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版画家とは?

版画家は、木や銅、石、アルミ板などの版材に彫刻などの細工をして製版し、絵具やインクの転写や透写によって複数の絵画を制作する「版画」を制作し、生計を立てる人のことをいいます。専門的な技法を身につける必要があるため、美術系の大学や短大、専門学校で学び、卒業後に版画家として活動を始める人が大半です。ただし、才能がすぐに認められるとは限らず、創作活動以外にスクール講師や学校の美術教師として働いている人も多くいます。専業でこの仕事をしていくのは大変なことですが、若手であればまずは画廊で作品を展示できるようにし、段階を経て、展覧会が行われるデパートへ自ら企画書を持ち込むなどの営業をすることで活躍の場は広がるでしょう。

版画家の仕事内容

版画家の仕事は版画を制作することです。

版画とは木や銅、石、アルミ板などの版材に彫刻などの細工をして製版し、絵具やインクの転写や透写によって複数の絵画を制作する技法や絵画のことです。

芸術作品あるいは絵本・イラストレーションの原画として、装丁家やデザイナー、イラストレーターと共同で制作します。

凸版画(木版画など)、凹版画(銅版画など)、平版画(リトグラフ)、孔版画(ステンシル、シルクスクリーンなど)といった技法があります。

「凸版画」の版材は木材やゴムなど。浮世絵は木版画の一種です。

「凹版画」はおもに銅版画で直接法と間接法(エッチングなど)があります。

「平版画」は石やアルミ板に水と油の反発作用で装画、製版、刷りを行います。

シルクスクリーンはメッシュを利用します。

版画家になるには・必要な資格は?

版画家になるためには美術の道に進むのが一般的です。

美大系の入学試験は学科試験のほかデッサン(描写)や平面構成(色彩)などの実技試験が実施される場合があります。

美術科高校もありますが、入試対策で美大予備校に通う普通科高校生が多いでしょう。

必須ではありませんが、大学で美術教師の教員免許を取得する人も多いでしょう。

大学以外に短大や専門学校、教室で版画を学ぶ人もいますが、いずれにしても絵画の基礎を身につける必要があります。

版画作家のほか絵本作家、イラストレーターとして活躍する人もいます。

公募展で入賞すると、開催団体の会員資格を得てプロとしての地位が確立されます。

公益社団法人「日展」「二科展」、公益財団法人「日本美術院」開催の「院展」などがあります。

版画家に向いている人

版画家として活動するためには、公募展に出品したり、画商へ持ち込んだりするために旺盛な創作活動が欠かせません。

才能が認められるまで長い期間を要する場合がありますので、忍耐力や持続力がある人は版画家に向いています。

芸術家としての観察力やデッサン力に優れた人、手先が器用で緻密な作業が好きな人は適性があるでしょう。

絵本作家やイラストレーターとして、または共同で版画を制作することもあります。

純粋芸術のみならずデザイン系で活躍するためには、「デジタル版画」という新しい技術を習得するのもひとつの方法です。

独創的なアイデアの持ち主も版画家に向いています。

版画家の就職状況・雇用形態

芸術家としての版画家はフリーランスです。

ただし作家活動だけで生活できる人は非常に少ないため、中学・高校などの美術教師として公務員になったり、版画・絵画教室を運営したり、カルチャースクールで講師として勤務したりする人も多くいます。

大学で版画を専攻した人は卒業後、ゲームやアニメーション、漫画、キャラクター関連の企業に正社員として就職することが多いという現状もあります。

また絵本作家やイラストレーターとして版画を含めて幅広く活躍をする人もいます。

公募展で繰り返し入賞したり、画商に認められて展覧会を開催したりしなければなかなか仕事につながりませんので、版画家になるのは非常に狭き門であるといえるでしょう。

版画家の給料・年収・待遇

版画家は副業、兼業で活動する人がほとんどです。

版画そのものの作品単価は数万円から数百万円と非常に大きな幅があります。

ロートレックの石版画(リトグラフ)や棟方志功の板画など、歴史的な人気作品は非常に高値で取引されることもあります。

ただし存命中の一般的な作家の作品単価は数万円から10万円程度が平均的で、人気作品は20~50万円程度です。

ほとんどの版画家は美術教師や版画講師、一般企業の正社員としての給料がおもな収入源です。

絵本作家やイラストレーターとして活躍するなど副業がある場合はその収入に準じます。

版画家の生活・勤務時間・休日

多くの版画家は兼業作家のため、ライフスタイルは個人によって異なります。

中学・高校の美術教師や一般企業の正社員として勤務する場合は、作家活動は土日祝や平日の夜間という非常に限られた時間になります。

版画・絵画教室の指導者やカルチャースクールの版画講師との兼業の場合は、フルタイムの別仕事がある人より作家活動の比重が高まります。

絵本作家やイラストレーターとして活躍する人は必ずしも版画ばかりとは限りませんが、創作活動に専念できるでしょう。

版画を生業とする版画作家は展覧会に応じて作品を制作する日々です。作品のおもな販売場所は展覧会を開催する画廊(ギャラリー)やデパートになります。

大企業から制作を依頼されることもあり、その際は企画の打ち合わせや企画書の作成も行います。

版画家の現状と将来性

現状としては版画を生業とする人は非常に少ないのが現状ですが、版画家として生計を立てたいのであれば本業に力を注ぐ必要があります。

非常に狭き門ではありますが、芸術作品の需要と供給の歴史や美術市場の現状などに関する「アートマネジメント」を学ぶことによって版画家として成功する確率は高まります。

デパートで展覧会を開催できるのは大御所になってからという風潮があります。しかし売上を伸ばすためにはデパートが主戦場です。

若手であればまずは画廊で作品を展示できるようにし、段階を経てデパートへ自ら企画書を持ち込むなどの営業をすることで活躍の場は広がるでしょう。