助産師国家試験の難易度・合格率
助産師国家試験とは
助産師国家試験の合格率は高い
助産師として働くためには、看護師国家試験の合格者に与えられる「看護師資格」と、助産師国家試験の合格者に与えられる「助産師資格」の、2つの免許が必要です。
助産師国家試験を受験する際には、看護師免許(取得見込み含む)を有することが受験資格となっています。
令和6年度の試験結果を見ると、看護師国家試験の合格率は90.1%(うち新卒者95.9%)、助産師国家試験の合格率は98.9%(うち新卒者99.3%)となっています。
これらの結果からもわかる通り、いずれも新卒者の合格率は90%超と高く、養成課程でしっかり勉強をして臨めば合格する可能性は高いでしょう。
助産師国家試験の試験内容としては、筆記試験で基礎助産学、助産診断・技術学、地域母子保健及び助産管理が問われます。
しかしながら、既卒者の合格率は看護師国家試験では44.9%、助産師国家試験では69.2%と、新卒を大きく下回る結果となっています。
しっかりした対策と勉強が必要な試験であることは間違いありません。
「助産師国家試験」の受験資格
助産師国家試験の受験資格を得るためには、看護師国家試験の受験資格取得後、1年以上必要な学科を修めることが必要と定められています(保健師助産師看護師法)。
助産師になるにはさまざまな教育課程があります。
2年間で学ぶ大学院や1年間で学ぶ専攻科、大学の看護学部や看護学科に併設された大学別科、専門学校や専修学校などがあります。
また、4年制大学の看護学部や看護学科では、学部の4年間の中で助産コースを選択し、看護師免許取得と同時に助産師の資格を取得することもできます。
しかしこのルートは学内選抜で5~10名程度と狭き門となっていることが多く、早い段階で助産師をキャリアパスの先に描き、準備をすることが必要になります。
通常は、下記の学校を卒業・修了すると助産師国家試験の受験資格が得られます。
- 助産専門学校に進学する
- 産課程がある4年制大学で選抜試験に合格し、必要な単位を取得する
- 4年制大学看護学部、看護学科などの助産学専攻科に進学する
- 助産課程のある大学院や助産専門職大学院に進学する
- 助産課程の大学別科に進学する
- 短期大学の助産学専攻科に進学する
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助産師国家試験の難易度、合格率は?
助産師国家試験の受験者数が増え、近年は90%後半の合格率となっていますが、以前は100%の年もありました。
つまり、基本的には落とすための試験ではないといえます。しっかりと1年かけて助産師の勉強をまじめにやっていれば合格できる難易度です。
では、合格率が低い年があるのはなぜでしょうか?
この理由として、大学での助産師コースが増えたことにより「一応、助産師の資格もとっておこう」という軽い考えの学生が出てきたこと、また、看護師・助産師・保健師の国家試験の日程が近いため、助産師国家試験の勉強がおろそかになってしまっていることが考えられます。
なお、助産師国家試験に合格していても、看護師国家資格に不合格だった場合、助産師の免許を受け取ることはできません。
助産師国家試験の難易度
助産師国家試験では、基本的に学校で学んできた内容と実習で学んだことが出題されます。
しかし時々、医師国家試験の問題のような難題が出題されることもあります。
そのような問題は他の多くの受験者もわからないはずですから、正答できなくてもしっかりと基礎をおさえてさえいれば合格できるようになっています。
出題の傾向としては、状況設定問題に配点が多くおかれる傾向があるため、文章読解能力が低いと問題を間違えて読んでしまい、大量に失点してしまう可能性があります。
文章をしっかりと読んで状況を想像する能力が必要です。
また、わざと惑わせるような問題も出題されるため、落ち着いて回答する集中力も必要といえます。
また、マークミスをしない、時間配分を考えるなどの試験対策としての練習も不可欠です。
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助産師国家試験の受験者・合格率
助産師国家試験受験者数の推移
助産師試験の受験者数は、2,000人前後で推移しています。令和6年度の受験者数は2,050人となりました。

助産師国家試験合格率の推移
助産師試験の合格率は、高い数字で推移しています。令和6年度の合格率は98.9%となりました。

令和6年度 助産師国家試験新卒・既卒受験者・合格率
令和6年度の助産師国家試験の受験者数は、新卒が2,024人、既卒は26人で比率にすると、新卒98.7%、既卒1.3%です。
合格率は新卒の方が高く、新卒99.3%、既卒69.2%となっています。

令和7年度 助産師国家試験の概要
| 試験日 | 令和8年2月12日(木曜日) |
|---|---|
| 試験地 | 北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県及び沖縄県 |
| 受験資格 | 文部科学大臣の指定した学校において1年以上助産に関する学科を修めた者(令和8年3月13日(金曜日)までに修業する見込みの者を含む。)など |
| 受験手続き | 受験に関する書類は、令和7年11月7日(金曜日)から同年11月28日(金曜日)までに助産師国家試験運営本部事務所及び各地の助産師国家試験運営臨時事務所に提出すること。 |
| 試験科目 | 基礎助産学、助産診断・技術学、地域母子保健及び助産管理 |
| 合格率 | 98.9%(令和6年度) |
| 合格発表 | 令和8年3月24日(火曜日)午後2時に厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページにその受験地及び受験番号を掲載して発表 |
| 受験料 | 5,400円 |
| 詳細情報 | 厚生労働省 助産師国家試験 |

































