勤務先による看護師の仕事の違い

看護師の代表的な勤務先は病院

病院の定義は?

看護師の勤務先は多岐に渡り、それぞれの場で看護師の具体的な業務内容や仕事の進め方には違いがあります。

看護師の勤務先として最も代表的な場は、病院です。

病院とは、正確には「患者さんが入院できるベッドを20床以上もつ医療機関」を意味します。

看護師資格を有する人のうち、7割ほどはこの病院勤務というデータが出ています。

ただ病院に分類される医療機関でも、100床前後の中小規模病院と、400~500床以上の大病院では、働くスタッフの人数も、患者さんの数にもだいぶ違いがあります。

さらに日本には、大学の附属施設として運営されている大学病院も数多くあります。

ここからは、そのような病院での具体的な看護師の仕事について紹介します。

大学病院

大学の附属施設である大学病院は、患者さんに高度な医療や看護を提供する場であると同時に、最先端の医療研究の場、そして医療従事者の育成の場でもあります。

個人の診療所では受け入れが難しい患者さんを診る機会が多く、複雑な病状の患者さんに最先端の医療を提供する一方で、医療従事者も多くのことを患者さんから学びます。

大学病院の看護師のおもな仕事は、通常の看護業務のほか、看護学生の実習の受け入れ・教育・指導などです。

ときには医師作業療法士など、他の職種の医療従事者の育成のお手伝いもします。

最先端の医療機器や高度な救急救命施設を備えている病院が多く、看護師の配置人数も非常に多いです。

配属先によって接する患者さんの病状や年代などには違いがありますが、専門的で高度な知識・技術を身につけながら、多くの医療専門職と連携して患者さんの命を救うことが求められます。

入院設備をもつ中小規模の病院

大学病院ほどの大病院でないものの、入院患者さんを受け入れる病院も多くあります。

入院患者さんのいる病院で働く看護師の特徴は、24時間体制で交替勤務をし、夜勤も行うことです。

看護師は、患者さんの身の回りの世話・診察介助・注射・投薬・リハビリといった看護全般を担当します。

大きな病院では「病棟看護師」「外来看護師」など役割が明確に別れていますが、比較的小さめの病院では外来と病棟の勤務がひとつになっているケースも見られます。

そのため、大病院に比べて一人の看護師にに任される業務範囲が広い場合があり、患者さんとの距離も、近いものになりやすいです。

診療所

看護師の勤務先として、病院の次に多いのが診療所です。

診療所とは、入院患者さん用のベッドが19床以下、またはベッドがない施設と定められています。

一般的に「クリニック」や「医院」、あるいは「〇〇眼科」「△△皮膚科」などの名称で呼ばれる医療機関も、たいていは診療所です。

とくに入院設備が一切ない無床診療所における看護師の働き方の特徴は、夜勤がないことです。

当たり前のことですが、入院患者さんがいなければ、24時間看護の必要性がありません。

また、こうした診療所は救急車の受け入れも行いません。

有床・無床に関わらず、規模の小さな病院ではスタッフの数も最低限になっていることが多く、看護師が受付業務や薬剤師の補助など、看護業務以外の仕事をフォローする場面もよく見受けられます。

専門職の境界があいまいではありますが、「かかりつけのお医者さん」として受診する地域住民も多いため、より患者さんの身近な存在として、幅広い業務に携われます。

介護保険施設

介護保険施設は、特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホームなど、要介護の高齢者が介護サービスを受けながら生活する施設です。

介護系職種のスタッフが多数活躍していますが、高齢化社会が進むなかで、看護師の勤務先としての割合も大きくなっています。

とくに特養では看護師の常駐が義務付けられていることから、地域によっては看護師の人数が足りず、常に看護師を求めている施設もあります。

介護保険施設では高齢者の日常的な生活を支える面が大きく、病院や診療所とは異なる仕事の進め方や、やりがいを感じられるでしょう。

介護保険施設の多くも、看護師は24時間体制で交替しながら勤務します。

訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、介護保険法に基づき、自宅で看護ケアを必要とする人に対する訪問看護サービスを提供する事業所です。

看護師と保健師が管理者となって運営する施設で、こちらも高齢化社会のなかで需要が拡大中です。

看護師は、サービスを利用する高齢者の心身の状態を把握し、日常的な生活のサポートや精神的ケア、さらに介護をしているご家族の相談にのることもあります。

必要に応じて他の医療スタッフとも連携をしながら、患者さんが自宅で安心して暮らせる環境を看護師の立場でつくり上げます。

公務員の看護師として働く人も

看護師は、特定の医療機関や企業などに社員として雇われる人以外に、公務員の身分で働く人もいます。

公務員は大きく「地方公務員」と「国家公務員」に分かれます。

地方公務員は地域の保健所や保健センター、あるいは保育園や幼稚園などに勤務し、地域の人々の健康を守ります。

国家公務員は国の機関に勤務しており、具体的には自衛隊での看護業務や厚生労働省の看護系技官として働くケースがあります。

その他

上記以外に、一般企業の医務室や相談室で従業員のメンタルヘルスや健康管理に携わったり、民間の美容クリニックや検診センター、献血センターなども、看護師の勤務先・活躍の場です。

さらに、レジャー施設やテーマパークなどの医務室でも看護師が常駐し、来場者が体調不良になったときに看護にあたるケースがあります。

コンサートや大規模なショーなど、単発でイベントが開かれるときには、派遣やアルバイトの看護師が会場で待機するケースもあります。

このように、医療機関以外にもさまざまな勤務先があるのが看護師の特徴です。