大手出版社と中小出版社の違いは? 年収やそれぞれの特徴を解説

大手出版社の特徴

大手3社には長い歴史がある

出版業界で昔から大手3社といわれているのが、集英社、講談社、小学館です。

創業は、それぞれ1925年、1909年、1922年といずれも古く、長い歴史をもっています。

近年、合併吸収などで勢力を拡大した出版系グループもありますが、純粋な出版業以外の分野へ業務を広げているため、この大手3社は一線を画しているといえるでしょう。

総合出版社として多様なジャンルの出版物を発行

中小出版社に比較した時の大手3社の特徴としては、多様なジャンルの書籍・雑誌を扱っていることが挙げられます。

こういった幅広い種類の出版物を取り扱う出版社は「総合出版社」とも呼ばれます。

ただし、出版社は全体として規模がそこまで大きいわけではありません。

大手3社でも従業員数は700名~1000名ほどで、メーカーや銀行のような他業種の最大手企業と比べたら、だいぶ小さな組織といえます。

いずれも本社は東京にあり、集英社と小学館をはじめとした千代田区・一ツ橋エリアに拠点のある出版社は「一橋グループ」、講談社を中心とした文京区・音羽に拠点を構える出版社は「音羽グループ」と呼ばれています。

給料・待遇・働き方

出版社は全体として平均年収が高めですが、大手3社の平均年収はとくに高水準です。

初任給が25万円~26万円程度となり、20代のうちから年収400万円~500万円以上が見込め、役職に就くと年収800万円~1000万円以上を得ている人もいます。

年に2回のボーナス、時間外勤務手当、通勤手当、住宅手当、家族手当などの諸手当、その他の福利厚生(財形貯蓄制度、退職金制度、健康診断、育児休業、介護休業等)も充実しています。

大手出版社の採用人数はさほど多くなく、就職のハードルは高めです。

大手出版社の採用試験では、大卒の学歴が求められるものの、単純に有名大学卒で成績優秀、出版に対する情熱を持った人が採用されるとは限りません。

キラリと光るアイデアを持った人や個性豊かな人が好まれることもあり、狭き門となっています。

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中小出版社の特徴

多様な事業展開をする企業や、専門出版社も多数

基本的に、大手3社以外は中小出版社だと考えていいでしょう。

ただし、KADOKAWA、リクルートホールディングス、ベネッセホールディングスのように、出版事業と他業態との事業の掛け合わせで会社を大きくしている企業もあります。

小規模の出版社では、大手のように複数ジャンルの書籍・雑誌を出版するよりも、経済・ビジネス、文芸、地図、学習参考書など、専門分野に特化した出版物の企画・制作を行っているところが多いです。

給料・待遇・働き方

中小出版社の給料は、大手と比較するとやや低めとなります。

会社によって差が出ますが、年収400万円~600万円ほどがボリュームゾーンとされています。

待遇も各社で異なり、大手出版社と同等のところもあれば、社会保険や通勤手当、住宅手当といった諸手当など基本的なものだけにとどまるところもあります。

なお、中小出版社は、大手出版社と比べて就職試験に通りやすいわけではありません。

むしろ採用人数がごくわずか(数名程度)の場合も多く、難関といえます。

大手出版社で不合格だった学生も多く受験することから、採用倍率は大手よりも中堅出版社のほうが高くなることが多いです。

専門出版社の場合、各出版社が扱う領域に関して専門的な勉強をしてきたり、強い興味関心をもっている人が採用されやすい傾向があります。