「アスレティックトレーナー」の仕事とは

アスレティックトレーナーの仕事内容

スポーツ競技者のメディカル面をサポートする

アスレティックトレーナーは、競技者(スポーツ選手、アスリート)の健康管理やスポーツ障害・外傷の予防、応急処置、リハビリテーション、体力トレーニング、コンディショニングに携わる仕事です。

スポーツ指導者として競技者やチームの健康管理を担う「スポーツトレーナー」のうち、おもにメディカル面を担当するため、「メディカルコーチ」や「メディカルトレーナー」と呼ばれることもあります。

スポーツドクターやコーチと連携しながら、競技者がイキイキと活躍できるようにサポートしていきます。

アスレティックトレーナーの就職先・活躍の場

スポーツチームやスポーツ関連施設などで活躍

アスレティックトレーナーのおもな活躍の場は、トップアスリートとの専属契約やプロのスポーツチーム、実業団などのスポーツチームとなっています。

ただし、これらの場でのフルタイムで雇用されるケースは多くなく、複数のチームをかけもちしたり、大会ごとに帯同したりしながら働く人も目立ちます。

そのほか、トレーナー派遣会社に登録して働いたり、スポーツジムやフィットネスクラブ、地域のスポーツ施設、学校、施術所や医療機関、保健所や福祉施設などに就職する人もいます。

アスレティックトレーナー1日

スポーツチームの練習にも帯同する

プロや実業団のスポーツチームを担当するアスレティックトレーナーは、非常に少ないといわれています。

ここでは、アスレティックトレーナーが活躍する企業に勤務して、実際にトレーナーとして活動をしている人の1日を紹介します。

13:00 勤務開始
スポーツチームの練習時間に合わせ、午後からの勤務となります。

14:00 練習場へ
競技者より先に練習場へ入り、練習中に必要な応急処置の備品をセットします。

15:00 体調確認
競技者の体調確認や、リハビリテーションなどの相談を受けます。

18:00 練習開始
全体に目を配り、水分補給やテーピングなど競技者を随時サポートします。

20:00 練習終了
競技者やコーチなどによる全体ミーティングに参加し、競技者の体調を確認。

21:00 勤務終了
練習場を出て帰宅します。

アスレティックトレーナーになるには

まずは資格取得を目指してから就職する

アスレティックトレーナーになるには、大きく分けて2種類の方法があります。

ひとつは、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士、作業療法士といった国家資格を取得してから、「認定アスレチック・トレーナー:JATAC-ATC」という民間資格をとる方法。

もうひとつは、養成講習会を受講するか、適応コース承認校を卒業して「日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)」という民間資格を取得する方法です。

これらの資格取得後に就職を目指すのが一般的なルートです。

アスレティックトレーナーの学校・学費

大学から専門学校までいろいろな学校がある

アスレティックトレーナーとして仕事をするためには、業務に必要な専門知識・技術を学んで、「日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)」などの資格取得を目指すことが現実的です。

「JASA-AT」の資格取得を目指すことのできる専門学校、短期大学、大学、大学院は全国に60校ほどあり、学校によって学費には違いがありますが、カリキュラムによっては柔道整復師などの国家資格をあわせて取得する
ことが可能です。

自分がどのような資格取得を目指したいかを考えて、学校選びをしていくことが望まれます。

アスレティックトレーナーの資格・試験の難易度

資格取得までには時間がかかるものも

アスレティックトレーナーの資格はいくつかありますが、代表的な「JASA-AT」検定試験の合格率は決して高くないようです。

一方、柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士、作業療法士といった国家資格者向けの「JATAC-ATC」という資格は、JATACが認定するスポーツ科学分野の講習を受けて69単位を取得し、申請すれば認定されます。

いずれも取得までには一定の時間がかかるため、取得ハードルはやや高めといえるでしょう。

アスレティックトレーナーの給料・年収

大きく稼げる人は限られている

アスレティックトレーナーの平均年収は、200万円~400万円程度とされており、待遇面であまり恵まれない環境で働く人もいるようです。

トップアスリートとの専属契約やプロのスポーツチームでのフルタイム雇用になれば500万円~1000万円程度の年収も期待できますが、現実的には狭き門です。

柔道整復師や鍼灸師などの国家資格をあわせ持ったリ、インストラクターなど他の仕事と兼務することによって、収入アップを実現させている人もいるとされます。

アスレティックトレーナーのやりがい、楽しさ

競技者がよいパフォーマンスを発揮し、信頼されること

アスレティックトレーナーがやりがいを感じられる瞬間は、リハビリテーションを担当した競技者がケガから復帰して活躍したときや、提案した体力トレーニングが有効にはたらきチームが勝利したときです。

