「健康運動実践指導者」の仕事とは

健康運動実践指導者の仕事内容

健康運動実践指導者は、生活習慣病の予防や高齢者の健康維持をはじめとする、すべての人が誰でも実践でき、安全かつ効果的な運動方法を提案、実践する専門家です。

人々の健康づくりを目的として作成された運動プログラムに基づいて実践指導を行います。

運動生理学や医学的な基礎知識の知識を持ち、それぞれの健康状態に合った運動プログラムの見本を見せながら、正しく安全に運動ができるように指導する役割を持っています。

健康運動実践指導者は、子どもから高齢者までさまざまな年齢の方へ運動方法を指導する職業です。

そのため、コミュニケーションをとりながら、正しい運動方法を伝えるだけでなく。運動の楽しさも伝える仕事といえるでしょう。

似た名前の資格に「健康運動指導士」があり、その違いをご説明しましょう。

健康運動指導士は、安全な運動プログラムを作成し調整をする役割を持っています。

一方、健康運動実践指導者は高い運動指導技術を持ち、見本を実際に見せることができる実践力があると証明する資格です。

健康運動実践指導者の就職先・活躍の場

民間ならスポーツクラブ、公共体育施設への就職も

健康運動実践指導者の就職先は、主にスポーツクラブやフィットネスクラブ、医療機関、福祉施設、公共体育施設、学校、保健所などです。

他にもパーソナルトレーナーとして独立し、フリーランスとして働く方もいます。

医療機関や公共体育施設などと比べ、スポーツクラブやフィットネスクラブなどの企業で勤務する場合、利用者に合わせて勤務時間が長くなる傾向があります。

健康意識が高まるなか、健康運動実践指導者のニーズもさまざまな就職先で広がっているといえるでしょう。

健康運動実践指導者1日

スポーツクラブに勤める健康運動実践指導者の1日

8:00 スポーツクラブへ出勤
営業準備に備え、今日のスケジュールを確認し、掃除も行います。

9:00~11:00 運動指導
高齢の利用者や女性の利用者に向けて、体操を組み入れた運動プログラムを行います。
その日の体調にも気づかい、指導していきます。

11:00~12:00 運動指導
アスリートの利用者に向けて、筋肉トレーニングのプログラムを取り入れた運動指導を行います。

12:00~13:00
昼食、休憩
利用者が途切れたタイミングで昼食をとります。
日によって、昼食の時間が早まったり、遅くなったりすることもあります。

13:00~15:00 事務作業
午後に来られる利用者の方向けの運動プログラムを見直し、どのように実践するか検討します。
お体の状況に合わせられるように、実践指導のパターンをいくつも用意しておきます。

15:00~19:00 運動指導
ダイエットを目的とした運動指導や筋肉トレーニングをメインとした指導など、個人に合わせて行っていきます。
17:00を過ぎると、帰宅後にトレーニングする利用者で施設がいっぱいになり、忙しくなります。

20:00 退社準備
利用者の運動指導を終え、片付けと明日の準備を行います。

20:30 退社
準備を終え次第、退社します。

健康運動実践指導者になるには

学歴以外にも、実務経験でも取得できる

健康運動実践指導者として働くには、「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が認定する健康運動実践指導者の資格を取得しなければなりません。

この資格を得るには、所定の養成校で学ぶか養成講習会の受講が必要で、講習会の受講には受験要件があります。

下記のいずれかを満たすことで、健康運動実践指導者の試験を受けることができます。

1.体育系短期大学、2年制の体育専修学校を卒業、もしくは同等の学校を卒業していること。

2.3年以上運動指導に従事した経験のある者

3.運動指導に関連する資格を有する者
(エアロビックダンスエクササイズインストラクター、スポーツプログラマー、フィットネストレーナー、ヘルスケア・トレーナー、アスレティックトレーナー、運動普及推進員など)

