銀行員の需要・現状と将来性

銀行員の現状

かつては「銀行に就職する」ことは、非常に安定した職業に就くことを意味していました。

大手の都市銀行にしても地方銀行にしても、「まず倒産することはない堅実な就職先」というイメージが強く、実際に銀行に勤めている人は安定した収入を得ることができるのが一般的でした。

しかし、近年、銀行業界には大きな変革期が訪れようとしています。

日本国内では長引く低金利の影響で、銀行としては融資を行っても十分な金利を受け入れることができませんし、顧客も銀行で貯金をするよりも証券会社で運用益が高い株や保険会社の保険などの選択肢のほうが魅力的な場合もあります。

そのため、銀行員のノルマ達成も非常に厳しくなっていますし、特に国内市場がメインの地方銀行は生き残るのも難しくなっています。

実際にこのような状況下で銀行員の採用は減っていますし、かつては都市銀行が1位2位だった人気就職先ランキングでも最近では順位を下げています。

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銀行員の需要・将来性

インターネットでの支店で口座を開き、簡単にお金を預けたり引き出したり振り込んだりできる「ネット銀行」が若者を中心に利用されるようになっており、既存の店舗型の銀行は打撃を受けています。

インターネットに抵抗がない若者世代にとって、ネット銀行は口座開設や日々のやり取りもすべてインターネットで完結し、平日しか営業していない銀行に足を運ぶより便利だからです。

さらに、このようなネット銀行では、支店に配属する銀行員を雇う必要がなく、人件費を大幅に削減できるため、店舗を持つ銀行よりも良い金利で定期預金が作成でき、送金などの手数料も安いです。

ネット銀行も種類が増えており、それぞれが魅力的な金融商品の販売やキャンペーンをしているため、高い利益を得られる商品や銀行を求めて積極的に情報収集したうえで自分の資産の預け先を選ぶことができます。

既存の店舗型の銀行もこのようなネット銀行に負けずに生き残れるように、独自で魅力的な金融商品やサービスを拡充させることと、人件費の削減などを行う必要があります。

銀行員の今後の活躍の場

AIにとって銀行員の仕事は減る?

AIにより多くの事務仕事が減るといわれていますが、銀行員の仕事も例外ではありません。

それまで銀行員が行っていた口座開設や送金などの事務仕事は確実にAIがこなすことになりますし、融資をするかどうかを判定する格付という企業のスコアリングもAIの導入により格段に事務量は減ると想定できます。

ただし、融資において数字だけで判断するのは危険なため、必ず経営者や会社を訪問してその人柄や働いている人の士気などを確認して融資をするか定性的判断は欠かせません。

AIにより銀行員の数は今よりも減っていくかもしれませんが、優秀な人材はこれまで通り活躍できる機会はあるでしょう。

システムに強い銀行員が必要

今後は仮想通貨やブロックチェーンなど金融とテクノロジーが組み合わさったFinTechという新しい金融システムが使われる機会が増えていきます。

このような新しい技術を使うことにより、それまでは海外送金に何日もかかったのが即時着金となったり、将来的には現状融資に必要になる莫大な資料を用意する必要がなくなったりと非常に便利になります。

このような金融システムを構築するため、従来に比べるとシステム部に配属される銀行員も増えているのですが、これからの時代は更にシステムに強い銀行員の採用が増えていくことが予想されます。

海外で活躍できる人材が強い

国内市場は少子高齢化の影響によりこれ以上の預金者数を増やすことは難しいと想定できますし、上記で説明した低金利の影響により融資による利益を出しにくくなっています。

そのため、日本の銀行もこれから人口増加やインフラ整備・経済拡大に期待できる海外へ更に目を向けることになるため、英語が話せる海外で活躍できる人材がこれまで以上に採用されることが想像できます。

実際に都市銀行は海外の銀行や証券会社を買ったり、競って海外支店や現地法人を作ったりしていますし、地方銀行でも海外支店を積極的に作っているところもあります。