臨床工学技士の年収・給料はいくら? 初任給やボーナスもくわしく解説

臨床工学技士は、医療機器や診断機器の専門家として、医療現場で重要な役割を果たします。

初任給やボーナスなどの給与情報については、経験や勤務先によって異なり、これから就職を目指す人にとっても気になるポイントです。

この記事では、臨床工学技士の平均年収や初任給、ボーナスなどについて解説します。

臨床工学技士の平均年収・給料の統計データ

臨床工学技士の給料は、働く場所や経験、能力によって大きく変わります。

大きな病院や都市部で働く場合、給料が高くなることがあります。

全体的な平均年収は約400万円から550万円ほどです。

透析クリニックで働くと、比較的高い収入を得ることができるといわれています。

ただし、私立病院では昇給が少ないことが多く、国公立や市立の病院に比べて昇給幅が小さいことがあります。

夜勤や当直、オンコール(急患への対応待機)の勤務体系では、手当が支給され、給料が増えることがあります。

臨床工学技士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

臨床工学技士の平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、臨床工学技士の平均年収は、39歳で443万円ほどとなっています。

・平均年齢:39歳
・勤続年数:8.8年
・労働時間/月:162時間/月
・超過労働: 8時間/月
・月額給与:313,100円
・年間賞与:675,800円
・平均年収:4,433,000円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
臨床工学技士の平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

臨床工学技士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

医療機関で働く臨床工学技士の場合、年収は約450万円で、ボーナスは年間で基本給の4ヶ月分です。

これにより、総支給額は年間で約270万円から280万円に相当し、実際の手取り月収は約22万円から23万円前後と考えられます。

ボーナスは年間で約110万円前後で、実際の手取り額は約90万円前後になるでしょう。

基本給がそれほど高くない場合でも、月に夜勤、当直、オンコールなどが多い場合、手当によって月収が一時的に増加することがあります。

経験が10年以上経過すると、勤務先によっては手取り月収が30万円を超えるケースも見られます。

臨床工学技士の初任給はどれくらい?

臨床工学技士の初任給はおおよそ18万円から22万円程度で、ボーナスが支給される場合、1年目の平均年収は約300万円前後になるでしょう。

給与には地域差や勤務条件の違いが影響します。

夜勤がある職場や資格手当が支給される場合なども、給与の増減に関わります。

さらに、大学卒業、短大卒業、専修学校卒業などによって初任給が異なる医療機関もあります。

その場合、大学卒業者がわずかに高い初任給を受け取るのが一般的です。

臨床工学技士の勤務先の規模別の年収(令和4年度)

臨床工学技士の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模に勤める臨床工学技士の平均年収は418万円、100〜999人規模は444万円、1,000人以上規模は497万円、10人以上規模平均は443万円となっています。

臨床工学技士の年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「その他の保健医療従事者」であん摩マッサージ指圧師鍼灸師柔道整復師など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

臨床工学技士の勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

臨床工学技士の年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の540万円です。

全年代の平均年収は443万円となっています。

臨床工学技士の年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「その他の保健医療従事者」であん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師など他職業を含むデータです。

臨床工学技士の福利厚生の特徴は?

大手医療法人が運営するクリニックでは、手厚い待遇と福利厚生が提供されており、一般的にはさまざまな福利厚生があります。

たとえば、各種社会保険の完備、退職金制度、食事補助、産休・育休制度、家賃補助などです。

さらに、会員制ホテルの利用や永年勤続表彰制度などがある場合もあります。

また、医療に関わる仕事をしているため、人間ドッグやインフルエンザワクチン予防接種などの費用を負担してくれるところもみられます。

特に透析クリニックなどで臨床工学技士が透析業務に関わる場合、基本給に加えて月に5,000円から20,000円ほどの手当が支給されるのが一般的です。

さらに夜勤、当直、オンコールの日には、1回の勤務あたり3,000円から5,000円ほどの手当が多く支給されます

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臨床工学技士の給料・年収の特徴

臨床工学技士の平均年収は約400万円から550万円ほどと考えられています。

技術職であるため、初期の給与は低くても、経験とキャリアが積まれるにつれて年収が上昇することが一般的です。

臨床工学技士は医療機関で働くことが一般的で、その勤務場所は大きな病院から地域の小規模な透析クリニックまでさまざまです。

医療機関によって給与と待遇も異なります。

特に少人数で仕事をこなす場所では、新人を育てる余裕がなく、即戦力の臨床工学技士が求められることがよくあります。

そのため、経験者が転職を検討する場合、好条件で採用されることがあるでしょう。

また、残業や夜勤、当直、オンコールの有無や頻度によって、手当による給与の差が生じやすい職業でもあります。

臨床工学技士はほかの医療系職種と比べて給料は低い?

