「騎手」とは

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競走馬とトレーニングをしながらコンディションを調整し、レースで勝利を目指す。

騎手とは、競走馬を操り各地の競馬場で競馬レースをする人のことを言います。

騎手の中には、中央競馬の騎手と地方競馬の騎手があります。

それぞれの騎手になるためには専門の養成学校に通い、国家試験である騎手試験に合格しなければなりません。

騎手養成の専門学校に入校するには、中学校卒業程度の学科試験と体重、視力などの基準をクリアする必要があります。

平均的な騎手の収入は1000万円と高く、騎手になりたいと考えている人も多くなっているようです。

騎手は競馬レースで獲得した賞金の5%程度をもらい、そのほかにもレースに出走することでもらえる手当や所属する厩舎での業務で手当てをもらっている騎手もいます。

騎手の大半が男性ですが、女性騎手もだんだんと増えてきています。

「騎手」の仕事紹介

騎手の仕事内容

競馬のレースで賞金をゲット

騎手の仕事は、競走馬に騎乗して競馬のレースに出場することです。

最大18頭で着順を競い、入賞すると着順に応じて賞金がもらえます。

競馬のレースには、「平地競走(通常のレース)」と「障害レース」、競走馬がソリを曳きながら力やスピードを競う「ばんえい競馬」があります。

たとえば、平地競走で3歳馬の日本一を決める「日本ダービー」は東京競馬場で開催され、18頭立てによる2400メートルで争われます。

賞金総額は、3億円です。

1着馬には2億円が贈られ、その5%の1000万円が騎手の取り分となります。

「重賞」と呼ばれる大きなレースで優勝すれば、たった1レースで1000万円の賞金を手にできるのが騎手という仕事です。

騎手の就職先・活躍の場

JRAかNARに所属

騎手免許は、中央競馬会(JRA)と地方競馬全国協会(NAR)がそれぞれ交付します。

そのため、騎手が騎手免許の交付を受けると、JRAかNAR、いずれかの所属となります。

前者の場合は茨城県の美浦と滋賀県の栗東にトレーニングセンターがあり、どちらかの所属先が騎手の勤務地となります。

後者の場合、騎手はまず、北海道日高町の門別競馬場から佐賀県鳥栖市の佐賀競馬場まで全国に15ヵ所ある地方競馬場に所属します。

騎手の1日

レースがない日のスケジュール

03:00 起床
04:00 馬の調教を開始
09:00 調教終了
09:30 朝食
10:30 厩舎の作業を手伝う
13:00 昼食休憩
14:00 フリータイム
21:00 就寝

レースのない日、騎手は早起きをして朝の4時、5時頃からレースで騎乗する馬を中心に調教を行います。

競馬界は朝が早く、調教は9時頃には終わってしまいます。

厩舎に所属する騎手は、調教後も厩舎の作業を手伝います。

馬とふれ合うことも大切な勉強のひとつなのです。

騎手になるには

競馬学校に入学して勉強を

騎手免許の試験を受けるには競馬学校の騎手過程に入学して勉強しなければなりません。

入学条件は、中学卒業以上で、「20歳以下(地方競馬)」あるいは「20歳未満(中央競馬)」です。

さらに年齢によって体重に制限があり、「44.0㎏以下」から「46.0㎏以下」まで細かく区切られています。

両方の条件をクリアし中央競馬や地方競馬に設置されている競馬学校の入学試験に合格すると、騎手になるための教育を受けられます。

騎手の学校・学費

JRA競馬学校と地方競馬教養センター

競馬学校は、中央競馬と地方競馬のそれぞれに設置されており、中央競馬が「JRA競馬学校(千葉県白井市)」で、地方競馬が「地方競馬教養センター(栃木県那須塩原町)」です。

JRA競馬学校は3年間、地方競馬教養センターは2年間通います。

競馬学校に入学できなくても、厩舎に就職して調教や騎乗を習い騎手免許試験を受ける方法はありますが、競馬関係の法律や馬に関する学問を独学で勉強するのはあまり現実的ではありません。

騎手の資格・試験の難易度

高倍率の入学試験

競馬学校にはJRA競馬学校と地方競馬教養センターがありますが、入試倍率はどちらも10倍前後と狭き門です。

一般的にはJRA競馬学校に合格する方が難しいといわれており、先に実施されるJRA競馬学校の受験で不合格になってから地方競馬教養センターの入試を受ける受験生が多いようです。

