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彫金師とは?

彫金師は、鏨(たがね)という工具を使って金属を彫る「彫金(ちょうきん)」の技術により、ジュエリーやアクセサリーなどの装飾品、仏具や家具、建築物などの飾り金具を製作する仕事です。シルバーアクセサリーのアーティストやジュエリーデザイナーとして活躍する人もいます。専門技術を要する仕事であることから、大学や専門学校などで工芸(とくに彫金)の技術を身につけるとよいでしょう。ただし、就職先の選択肢は決して多くなく、彫金師のもとへ弟子入りしたり、宝石メーカーでジュエリー製作に携わったりする人が多いようです。見習い中は月収10万円ほどからスタートすることも珍しくありません。この仕事で一人前になるまでは長い時間がかかるため、十分な覚悟を持っておく必要があるといえます。

彫金師の仕事内容

鏨(たがね)という工具を使って金属を彫るという「彫金(ちょうきん)」の技術により、ジュエリーやアクセサリーなどの装飾品、仏具や家具、建築物などの飾り金具を製作するのが彫金師の仕事です。

伝統工芸の職人またはシルバーアクセサリーのアーティストやジュエリーデザイナーとして活躍する人もいます。

ジュエリーであればまずは糸鋸(いとのこ)や木槌(きづち)、金槌、プライヤーなどを用いて、地金を切ったり叩いたり曲げたりする金属加工を行います。

バーナーの火で溶かして接着する「ロウ付け」や「ヤスリがけ」という研磨、タガネによる「透かし」「彫り」「打ち出し」「象眼」などの彫金技術を施し、宝石の「石留め」を行います。

製作以外のデザインや販売も行い、彫金教室の指導者となる人も多いでしょう。

彫金師になるには・必要な資格は?

彫金師になるために必須の資格や学歴はありません。

ただし彫金の技術を身につけるためには日々の努力と長年の経験が欠かせません。そのため大学や専門学校、彫金教室などのスクールで学んだほうがいいでしょう。

大学の場合は芸術・美術系のなかでも工芸さらに彫金を専攻することになります。

芸大・美大系の入学試験は学科試験のほかデッサンなどの実技試験が行われることもあるため、高校生のうちから美術予備校に通うなどの入試対策が必要です。

また彫金教室の指導者を兼任することも多いため、ロストワックス技法やシルバークレイ(銀粘土)など彫金以外のアクセサリー製作も学ぶべきでしょう。

ある程度の技術が身についたら彫金工房や宝石メーカーに就職するか、彫金師に弟子入りするのが一般的です。

彫金師に向いている人

彫金師の多くは非常に小さなアクセサリーにとても細かい細工を施します。

手先が器用で繊細な審美眼、豊富な創作意欲、個性的なオリジナリティがある人は彫金師に向いているでしょう。

個人差はありますが、彫金の技術とくに地金加工を自分のものにするためには、1日8時間の作業を少なくとも3年から5年は続けなければなりません。

高度な技術者になるためには10年かかるという話もあります。

途中で挫折して彫金を趣味に留める人も多く、プロの後継者が不足している現状もあります。並外れた忍耐力や強い意志をもつ人、根気強い人は彫金師の適性があるでしょう。

彫金師の就職状況・雇用形態

彫金師として活躍するためには長い年月をかけて経験を積む必要があるため、彫金工房や宝石メーカーに就職するのが一般的ですが、求人自体、極めて少ないでしょう。

彫金師のもとにアシスタントとして弟子入りする人もいます。

宝石メーカーの場合は、彫金師の募集は少なく、デザインを含めたジュエリー製作全般の求人が多いでしょう。

雇用形態は正社員、契約社員、アルバイトとさまざまです。彫金工房や彫金師のもとで見習いをする場合はおおむねアルバイトから始まります。

コンテストに入選するなど実績が認められると、フリーランスの作家として独立開業する人もいます。

最近ではシルバーアクセサリーのアーティストとしてインターネットなどを活用して自ら販売することから活動を始める若手の彫金師が増加しています。

彫金師の給料・年収・待遇

彫金師が扱う貴金属は高価なものであり、高騰が続いていて貴金属業界全体が低迷しているという現状があります。

東京都の御徒町や山梨県の甲府市にはジュエリー産業が栄えてきた歴史があり、彫金関係の企業や工房も多数存在します。

伝統工芸の彫金師は見習いとして弟子入りするのが従来のあり方で、現在はアルバイトとして時給1,000~1,500円程度、月収10万円程度から始まることが多いでしょう。

正社員は月収20~50万円程度と腕前により幅がありますが、職人にボーナスは通常ありません。

宝石メーカーの製作部門に正社員として就職するとボーナスはありますが、初任給は15万円程度です。

勤続年数10年で一人前になりますが、給料が安いままで生計を立てるのは難しいためジュエリー製作のみで10年続く人は2割程度しかいないともいわれています。

彫金師の生活・勤務時間・休日

宝飾メーカーの製作部門に正社員として就職した場合は、土日祝の週休1~2日制で1日8時間労働が基本になります。

夏季や年末年始、有給などの休暇も定められていますが、実際には残業や休日出勤も多いでしょう。

一般的には研磨作業を3年間担当したあと修理部門に配属になるなど、ジュエリー製作がひととおりできるようになるまでには10年かかります。

それも毎日8時間、製作に従事した場合ですから、現実的には休みなく彫金作業を行うことが多いでしょう。

彫金工房に勤めるか、彫金師に弟子入りした場合も、勤務時間や休日は決まっていても彫金に明け暮れる毎日でしょう。

独立してアーティストとして活躍する人は展覧会などを行うこともあります。

また彫金教室を運営したり指導者として勤務したりする人もいます。

彫金師の現状と将来性

彫金の技術を用いて彫金師が製作するものはジュエリーやアクセサリーばかりではなく、燭台や食器、仏具や家具、建築物などの飾り金具などもあります。

ただし伝統工芸の場合は依頼を請け負う工房や彫金師がほとんど定まっています。

そのため弟子入りして技術を学ぶことになりますが、一人前になるまで10年かかり、安い給料でほとんど休みがないなど、よっぽどの覚悟がないと続かない職業です。

また宝石メーカーに就職した場合でも製作ひと筋であれば状況はあまり変わりません。

しかも宝石や貴金属業界が不況のため求人そのものが非常に少なくなっています。

ただし趣味としてのシルバーアクセサリー作りは人気が高まっているため、彫金教室やインターネット販売に携わる彫金師が今後はますます活躍するでしょう。