絵師の仕事内容、なるには、資格、給料、求人

絵師の仕事内容

絵描きとは違う特殊な職業

絵師という職業は、簡単に説明してしまうと絵を描いて収入を得ている人を指す言葉です。

しかし、絵師という言葉自体にはさまざまな内容を含んでいるので、職業としていろいろな要素を総称した説明でしかありません。

絵を生業とするのならば、絵描き(イラストレーター)との違いはなんなのか?など線引きはかなりあやふやなものとなっています。

絵師とは、職種というよりも呼び名として使われていた時間が長いからです。

以前は、プロとしての活動をしていない人に対して使われていたり、インターネット上に作品を発表している人への賞賛の肩書きとして使われてました。

ですが、SNSやニコニコ動画、pixivなどのイラストの発表の場が充実したことや、ゲームアプリの登場でイラストレーターの需要が広がり、絵師と呼ばれる層も変わってきています。

現在では、ゲームアプリのキャラクターデザインやライトノベルの挿絵などオタクカルチャーに絵で関わっている人を指すことが多いようです。

絵師の就職先、活躍の場

兼業・フリーランスが絵師の基本

絵師は、フリーランスとして契約して、兼業である人がほとんどです。

ゲームアプリ、ライトノベルの表紙、サブカルチャー関連の雑誌や書籍、オタク層の取り込みを意図したデザインのイラスト作成などが絵師の主な活躍の場になりますが。これは商業的にみるとという注釈が入ります。

同人誌を発行する同人としての活動だけでなく、インターネットに作品を投稿してファンから賞賛を受けることも絵師の醍醐味になります。

商業的な活動ではなく同人活動の成果で兼業ではなく、「絵師」だけの収入で生計を立てている人もいますが、それはほんの一握りです。

絵師の1日

スケジュールによって大きく変化

兼業が多い絵師のスケジュールは、本業の時間は創作活動に当てることができません。

終業後が創作活動に当てられる時間になります。

1日のスケジュールに関しては、兼業の絵描き(イラストレーター)と変わることはありません。

6:00 起床から出社
出社までの通勤時間にスマホを情報を収集します。今どのような作品が人気なのか?どのようなシチュエーションで絵を描くと注目されるかなどを調べます。

9:00 本業の就業時間
出社後は本業の業務をこなします。

18:00 終業
会社での仕事を終えて帰宅します。朝に調べた情報などをもとにイラストを作成し、インターネットに投稿します。

商業の依頼がある場合は、これらの作業にも対応します。

また、コミックマーケットなどのイベント前の締め切り期間には、本業で有給をとって絵師としての創作活動に集中する人もいます。

絵師になるには

絵のスキルと自己プロデュースが大切

絵師には、特別な資格や学歴が必要な仕事ではありません。

ここには絵描き(イラストレーター)との違いはなく、単純に絵のスキルが必要になるので、美術系の大学やイラストレーター学部のある大学、イラストレーター養成の専門学校などに進むことがルートの一つにはなります。

絵師はデジタル作画のスキルが必須になりますので、学校に通わずに独学の場合にはデジタルツールを触れる状況を作っておくことが必要です。

さらに、絵師としての活動するためには注目を集めて多くのファンを獲得する必要があります。

そのためには、流行りのテーマや流行りの作品を熟知してイラストをインターネットに投稿するだけでなく、SNSなどを活用して自分をアピールして認知を広めて行かなければいけません。

なので、自分の力を最大限に魅せるために自己プロデュースをしなければ絵師にはなれません。

絵師の学校・学歴・学費

プロではなく絵師になるのは結果

絵師への近道となる学校は、美術系の大学やイラストレーター学部のある大学、イラストレーターの養成の専門学校です。

これも絵描き(イラストレーター)との違いはありません。

学校へ通う人のほとんどがプロを目指すことにになるので、絵師の道を進むことは結果でしかありません。

学費は、大学(短大)が初年度で多くても200万円程度、専門学校の場合は2年制がほとんどで2年間の費用が200から300万円になっています。

特に専門学校は、オタクカルチャーの仕事に携わりちと思う人が集まる場になるので、オタクカルチャーのトレンドを知るリサーチの場としても有効活用できます。

絵師の資格・試験の難易度

デジタル作画スキルを学ぶ必要アリ

絵師に必要な資格や学歴はありません。

必要なのは絵のスキル、特にデジタル作画の高いスキルが必要になります。

専門学校に通っている場合、学生時代にデジタル作画ツールの磨くと同時に、オタクカルチャーのニーズを研究しておくと絵師としての力がつくだけでなく、学生時代から「絵師活動」を始めることができます。

