「審判」とは

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各スポーツ競技のルールに従い、適正な判定を行いながら、試合をスムーズに進行させる。

スポーツの審判には、その競技のルールに従って、試合を厳格、かつスムーズに進行させる役割があります。

審判が「試合開始」を宣告しなければ試合は始まりませんし、審判の判定が勝敗に大きく影響します。

審判は極めて重要な存在ですが、日本で審判の収入だけで生活できるのは、プロ野球とサッカーの一部の審判だけです。

それ以外のスポーツは他に本職をもったり、アルバイトをしながら、少ない報酬で審判活動を行っているのが現実です。

審判になるには、その競技連盟(協会)が設けた資格を取得します。その資格に応じて審判のできる大会や試合が決まります。

競技経験はなくても構いませんが、競技やルールに対する深い理解力や集中力、体力、そして、高い人間性が求められる職業です。

「審判」の仕事紹介

審判の仕事内容

試合をスムーズに進行させる

スポーツの審判の仕事は、各競技のルールに則って、試合を厳格に、かつスムーズに進行させることです。

会場では、まず、試合場がルールに則って設営されているかどうかの確認をします。

また各チームから提出された出場選手も確認し、登録メンバーと出場選手の名前や背番号が合っているかどうかのチェックをします。

試合では、競技によって主審・副審・線審・塁審などに分かれ、ルールに従って、的確かつ公平に判定し、試合を進行させます。

選手が必要以上にエキサイトした場合も、選手をなだめ注意し、反則をとるなどして、スムーズに進行するように配慮します。

競技によっては、審判もフィールド内を走り回り、かなりの体力を必要とします。

日頃から、試合途中にスタミナ切れすることがないように体力を鍛えておくことも仕事の一つです。

審判の就職先・活躍の場

仕事にできるのは限られたスポーツのみ

現在、スポーツの審判でフルタイムの仕事として成立しているのは、プロ野球・相撲・一部の格闘技、そして競馬や競輪で判定に関わる仕事などに限られます。

それ以外の多くのスポーツでは基本的には無給の場合が多く、出場選手以外の選手やコーチなどが勤めることもあります。

世界的には、サッカーをはじめ人気プロスポーツの審判は選手と同じようにプロとして扱われるようになってきており、技術や知識が認められればオリンピックや世界大会で活躍する「国際審判」になることもあります。

審判の1日

プロ野球審判の1日

ここでは、プロ野球の審判の1日を紹介します。

10:00 起床

15:00 球場入り
球場には試合時間の2~3時間前に入ります。
その日使うボールを磨いたり、審判用具を揃えたり、試合の準備をします。

16:00 審判同士で打ち合わせ

17:00 確認作業
その日の登録メンバーやスターティングメンバーをチェックし、球場の特徴、球場ルールなどをもう一度確認します。

18:00
試合開始

21:30
試合終了

22:00 反省会
審判が集まってミーティング。
微妙な判定があった時には、ビデオを見て確認することもあります。
退場者が出た場合は、報告書を書きます。

審判になるには

2つの方法がある

競技によって差はありますが、日本で審判になるには、大きく2つの方法があります。

1つ目の方法は、サッカーやテニス、バレーボールの審判のように、協会が実施する講習会や筆記試験、実技試験などを受検して資格を取得するというものです。

サッカーの場合、審判としての収入で生活するには、日本サッカー協会から「プロフェッショナルレフリー」として認定され、プロの審判として契約する必要があります。

2つ目の方法は、プロ野球の審判やプロレスのレフリーのように、プロ野球機構やプロレス団体に採用されるというものです。

採用されると研修を受け、プロ野球なら2軍、プロレスなら前座試合から経験を積み、審判として評価されると大きな試合を任せられるようになります。

審判の給料・年収

生活できるのは一部のみ

審判は、試合の進行に欠かせない存在ですが、現在の日本において審判として生活できるのは、プロ野球の審判とサッカーの審判の一部だけです。

プロ野球とサッカーの一部審判以外は、ほとんどがボランティアなのが現状です。

大会や試合によっては、数千円の手当て、または交通費や食事程度は支給されますが、生活できるだけの収入を稼ぐことは難しいです。

プロ野球とサッカーの一部審判以外は、学校の先生や公務員、自営業者など仕事をしながら、またはアルバイトをしながら審判として活動しています。

審判のやりがい、楽しさ

名勝負の審判を務めること

審判にとって最高のやりがいは、「名勝負」と呼ばれるゲームに審判として立ち会うことでしょう。

審判にとって、何年も語り継がれるような名勝負の審判だったことは、大きな誇りです。

また、サッカーやラグビーでは、試合後、選手が審判と握手する光景が見られますが、これも審判にとって嬉しいことの一つです。

選手が審判と握手をしてくれるというのは、その試合の判定には満足していたという証拠で、大きなやりがいを感じる瞬間です。

審判のつらいこと、大変なこと

誤審ほどつらいものはない

審判にとって、最もつらいことは「誤審」です。

一度でもミスをすれば批判の対象となります。

とくに、プロ野球やJリーグの試合で誤審をすると、熱烈なファンから直接罵声を浴びることもあります。

誤審や微妙な判定の場合、審判自身も、それに気づいていることが多いそうです。

しかし、判定を下してしまえば、よほどのことがない限り、判定を覆したり、取り消したりすることはできないため、審判はこうした抗議に対しても、毅然とした態度を取らなければなりません。