臨床工学技士の給料について他の医療系資格と比較すると、診療放射線技師臨床検査技師といった職種と比べてやや月収が低いことが指摘されます。

診療放射線技師の平均月収は30万円から40万円、臨床検査技師は25万円から35万円程度と言われています。

この違いはいくつかの要因によるものです。

臨床工学技士という資格自体が比較的新しく、まだ多くの実務経験を積んだベテランが存在しないため、平均年齢が低く、それに伴って給料水準も低い傾向があります。

また、臨床工学技士の給与は勤務先、経験、地域、雇用形態によって大きく異なるため、平均を比較するのが難しい一面もあります。

ただし、臨床工学技士の需要は増加傾向にあり、将来的に給料水準が向上する可能性も考えられます。

特に経験を積み、スキルを高めた臨床工学技士は高収入を実現できるでしょう。

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臨床工学技士の勤務先別の給料・年収

医療機関

国公立病院

国公立病院での臨床工学技士は公務員としての待遇を受けるため、安定した年収と福利厚生があります。

公務員は通常、勤続年数に応じて昇給する仕組みがあるため、経験を積むごとに収入が増えることが期待できます。

基本給に加えて手当が支給され、高収入を得ることが可能です。

民間の総合病院

民間病院の規模によって年収にばらつきがあります。

一般的に大規模な病院での臨床工学技士の需要が高く、そのため求人も多い傾向があります。

年収は国公立病院に比べてやや高いことが多いですが、病院の大きさや手当の内容によって異なります。

高収入を得るためには、基本給の他に福利厚生や手当の充実度に注目することが重要です。

透析クリニック

透析クリニックにおける臨床工学技士は、人工透析装置の操作や管理を担当し、資格を活かす環境で働きます。

資格手当や透析業務における手当が付くことが一般的であり、これらの手当が重なることで高収入につながる可能性が高いです。

また、透析患者数の増加に伴い、今後さらに需要が増えることが期待されます。

透析クリニックでの勤務は、臨床工学技士にとって高収入を実現する魅力的な選択肢の一つと言えます。

一般企業

医療機関での勤務に比べて数は少ないですが、臨床工学技士の中には一般企業に就職する人もいます。

一般企業での具体的な勤務先として、医療機器の製造メーカーや医療機器を取り扱う総合商社や専門商社などが挙げられます。

企業勤務の場合、就職する職種によって給料に違いがありますが、メーカーでは営業や製造開発などに配置されることが一般的です。

大手医療機器メーカーであれば年収が500万円から600万円程度を期待できるでしょう。

大学院を卒業して博士号を取得している場合、研究職に就く機会も開け、より高い収入を得る可能性もあります。

ただし、医療機関に比べて、臨床工学技士としての就職の選択肢は限られていることが一般的です。

公務員

公務員として働く臨床工学技士は、主に国公立病院での勤務が一般的です。

給料は公務員俸給表において、薬剤師や臨床検査技師などと同様に「医療職」として位置づけられており、事務職などの一般職員よりもやや高い水準となります。

経験年数が増えるに従い、確実に年収が上昇し、公務員としての充実した待遇を受けることができます。

そのため、民間企業と比べて臨床工学技士の公務員としての職は安定性が高いとされています。

アルバイト・パート

臨床工学技士は正社員としての求人が多く、就職率も高い職業です。

しかし、アルバイトやパートの求人も一般的に見られます。

夜勤など不規則な勤務体系を持つため、アルバイトやパートの形態では短時間の勤務や特定の時間帯の勤務が可能です。

このため、結婚や出産後に正社員からアルバイトやパートへと雇用形態を変更して働く臨床工学技士もいます。

さらに、フルタイムの仕事をしているか、別の場所で非常勤として働いている臨床工学技士は、追加の業務経験を積んだり収入を増やすために、空き時間を利用してアルバイトを兼職することもあります。

時給は通常、1,200円から1,500円程度で、経験や能力によってはそれ以上の時給を得ることもあります。

臨床工学技士の働き方の種類・雇用形態

臨床工学技士が収入を上げるためには?

医療機器メーカーへの就職

医療機器メーカーでの就職や転職は、臨床工学技士にとって給料をアップさせる方法の一つです。

医療機器メーカーでは、医療機器の開発や医療機関への営業販売に高度な専門知識が不可欠であり、臨床工学技士のスキルと知識が非常に重宝されます。

臨床工学技士が医療機器メーカーでの仕事を考える場合、通常は「セールスエンジニア」や「フィールドサービスエンジニア」、または「カスタマーサポート」などの役職が評価されることが多いです。

これらの職種は技術職に属し、臨床工学技士のスキルやコミュニケーション能力、コンサルティング能力を生かす絶好の機会となります。

医療機器メーカーにおける臨床工学技士の平均年収は、通常500万円から650万円程度です。

この給与は医療機関での平均年収と比較して、100万円以上の増収が期待できるため、収入アップを目指す方にとって魅力的な選択肢と言えます。

優秀な臨床工学技士がいる病院への転職

優れた臨床工学技士が在籍する病院への就職や転職は、多くのメリットがあります。

まず、優秀な仲間と共に働くことで、臨床工学技士としてのスキルを向上させる機会が増えます。

実務を通じて新たな知識と技術を吸収できます。

さらに、病院内での臨床工学技士の地位が認められている場合、待遇改善への道が開かれます。

有資格者としての発言力が高まり、待遇向上につながることが期待されます。

病院での臨床工学技士の給与は医療機関によって異なりますが、優秀な臨床工学技士が活躍する病院では、実力を高めるチャンスが豊富です。

キャリアの向上と収入アップを目指す方にとって、ほかの病院への転職は魅力的な選択と言えるでしょう。

臨床工学技士の年収のまとめ

臨床工学技士の平均年収は約350万円から530万円ほどが一般的とされています。

臨床工学技士は医療分野での技術職であるため、比較的安定した収入を期待できますが、初めの数年は給料が低めです。

経験を積み、年齢が上がるにつれて、より重要な仕事を担当する機会が増え、昇給の機会も増えるでしょう。

高額な給与を期待することは難しいかもしれませんが、臨床工学技士は医療機関などで働くため、安定感があり、待遇が充実していることが多いです。