競輪選手は何歳まで活躍できる?

選手寿命の長い競技の一つ

競輪はスポーツのなかでも非常に選手寿命の長い競技の一つです。

もちろん成績が悪ければ20代でも引退に追い込まれる厳しさはありますが、一定の成績を残していれば、40代はもちろん、50代になっても第一線で活躍することができます。

なかには60代でレースに出場している選手もおり、2020年現在の最高齢の手は1955年生まれの三ツ井勉選手です。

三ツ井選手は2019年に64歳1カ月13日で勝利を飾り、24年ぶりに最高齢勝利記録を更新しました。

それ以前の記録は1995年に橘内茂夫選手が樹立した64歳0カ月17日で、この記録からも競輪では60代の選手がレースに出場することも珍しくないことがわかります。

また、他の競技であればベテランと呼ばれる40代の選手でも、競輪界では最高クラスに当たるS級S班のランクで活躍しています。

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競輪選手の選手寿命が長い理由

競輪選手の寿命が長い理由として、1つは自転車をこぐという競技の特性から、体への負担が少ないことが挙げられます。

ほとんどのスポーツは地面や床の上で行われるため、動くたびに地面や床からの反発を受け、その衝撃が体への負担となります。

その負担を何十年間も受け続ければ、関節や腰が悲鳴をあげてしまいます。

実際に多くのスポーツにおいては、ベテラン選手になるほど足首やひざ、股関節や腰などに大きなダメージを受け、競技のパフォーマンスが落ちていきがちです。

その点、競輪選手の場合は自転車をこぐという動作のため地面や床からの反発を受けませんし、ペダルが回転していくため、足に受ける衝撃も小さくてすみます。

腰痛に悩む選手はいますが、基本的にはレースにかかる時間が短いため、日頃のケアで予防しやすいといわれています。

競輪独特の戦法も選手寿命を伸ばしている

競輪選手の選手寿命が長いもう一つの理由は、「ライン」と呼ばれるグループを組んで戦う独特の戦方にあるといわれます。

競輪選手も加齢とともに運動能力や体力が衰えないわけではありません。

走行タイムだけを競う個人スプリントのような種目なら、30代後半から40代になれば、若い選手にはなかなか勝てなくなってしまいます。

しかし、競輪の場合は走行タイムを競うわけではなくゴールを通過した順番でレース結果が決まり、加えてレースには競輪独特の戦法が用いられています。

競輪のレースは参加選手が1列になってバンクを周回し、最後の1周でラストスパートをかけるという展開が一般的です。

2000mや3000mのレースでも、勝負の行方はほぼ最後の1周だけにかかっています。

また、1列で走行しているときは同じグループの選手を自分の前に走らせて風よけとすることもできます。

先頭を走ると空気抵抗を受け、体力を消耗していきますが、風よけを置くことで体力を温存しながらラストスパートに賭けることも可能です。

ラストスパートの瞬間には味方の選手がライバル選手の進路を妨害したり、体当たりすることも許されています。

ラストスパートに向けて体力を温存しながらライバル選手をつぶすという戦い方も可能なので、高齢の選手でも勝てる確率がアップします。

落車などで大きな怪我をしなければ、競輪選手は少なくとも40代や50代までは続けられる職業です。