スポーツ医科学全般の知識を持つアスレティックトレーナーは、競技者にとって信頼できるよきパートナーになります。

そのような関係性があるからこそ、自分が担当した競技者やチームの活躍は、アスレティックトレーナーにとってもこのうえない喜びとなります。

アスレティックトレーナーのつらいこと、大変なこと

自分自身の体づくりや勉強も続ける必要がある

アスレティックトレーナーは、トレーニングを指導するプロの立場として、自分自身も日々欠かさずトレーニングを続け、競技者の立場にたって方法論を考える必要があります。

競技者からの信用を得るためには、ときにプライベートや休みを返上してアスレティックトレーナーとしての仕事や研究に取り組む覚悟も必要です。

生活と仕事の境目があいまいになってしまう場合もあるため、この仕事に情熱を注げる人でないとつらいと感じることも多くなるかもしれません。

アスレティックトレーナーに向いている人・適性

誰かのサポートをすることに喜びを感じられる人

アスレティックトレーナーは自分自身が競技をするわけではありませんが、競技者のサポートをすることで相手と一丸となって勝利の喜びをわかち合える仕事です。

人のサポートをしたり、人に喜んでもらうことがうれしい人は、アスレティックトレーナーに向いているといえるでしょう。

現場ではスポーツドクターやコーチなどさまざまな関係者とも接するため、人柄がよく、誰にでも慕われるタイプの人は、この仕事の適性があると考えられます。

アスレティックトレーナー志望動機・目指すきっかけ

スポーツビジネスを裏方として支えたい

アスレティックトレーナーを志望する人の動機として多いのは、自分自身スポーツが好きで、スポーツビジネスを裏方として支えていきたいという内容です。

もともと自分自身がスポーツをしており、ケガなどの際にトレーナーの力を借りて乗り越えたことをきっかけに、この仕事に興味を持ったと話す人もいます。

アスレティックトレーナーは、競技者の気持ちや状況を理解することも重要になるため、自らもスポーツが好きというのは大事なポイントになってくるでしょう。

アスレティックトレーナーの雇用形態・働き方

雇用形態に関わらず資格が必要な場合も

アスレティックトレーナーとしてのフルタイム雇用は少なく、スポーツチームに関わる場合でも複数のチームをかけもちしたり、大会ごとに帯同したりする人も多いといわれています。

一方、鍼灸院や治療院などの医療機関に勤務する場合には、正社員として働ける求人も出ています。

アルバイトやパート、派遣で働くこともできますが、任される業務内容によっては雇用形態に関わらず、アスレティックトレーナーの資格や、柔道整復師などの国家資格が必要になることがあります。

アスレティックトレーナーの勤務時間・休日・生活

働き方や職場によって生活スタイルは異なる

アスレティックトレーナーとして大会ごとにチームに帯同したり、パートタイムで働く場合には、担当案件によって勤務時間や休日は変わってきます。

一方、企業に雇用される形態で勤務する場合は、勤務時間や休日は固定されることも多く、比較的安定していると考えられます。

ただし現状ではアスレティックトレーナーとしてだけで生計を立てるのが難しく、別の仕事を兼務する人も多いため、どのような働き方を選ぶかによって生活スタイルは変わってくるといえます。

アスレティックトレーナーの求人・就職状況・需要

医療機関で勤務する人が多い

現状としてはアスレティックトレーナーそのものの求人は決して多いとはいえませんが、トレーナー派遣会社に就職するのが安定した道のひとつといえます。

その他、アスレティックトレーナーの求人は接骨院や鍼灸院、治療院などの施術所、整形外科やスポーツクリニックなどの医療機関が多いでしょう。

治療をおこなう場合は柔道整復師、鍼灸師(はり師・きゅう師)、あん摩マッサージ指圧師といった国家資格が必要になります。

理学療法士の国家資格を所有していると、保健所や福祉施設などでの求人にも応募しやすくなるでしょう。

アスレティックトレーナーの転職状況・未経験採用

経験や実績を積み上げる努力が必要

アスレティックトレーナーとして、トップアスリートとの専属契約やプロのスポーツチームで働きたいと考える人は多くいますが、現実的にはこれらの求人は非常に少なく狭き門となっています。

実業団などのスポーツチームでも、フルタイム雇用は少ないのが実情です。

とくに未経験者の場合は、まず現場でさまざまな経験を積み、アスレティックトレーナーとしての専門性を磨いていく努力が求められてきます。

実績を積み上げてスキルアップすることによって、希望の場所へと転職できる可能性は高まるでしょう。

アスレティックトレーナーの現状と将来性・今後の見通し

現状は厳しい面もあるが、今後に期待が集まる職業

アスレティックトレーナーは、徐々に認知度が高まっている職業ではありますが、日本ではまだこの仕事だけで生計を立てている人は少ないといわれています。

パートタイムの雇用が中心など不安定な要素も大きく、仕事として続けるには厳しい面もあります。

しかし、国家資格をあわせ持つなどの工夫によって活躍のチャンスを増やすことはできますし、今後アスレティックトレーナーの有資格者が増えることで活動基盤の確立も期待できるでしょう。