女性の競輪選手(ガールズケイリン)のキャリアパス・結婚後の生活

2012年に復活した女性の競輪

2012年7月から、女性競輪選手による「ガールズケイリン」がスタートしました。

第2次世界大戦後の1949年〜1964年には女性による競輪レースが開催されていましたので、正確には「女子競輪の復活」です。

2012年のロンドン五輪から女子ケイリンが正式種目として採用されたこともあり、オリンピックで活躍できる選手の強化も兼ねて女子競輪が復活することになりました。

2020年1月の時点で、女子選手は135名が登録されています。

競艇(ボートレース)のように男子選手と女子選手が一緒に競走することはなく、女子選手のみでレースを行います。

男子競輪とルールが異なる部分もあり、隣にいる選手を圧迫する行為をすると失格になるなど厳格なルールがあります。

また、誘導中の先頭員の後輪より前方に少しでも出ると失格というルールも、男子競輪にはないものです。

ガールズケイリンも男子と同様に全国各地で開催されており、レースの距離は1600mが基本で最大7車立てで行われます。

女子選手の平均年収は約600万円

女子選手の年収は平均で約600万円といわれており、これは女子スポーツとしてはかなり高い方です。

賞金額は男子と同様にレースのグレードと勝ち抜きの段階によって異なります。

その年に好成績を収めた7人の選手による一発勝負で行われる「ガールズグランプリ」の優勝賞金は500万円です。

また、F1クラスのレース(6つあるレースのグレードの下から2つ目)の優勝賞金が、30万円台となっています。

決勝で最下位となる7着の賞金は7万〜8万円、予選レースの1着賞金が6万〜8万円、予選最下位の7着が約3万円といった設定です。

賞金は開催中の3日間全勝の選手であれば50万円以上、全敗の選手でも20万円程度の収入が得られるようになっています。

2019年の女子選手の賞金ランキングで1位の児玉碧衣選手は約2840万円を獲得しており、上位15名は年間の獲得賞金が1000万円を超えています。

女子競輪選手になるには?

女子が競輪選手になる場合も、基本的には男子選手と同じ流れとなります。

日本競輪選手養成所に入学して1年間の勉強と訓練を受け、そのうえで競輪選手資格検定に合格しなければなりません。

養成所の入学条件は「入学する年の4月1日で17歳以上(高卒以上の資格を有す者)」となっており、年齢の上限はありません。

入学試験には「一般試験」と「特別試験」があり、ほとんどの受験者は一般試験を受けることになります。

一般入試では「技能試験」と「適性試験」が実施され、技能試験は自転車競技で一定の実績がある受験生が対象、適性試験は他のスポーツ経験者が対象です。

技能試験は「自転車による1000m走行」と「自転車による400m助走後の200m走行」、適性試験は垂直跳びと背筋力の測定などが行われます。

一般入試の2次試験は1次試験の合格者のみが受験でき、試験内容は適性試験と身体検査、口頭試問、適性検査、作文などによる人物考査です。

女子選手の募集人数は20名で一般入試の倍率は約2倍となっており、入試の競争率は男子よりもかなり低くなっています。

女子競輪選手の結婚後の生活

戦後の時代に行われていた女子競輪とは異なり、現在の「ガールズケイリン」に参戦している女子競輪選手は結婚後も現役を続けている人が数多くいます。

男子の競輪選手と結婚するケースも多く、妊娠、出産をして、子育てをしながら現役生活を続ける女子選手も少しずつ増えています。

50歳で競輪選手デビューを飾った高松美代子選手や森美紀選手のように、デビュー前にすでに結婚しており、母親となっているケースもあります。