どちらの入学試験でも馬に乗る審査がありますが、乗馬技術のレベルより騎手としての適性や馬に対する態度などが審査対象となります。

騎手の給料・年収

騎手の実力に応じて高収入に

中央競馬会の騎手は、平均年収が1000万円といわれています。

実力のある騎手になると、年収も2000万円以上になります。

有名な騎手の場合は、イベントやテレビ番組、CMへの出演料、さらに本を出版したときの印税やグッズの売上げなどで、1億円を超えることもあります。

その一方で、地方競馬の騎手はトップクラスでも年収は500万〜600万円といわれており、地方競馬のレース出場手当ては、レースによって数千円が相場です。

騎手のやりがい、楽しさ

伝統ある競馬の担い手として

競馬は、3〜4世紀頃の古代ローマ時代には始まっていたようです。

ローマに大きな競技場が建設され、戦車を引いた馬の競走が行われていました。

日本で本格的に競馬が行われるようになったのは大正時代のことですが、競馬には長い歴史があり、現在は世界約50ヵ国で行われています。

騎手という職業には、古くから世界で行われている競馬の担い手の一人になり1700年以上受け継がれてきた競馬文化を受け継ぐというロマンがあります。

騎手のつらいこと、大変なこと

厳しい体重管理がマスト

騎手が苦労するのは体重管理です。

競走馬が人間を乗せて走ることは大きな負担になるので、騎手は体重を50キロ前後で維持しなければいけません。

50キロを大きく上回るようになれば、騎乗機会が減り、収入も減ってしまいます。

長く活躍していくためには、好きな食べ物やお酒を我慢して自分なりの体重管理法を見つけ、体重を50キロ前後で維持することが必要不可欠です。

体型的に脂肪がつきやすい女性にとっては特に努力が必要です。

騎手に向いている人・適性

小柄で運動能力が高い人

競馬騎手に向いている人としては、前提条件として、身長や体重が小柄で運動能力が高いこと、馬に乗るのが好きなことの2点があります。

さらに競馬は最大18頭で着順を争うレースですので、競争心、闘争心の強い人でなければ勝つことができません。

落馬事故で怪我をすることや脚や腕を骨折することも珍しくないので、馬に乗ることが少しでも怖いと思っていては騎手は務まらないでしょう。

強い気持ちの持ち主であることが重要です。

騎手志望動機・目指すきっかけ

馬が大好きな気持ちをアピール

中央競馬のJRA競馬学校、地方競馬の地方競馬教養センターのどちらも、入学試験では面接があります。

面接では必ず自己PRとともに志望動機が問われます。

志望動機は、「馬が好きだから」でも「競馬を見て感動したから」でも「小さい頃から乗馬に親しんできたから」でも構いません。

騎手は常に競走馬と一緒に行動しますから、馬好きでなければ務まらないのです。

とにかく馬が大好きという気持ちが伝わることが何よりも大切です。

騎手の雇用形態・働き方

フリー騎手になることも

騎手免許は、中央競馬会(JRA)と地方競馬全国協会(NAR)がそれぞれ交付しており、騎手も、JRAかNARのいずれかの所属となります。

JRAの騎手の場合は、厩舎から独立して「フリー騎手」になることもできます。

JRAへの届け出が必要ではありますが、フリー騎手は騎乗依頼を仲介する「エージェント」に依頼をすることで、実力のある騎手が人脈やしがらみに左右されることなく強い馬に乗れるというメリットがあります。

騎手の勤務時間・休日・生活

レース前日から外部と接触禁止に

騎手の生活は競馬レースが中心です。

中央競馬では、競馬レースは土、日、地方競馬では平日に行われます。

騎乗が決まっていれば、レース前日に「調整ルーム」と呼ばれる宿泊施設に入ります。

調整ルームでは、携帯電話(スマホ)を預け、外出はもちろん、新聞やインターネットを見ることも禁止です。

公正な競馬レースを行うため、また、騎手のコンディションを整えるため、レース直前の騎手は外部と接触できない状態に置かれます。

騎手の求人・就職状況・需要

募集が少ない厳しい現実

騎手免許の試験を受けるためにまず競馬学校に入学するのが一般的なルートですが、競馬学校の募集人数は非常に少ないという現状があります。

JRA競馬学校の場合、毎年約150名が受験し、合格者は10名前後です。

また、地方競馬教養センターは、毎年約150名が受験し、合格者は10〜15名です。

人気の高い職業であるだけに、今後もこのような高倍率の入試を突破しなければ競馬学校に入ることはできないと考えておいてよいでしょう。

騎手の転職状況・未経験採用

年齢や体重に厳しい制限

騎手は非常に人気の高い職業です。

競馬学校の入学希望者は、学力と運動能力、集団面接などの試験を受けることになりますが、試験の倍率は10倍前後で狭き門となっています。

さらに体重や年齢に関して厳しい制限があるので、未経験者が転職で目指す場合はそもそも自分が条件を満たしているかどうかを事前に確認する必要があります。

騎手は、大人になって社会人生活を経験してから転職で目指すことができる業界ではないのです。

騎手の現状と将来性・今後の見通し

経済状況に左右される業界

競輪、競艇、オートレースと同じように公営ギャンブルにカテゴライズされる競馬の収益は、どうしても日本経済の状況に左右されてしまいます。

経済状況が改善されなければ地方競馬の運営はますます厳しくなると予想されますが、公営ギャンブルとしての競馬がすたれることはないでしょう。

日本の経済がよくなれば、また活発になるでしょうし、反対に経済が低迷すれば、廃止される地方競馬や規模の縮小の可能性はあるかもしれません。