他にも、看護師、薬剤師、栄養士、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、介護福祉士などの有資格者、幼稚園教諭、小・中・高等学校教員免許をお持ちの方も受験資格が与えられます。

健康運動実践指導者の学校・学費

専門知識を身につけたいなら進学を

体育系短期大学又は2年制の体育専修学校に通う場合、入学金や施設費を含めて、初年度の学費が平均約110万円前後かかります。

学費はかかりますが、短大や体育専修学校であれば、筋肉などの体の構造から健康医学、予防医学、スポーツ医学など、さまざまな分野から運動方法を学ぶことができます。

短大や体育専修学校で学べば、より深い知識を身に付け活かすことができますし、実務を積み健康運動実践指導者の資格を取ることもできます。

健康運動実践指導者の資格・試験の難易度

試験合格率は80%

健康運動実践指導者の資格試験には、「指導実技試験」と「筆記試験」の2種類があります。

合格率は例年約80%となっており、難しい試験ではありません。

まじめに勉強すれば、参考書を使っての独学で十分に間に合うと考えられます。

指導実技試験は、4~5名を相手に運動指導を実際に行い、指導能力を審査します。

受験者は運動指導の種目を「陸上運動」と「水中運動」のどちらかを選ぶことができ、どちらを選択しても、レジスタンストレーニングと有酸素性運動の実技を行います。

筆記試験は、運動生理学や医学的な基礎知識についての5者択一形式の試験です。

試験はパソコンを使って解答します。

実技試験では緊張しやすいですが、日々の勉強を発揮して、自信を持って答えられるようにしましょう。

健康運動実践指導者の給料・年収

平均年収は300万円~400前後

健康運動実践指導者の平均年収は、300万円~400万円前後といわれています。

スポーツクラブなどの民間企業に勤めている方の平均月給は、20万円~30万円前後といわれています。

経験を積む、役職に上がる、独立をするなどでさらに年収を上げる方もいるようです。

民間企業だけでなく、医療機関、福祉施設、公共体育施設、学校などによって年収、月給に差がありますので、就職活動の際にしっかり求人票をチェックしましょう。

健康運動実践指導者のやりがい、楽しさ

運動を楽しむ姿がやりがいに

健康運動実践指導者のやりがいは、利用者が指導により健康の大切さ、運動の楽しさに気づき、自ら身体を動かす様子にやりがいを感じる方が多いようです。

子どもから高齢者まで、さまざまな利用者が継続的に運動に興味を持ってもらえるよう、その利用者に合った運動指導を実践することが大事です。

運動を通じて利用者がより健康的に変わり、笑顔が増えていくと、さらに仕事への喜びを感じることができるでしょう。

健康運動実践指導者のつらいこと、大変なこと

運動の楽しさを伝えきれないときも

健康運動実践指導者は、利用者の健康や運動に対する悩み、望みを伺い、実践的な運動指導に活かしていきます。

しかし、利用者の中にはあまり運動が好きでない方や、ゆっくり運動を進めたい方もいらっしゃいます。

無理に進めてしまうと、ますます運動が苦手になってしまう方もいますので、利用者とコミュニケーションをとりながら、楽しく話せる雰囲気づくりから始めましょう。

利用者から何でも相談してもらえるような信頼関係を築いていくことが大切です。

健康運動実践指導者に向いている人・適性

気持ちに寄り添いながら、運動の楽しさを伝えられる人

康運動実践指導者は、他人の気持ちに寄り添って考えることができる方に向いています。

健康に対してどんな課題を感じているのか、どんな運動がしたいのか、運動について不安なことはないのか、指導を始める前にしっかりヒアリングが必要だからです。

利用者がどんな気持ちで運動しているのか、気づく力が大切といえるでしょう。

