競輪選手に向いている人、適性

脚力と背筋力にすぐれた人

競輪は、競馬や競艇、オートレースといった他の公営ギャンブルと違い、自分の体を動力源とする自転車でレースを行います。そのため、まずは、脚力と背筋力にすぐれた人が向いています。

日本競輪学校の入学試験で、適性検査の1次試験が「垂直跳び」と「背筋力」の測定になっているのも、そのためです。

より速く力強い走りを実現するためには、厳しい筋力トレーニングや体重管理を行い「脚力」を鍛える必要があります。

瞬発力とぶれない体幹

「脚力」といっても、競輪に必要なのは瞬発力です。同じ自転車競技でも、長距離のロードレースは持久力の方が重要ですが、バンクでスピードを競う競輪は瞬発力の方が問われます。

しかも、自転車にとってエンジンの役割を果たすのは、人間の脚です。そのため、筋線維の1本1本が太くて、バネのある筋肉の持ち主が、競輪選手には適しています。

だから、適性試験でも、「垂直跳び」で適性を見ることになっています。

競輪選手に、「背筋力」が必要な理由は、おもに2つあります。1つは、自転車を漕ぐという運動が、全身運動だということです。自転車を漕ぐと、股関節が回転します。

股関節が回転すると、腰の中の筋肉を通して背中の筋肉もよく使われます。そのため、股関節を超高速回転させようと思えば、背中の筋肉もよく発達していることが必要なのです。

また、自転車を漕ぐとき、体がぶれると、力がうまくペダルに伝わりません。時速60キロ、70キロで疾走しながら、ペダルを全力で漕ぎ、なおかつ、体がぶれないようにするには、体幹の強さが必要です。

その体幹の強さは、背筋力の強さと大きく関わっています。

仲間意識や人間臭さに興味を持てること

勝負の世界ですので、精神力も必要です。勝つこともあれば、スランプに陥ってなかなか勝てないこともあります。そんな時でもグッと我慢する忍耐力も必要でしょう。

レース中は選手同士の間で様々な駆け引きも展開されますから、他の選手の走りや精神状態を見極める分析力も必要となります。

女性の競輪では禁止されていますが、男性の競輪には「ライン」というのがあります。基本は3人で、一般には2〜4人の選手が一列に並び、連携して戦う戦法です。

師匠が同じ同門や同郷、近隣都道府県、競輪学校の同期などで、先行選手と追い込み選手から成るチームを作ります。そのチームの中には、子供が生まれたばかりの選手もいれば、子供が大学受験という選手もいたりします。

また、何らかの処分明けの選手がいたりして、選手個々の事情や選手同士の人間関係などが、チームの戦い方に影響します。そこが、競輪の面白さであり、奥の深さといわれています。

競輪というのは、単に走って速い人が勝つという単純なレースではありません。人間関係やいろんな事情から、40歳以上のおじさんが、20代のバリバリの若手に勝つこともあります。

そういう人間臭さに興味を持てることも、競輪選手に大切な適性です。