審判に向いている人・適性

細部まで注意を払うことができる

審判は、そのスポーツが大好きな人、そして経験者であればなお適任です。

また、細部にまでこだわる人も、審判には向いています。

競技にもよりますが、ルールは、たいてい細かなところまで定めています。

また、ルールによっては、実際に起こりうるプレーと照らして見ないと、理解しにくいものもあります。

そういうルールを一つずつ分析し、実際のプレーのなかでどう運用していくか考えなければなりません。

こういう作業も、細部にまでこだわり完璧を目指すタイプの人であれば無理なく行えるでしょう。

審判志望動機・目指すきっかけ

スポーツに携わりたい気持ち

審判を目指す人は、とにかく「スポーツに携わりたい」という気持ちが強い人が多いです。

スポーツ経験者で「選手としては成績を上げられなかったが審判として試合に関わりたい」という人も少なくありません。

また、高校や大学でスポーツに触れ、「選手ではなく選手を支える側に回りたい」とスタッフである審判を志す人もいます。

いずれにせよ、スポーツを愛する気持ちや、スポーツに関わりたいという強い気持ちがあることは審判を目指すうえで大切なことです。

審判の雇用形態・働き方

本業を別に持ちながら働く人が多い

審判は、その競技により独自の資格や制度があり、実績を積みながら審判へと成長するのが一般的です。

しかしスポーツでの審判を仕事にできるのは一部の競技のみで、ほとんどは本業を別に持ちながらボランティアなどで協力するのが一般的です。

プロ野球など、不定期で審判を採用している団体はあるので、どうしても審判を目指したいという人は、所属するチームや団体から情報を集めたり、実際の審判に話を聞いてみたりするのもよいでしょう。

審判の勤務時間・休日・生活

プロ野球の審判の場合

プロ野球の審判は、現在、関東在住と関西在住を合わせて約60名います。

1カード(2試合から3試合)ごとに、5人1組の担当が決められ、試合ごとに主審や塁審、控え審判を担当します。

審判は、セ・リーグ、パ・リーグに関係なく、基本的には、関東在住の審判は北海道から中部地方で行われる試合、関西在住の審判は西日本で行われる試合を担当しています。

基本的には担当地区を周りますが、担当地区外に派遣される場合もあるため、シーズン中は全国各地を渡り歩く生活になります。

審判の求人・就職状況・需要

審判になれるのは一握りの人

サッカーの場合、審判としての収入で生活する「プロフェッショナルレフリー」は、1級審判員と女子1級審判員の中から優秀な人が選ばれます。

現在、約200名の1級審判員と女子1級審判員のうち、わずか約30名です。

プロ野球の審判になるには、「NPBアンパイア・スクール」を受講し、適性を認められれば、採用されますが、受講生約50人のうちの4人前後と言われています。

プロレスのレフリーも定期的に採用が行われているわけではありません。

そのため、審判になれるのは限られた人のみと覚悟しておいた方がよいでしょう。

審判の転職状況・未経験採用

審判からの転職

審判は基本的に、資格を持ち団体に所属しなければならないため、まったくの未経験や他業種からの転職は難しいといえるでしょう。

プロ野球の審判は、定年が58歳ですが、1年ごとの契約ですので、基本的には、何歳でも契約が更新されなければ、そのまま引退です。

サッカーの場合、W杯やオリンピックなど国際試合の審判を務める国際審判員の定年は、45歳となっています。

主審も副審も、試合中にゲーム展開に応じて走り回る必要がありますので、定年年齢も早めになっています。

引退後は、そのまま団体に所属する人もいれば、まったく違う職業に転職する人もいます。

審判の現状と将来性・今後の見通し

機械判定の導入が増える

ビデオやハイテクを使った判定については、賛成意見も、反対意見もありますが、現実には、大きな大会で誤審が起きるたびに、ビデオやハイテク判定の導入を求める声が高まります。

また、最近は、ビデオの性能が上がるとともに、ハイテク機器の導入費用も下がってきています。

どんなに技術が進歩しても、審判という職業がなくなることは考えにくいでしょう。

将来的には、それぞれのスポーツの特性に合わせ、審判の権威を損なわないように配慮しながら、ビデオやハイテク判定がより多くの場面で導入されると考えられます。