相手の立場になって、どんな提案をしたら一緒に楽しんで運動をしてもらえるかを考え、利用者のペースに合わせて実践的な指導していきましょう。

健康運動実践指導者志望動機・目指すきっかけ

健康運動実践指導者を知ったきっかけも伝えよう

就職活動ではまず書類選考となり、履歴書や資格証のコピーなど必要書類を送ります。

面接まで進むことができるように、文章でも熱い気持ちを綴ってみましょう。

健康運動実践指導者はあまり知られていない職業ですので、どうやって知ったのか、目指すきっかけも伝えると、より志望動機が伝わりやすいでしょう。

また、フィットネスクラブなのか、医療機関なのか、教育機関なのかによっても、仕事内容が変わってきます。

応募前に相違がないように、業務内容を把握しておくことも大切です。

書類選考が通過すれば、次に実際に面接官と会い、いよいよ口頭で気持ちを伝える機会となります。

ご自身の思いを自己PRで伝えていきましょう。

健康運動実践指導者の雇用形態・働き方

広がるさまざまな働き方が

健康運動指導士の雇用形態は、一般的に正社員が多いですが、他にも契約社員、アルバイト、パートなど、さまざまな働き方があります。

アルバイト、パートの場合、時給1000円前後で求人票を出している企業が多いです。

雇用されるだけでなく、ご自身で独立してフリーランス(個人事業主)として働く、起業する方も増えてきています。

ただし、健康運動実践指導者の認知度はまだまだ低いため、パーソナルトレーナーやダイエットトレーナーという名前で仕事をしたり、健康教室を開いて独立したりする方が多いようです。

健康運動実践指導者の勤務時間・休日・生活

企業、公共体育施設はシフト制が一般的

企業や公共体育施設ともに、週休2日のシフト制が一般的です。

24時間営業のスポーツクラブ、フィットネスクラブなどは、さらに早番、中番、遅番、夜勤などで勤務時間帯が分かれることも多いです。

また、利用者の希望によって早朝出社したり、帰るのが遅くなったりこともあるため、多忙な職業といえるでしょう。

企業や公共体育施設と比べ、大学や短大などの教育機関は土日休みの固定休のため、働きやすいというメリットがあります。

健康運動実践指導者の求人・就職状況・需要

スポーツクラブ、フィットネス業界からの高い需要

公共体育施設、医療機関、福祉施設、学校からの需要もありますが、一番需要が多いのはスポーツクラブ、フィットネスクラブです。

人々の健康意識が年々高まっており、アスリート向けのスポーツクラブや高齢者向けのフィットネスクラブなど、さまざまな種類の民間施設が増加しています。

また、近年ではダイエットへの関心が高まり、ダイエットトレーナーとして勤務する、もしくは独立する方も増えてきています。

さまざまな勤務先を見学して、ご自身に合った就職先を探しましょう。

健康運動実践指導者の転職状況・未経験採用

健康意識が高まりスポーツクラブ、フィットネスクラブなどの企業では、健康運動実践指導者のニーズが拡大しています。

そのため、人員不足から他の職場へ転職しやすい傾向にあります。

人員を一人でも多く採用するため、どの企業でも未経験者かつ無資格者の募集が増え、熱意があれば入社しやすくなっています。

入社後は実務経験を積み、働きながら健康運動実践指導者の資格取得を目指す方が多くいるようです。

資格取得により、資格手当てがもらえる企業もあります。

健康運動実践指導者の現状と将来性・今後の見通し

健康への関心が高まり、ニーズ拡大

高齢化社会の進展、生活習慣病の増加、健康への意識が高まり続けていることから、運動の重要性を考えた事業を行う企業が増加しています。

専門知識を持って人々に正しい運動の指導、実践できる力を持った健康運動実践指導者のニーズは増え、企業、医療機関、福祉施設、公共体育施設や教育機関と幅広く、活躍できる職場が広がり続けています。

現時点では認知度はあまり高くない職業ですが、健康意識の上昇から、今後ますます知名度が上がっていく職業でしょう。