可能です。

忙しいときは長時間の残業が発生することもありますが、メリハリをつけた働き方ができれば、体力的にも精神的にも、そこまで追い込まれずに済むでしょう。