スポーツエージェントの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「スポーツエージェント」とは

スポーツエージェントの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

プロスポーツ選手に代わって、チームと入団や契約金などの各種交渉を行う。

スポーツエージェントは、プロスポーツ選手に代わってチームと契約交渉を行う仕事です。

代理人契約を結んだ選手を売り込み、入団や移籍あるいは契約金についての交渉、契約更改などを担当します。

スポーツエージェントになるための方法はスポーツの種類によって異なり、サッカー界では誰でも代理人登録が可能であるため、個人でエージェント会社を経営している人が選手と契約するケースが大半です。

収入は選手からの契約料となり、年俸の3~5%が相場です。

プロ野球界ではエージェント業務はまだビジネスになっていないなど、スポーツエージェントになるための道のりは厳しいものとなりますが、海外のスポーツビジネスの場で経験を積み、独立を果たす人もいるようです。

「スポーツエージェント」の仕事紹介

スポーツエージェントの仕事内容

スポーツエージェントの仕事は、プロスポーツ選手に代わってチームと契約交渉を行うことです。

プロ選手と「代理人契約」を結ぶと、その選手を売り込み、興味を示したチームと入団や移籍について交渉し、契約を結びます。

また、所属チームとの契約更改も選手の代わりに行います。

選手自身は交渉や契約に不慣れですので、チームの契約担当者と交渉するとどうしても不利になります。選手に代わって意見を主張し、チームと対等に交渉することが目的です。

契約が成立すれば、契約金や年俸の管理を行ったり、選手がプレーに集中できるように、選手や家族の引っ越し、新しい住居探し、子どもの教育の世話など日常生活のサポートまで行うエージェントもあります。

スポーツエージェントになるには

スポーツエージェントになるために必要な条件は、プロスポーツの統括団体や選手会がそれぞれ定めています。

たとえば、日本のプロ野球の場合、選手会に「代理人」として登録する必要があります。登録できるのは日本弁護士連合会所属の弁護士か、メジャーリーグ選手会公認代理人だけです。

それに対して、メジャーリーグやNBAなどアメリカのプロスポーツは、犯罪歴がないかどうかなど簡単な審査だけで選手会に登録できます。

サッカーも各国のサッカー協会に登録すれば、エージェントになることができます。

エージェントの交渉が失敗すれば、エージェント契約している選手の所属チームが決まらないという事態に陥ることもあり得ます。

そのため、選手のエージェント選びはかなり慎重です。

たとえエージェントとして登録できたとしても、エージェントとしての実績や信用がなければ、選手と代理人契約を結ぶことは難しいです。

スポーツエージェントの給料・年収

スポーツエージェントの収入は、「代理人契約」を結ぶ選手からの契約料です。額は選手との間で自由に決められますが、年俸の3~5%が相場です。

年俸3億円の選手と5%の契約をすれば1500万円です。欧米には高年俸の選手多数と契約し、年収が10億円以上という代理人もいます。

しかし、大物選手も現役引退すれば、代理人契約は解除され、その選手からの収入はなくなります。

そのため、若い選手とも契約を結ぶ必要がありますが、若い選手は年俸も少なく、代理人としての収入は限られます。

多くの選手と契約すると仕事量が増えるため、会社組織にするエージェントが増えています。

そうした会社の給料は、会社の規模や業績によってさまざまです。事前に条件や待遇をよく調べてみましょう。

スポーツエージェントの現状と将来性・今後の見通し

日本のプロ野球で、エージェント業務はまだビジネスになっていません。

交渉は、球団側がトラブルを警戒して弁護士か、メジャーリーグの公認代理人に限っています。

メジャーリーグのように誰でも登録できるようになればビジネスチャンスは広がりますが、いつ「門戸開放」されるかわかりません。

それに対して、サッカー界は2015年4月から難関だった代理人試験が廃止され、誰でも登録できるようになりました。

今後は日本人選手の海外進出が増えることが期待できるので、会社に就職して経験を積めば、代理人としても活躍できそうです。

また、アメリカやヨーロッパのエージェントに就職すれば、世界のスポーツビジネスの現場で経験が積めます。

こうした会社で実績を積んで人脈を広げれば、将来的に独立することも夢ではありません。

スポーツエージェントに向いている人・適性

スポーツエージェントに向いている人は、その競技のあらゆる面について詳しく、かつ交渉が得意な人です。

競技の細かなルールから戦術、主要国のチームや選手に関する動向や事情までわからなければ、契約交渉はできまません。

さらに契約や労働に関する法律にも精通している必要があります。

選手契約はビジネス契約となるので、チームから出てくる契約の専門家と対等に交渉できる知識と経験が必要なのです。

また、海外のチームと交渉するには英語が必須で、現地語も話せると有利です。

しかし、それらすべての前提として、信頼できる人物かどうかが問われます。

選手は交渉を全面的に任せます。信頼できる人でなければ代理人契約を結んでもらえませんし、チーム側も信頼関係が築けなければ、交渉の席にもついてくれません。

スポーツエージェントの勤務時間・休日・生活

スポーツエージェントが忙しいのは、選手とチームが契約交渉をする時期です。

Jリーグでは12月から翌年の1月くらいまで、欧州サッカーなら6月~8月くらい、メジャーリーグでは10月~翌年の1月くらいまでです。

その間は他の選手の動向を見ながら、チームと交渉します。

契約内容の精査に加えて、チームや他のエージェントとの駆け引きもあります。この期間は休日ばかりか、寝る間もない忙しさです。

また、シーズン中は、契約を結ぶ選手の試合をチェックして、交渉用のデータを蓄積していきます。

さらに各国のチームや選手事情を知ろうと思えば、時間はいくらあっても足りません。

人脈を広げるのも大切な仕事で、仕事量は際限なく、自分で意識しないと勤務時間が不規則になり、休日もなくなってしまいます。

スポーツエージェントの求人・就職状況・需要

日本のプロ野球で代理人登録できるのは、日本弁護士連合会に所属する弁護士か、MLBの公認代理人だけです。

しかも、1人の弁護士が代理人契約できる選手は1人だけで、ビジネスとして成り立っていないのが現状です。

日本のサッカー界では、多くの選手がエージェント会社と契約しています。代理人登録ができるのは個人ですが、仕事内容が多岐に渡るため、会社組織にしているところが多いです。

代理人になりたい人は、こうした会社に就職するのが近道です。

プロスポーツの盛んな欧米でも会社が中心ですが、国の内外を問わず、会社の規模が小さいため、採用は不定期というところが目立ちます。

むしろ個人的なつながりで入社する人が多いようで、そこで経験を積んで独立した人もいます。