完全在宅でもできる仕事
イラストレーターはフリーランスで働いている人が多く、電話(あるいはIP電話)やメール、あとは郵便物のやり取りによって、完全在宅でも仕事をすることができます。
クライアントとは、たまに顔を合わせての打ち合わせもありますが、それはイラストレーター自身がその企画の主役になるなど、ものすごく重要な案件のときのみであることが一般的です。
そういう場合ですら、顔合わせは最初だけで、あとはメールや電話で、という場合がほとんどです。
たとえば、自分名義の漫画の本を出版するケースでも、一最初だけは編集者さんと顔を合わせたものの、それからは電話をすることもなく、メールと郵便物だけですべての工程が完了するようなケースもあります。
完全在宅の具体的な実例
郵便物は、契約書や校正の確認のやり取りで利用します。
校正の確認は、「初校」「再校」「色校」といった形で何度か送られてきます。この段階では、もう印刷所の印刷の日程などもすべて固まっているため、1日の遅れも許されません。
そのため、イラストなどを描いていた本作業中よりも、この時期のほうがレスポンスを早くする必要がありますので、校正を受け取ったら、チェックしてその日のうちに返送するという流れになります。
やりとりの中心はメールを利用することになるでしょう。
ただし、イラストのファイルはどうしてもサイズが大きくなるため、やり取りの際には大容量ファイルを送ることができる「ファイル転送サービス」を使うことが多いです。
このほか、Zipファイルに圧縮する方法や、必要最低限のファイル管理に関わる知識は持っておきましょう。
完全在宅で働く人の生活スタイル
完全在宅で仕事をすることになると、どうしても生活リズムが崩れやすく、朝起きるのは遅くなりがちです。
また、外に出る時間や運動時間も少なくなりがちであるため、イラストレーターになる前から、自然に運動をしたくなるような習慣をつけておいたほうがよいでしょう。
日々の健康管理も、在宅で働く人にとってはとても重要なことです。
イラストレーターになってからその習慣をつけるのは、結構難しいです。
今運動する習慣がすでにある人は、ぜひそれを大切にしましょう。
完全在宅のメリットと今後
完全在宅のメリットは、いつでもどこでも仕事ができる点です。
会社勤めの人とは異なり、毎日決まった時間に出勤する必要はありませんし、通勤ラッシュに揉まれることもありません。私生活と仕事を両立させやすいともいえるでしょう。
とくに最近は、iPadの画面に直接タブレットで絵を描くイラストレーターも増えています。
そういう人であれば、もう自宅にいる必要もなく、旅行先やそこらのカフェでも、シャカシャカ絵を描いてその場でクライアントに納品できます。
ITの進歩により、在宅での仕事は以前にも増してしやすくなっているといえるでしょう。
在宅のデメリットもある?
ただし、在宅で働くからこその悩みもあります。
まずは先に挙げた通り、生活リズムの乱れが考えられます。運動不足から太ってしまったり、体力が衰えやすくなるかもしれません。
いつ仕事をするもしないも自由であるため、自分で生活をコントロールすることは、会社勤めの人以上に重要になってくるでしょう。
また、他人と顔を合わさずに仕事をすることが多く、孤独感を抱いてしまったり、人とのコミュニケーションが希薄になる可能性があります。
同僚や仲間に囲まれて仕事をしていたいタイプの人には、完全在宅のほうがストレスを感じやすいかもしれません。