資格や試験がない分、絵師の前提としてインターネットへの投稿が必要んになりますので、デジタル作画ができるPC環境やインターネット環境が必須となっています。

絵師の給料・年収

実力が給料に反映されているかが重要

絵師の収入は、商業企画でのギャランティと同人活動によって得る報酬がほとんどです。

ある程度の知名度を得ることができ、オタクカルチャーのトレンドとニーズに敏感に対応すれば、同人活動による収入は大きくなります。

ですが、同人活動での収入を期待する場合、二次創作になることがほとんどで、法的にもグレーゾーンのジャンルとなり、将来的な不安はぬぐえません。

もうひとつの絵師の収入の問題点としては、プロとしての経験が浅いために非常識なレベルの低いギャランティ提示で仕事を引き受けてしまう人がいることです。

これはプロの絵描き(イラストレーター)との違いで大きな部分で、問題点でもあります。

そういった人の存在でイラストやキャラクターデザインの全体の相場が崩れていっているからです。

兼業だから絵師としての収入は低くてもいいと考えるのは絵師の活躍の場を失くしてしまう遠因ともなるでしょう。

絵師のやりがい、楽しさ、魅力

ファンからの賞賛がやりがい

絵師の大きなやりがいの一つは、自分の投稿作品が多くの人の目に止まって評価を得ることです。

絵師の場合、投稿先がインターネットであることから、SNS等でファンからの声も届きやすく、これも大きなモチベーションとなっています。

兼業の場合は、絵師としての稼ぎにこだわらずに活動することもできるので、自分の好きなジャンルや描きたいことだけに集中できるのも待遇として優れている点です。

これも、さまざまなジャンルに対応することも大切になる絵描き(イラストレーター)との違いです。

絵師のつらいこと、大変なこと

よくも悪くも自称の職業

漫絵師のつらいところは、収入が安定せずに絵だけで食べていくことが困難であるところです。

兼業であることで、絵描き(イラストレーター)と違って商業的な評価を得る前から自分のスタンスで絵に向かい合うことができますが、逆に考えると、実力だけでなく運(時流に乗らなければ)もなければ本業にすることはできません。

また、いくら作品を投稿していても認知してもらえない「自称・絵師」である期間が長くなると心が折れてしまうきっかけになります。

そして、絵師としてある程度の認知を得て企業からオファーを受けたとしても、発注者の非常識な対応で絵師の活動をやめてしまう人もいます。

絵師に向いている人・適正

自己プロデュース能力は必須

絵師に必要な能力は、絵を描けることはもちろん大切ですが、インターネット上に投稿した作品が注目を集めるための自己プロデュース能力とSNS上で円滑にPRをするためのコミュニケーション能力も必須となります。

加えて同人活動をするためには、DTPデータの作成や印刷所とのやりとりもこなしていかなければいけません。

また最近のオタクカルチャーは海外展開を見据えて企画されること多く、作者のインターネット上の発言によって作品のアニメ化が中止になってしまう事件がありました。

さらに、レベルの低い発注者から「既存作品の模倣」を指示されるケースもありますので、今後は絵師にも高いコンプライアンス精神が重要になってくるでしょう。

絵師の志望動機・目指すきっかけ

漫画で人生が変わったという実感を持つ人が多い

絵師を目指すきっかけになるのは、自分の作品をたくさんの人に見てもらって、楽しんでもらいたいとの思いの場合が多くなります。

そして絵を描くことが好きだということです。

個人の趣味としてでも絵を描き続けることができなければ実力主義の絵師を目指すこと自体が難しいことになります。

ここまでは絵描き(イラストレーター)との違いはないでしょう。

違いを探すとすれば、商業的な成功へのモチベーションです。

絵師の場合、商業的な成功よりも同人的な成功に比重を置いている人が多く、商業からのリクエストに応えるよりは自分の描きたいものをそのまま描いてファンに受け入れてもらうことを重視しているようです。

絵師の勤務時間・休日・生活

イベント前は超多忙

絵師の勤務時間は、個人での作業になるので、人それぞれに変わってきます。

兼業の人の場合は、別の仕事の就業時間以外での活動になり、休日も創作活動に当てています。

絵師を兼業・本業にしていることに関わらず、コミックマーケットなどの大きなイベントでの作品の配布は大切な業務となります。

そのため、イベント前の締め切り時期は、イラストや漫画の創作だけでなく、印刷所とのやりとりもに対応する超多忙になります。

絵師の就職状況・需要

実力だけでなく時代への対応が必要

絵師のニーズは、オタクカルチャーが一定のニーズがある現在は多いと言っていいでしょう。

ですが、絵師は完全に実力主義の世界です。

その実力には、絵を描くスキルだけでなく作品が注目を集めるための自己プレゼンテーションの力も含まれ、多くの人に認知されることが絵師としての第一歩です。

絵師として注目を集めるには、「今何が話題になっていて」「どのようなシチュエーションの絵が求められているのか」を分析して作品を作っていく必要があります。

実力のある描き手+トレンドに対応できるスキルがある描き手であることが認知されて始めて絵師としての活動へとつながっていくのです。

絵師の転職状況・未経験採用

他業種もライバルとなる

絵師への転職は、アニメーターや中小のゲーム開発会社などの低賃金の職についていた人が、副収入として絵師の活動を始めて、そちらが本業になっていくケースがあります。

異業種からも絵のスキル・デジタル作画のスキルがあれば兼業として絵師の活動を始めることはできます。

絵師という職業が自称が許される職種なので、転職活動から絵師へと転職できたかの判断も自分次第になります。

また絵描き(イラストレーター)との違いが少ない分、転職の際には絵描き(イラストレーター)は単純に強力なライバルともなります。

絵師の雇用形態・働き方

本業にしている人は一握り

絵師の労働形態は、ほとんどがフリーランスでの契約と同人誌による収入になります。

ここには絵描き(イラストレーター)との違いはありません。

有名絵師になれば、絵師を本業として年収1000万円に届くことも夢ではありませんが、そのような成功者はほんの一握りです。

絵師のメリットは、プロとアマチュアの間で自分の絵のスキルを活かして自分が描きたいものを描いて、兼業として副収入を得られることにが大きくなります。

また、絵師とイラストレーターの違いとして大きい部分として、営業のスキルがあります。

絵師の場合、インターネットに作品を投稿するだけで、出版社やゲーム会社に作品を持ち込むなどの営業を行っている人は皆無です。

逆にイラストレーターは、常にポートフォリオを持ち歩き、ちょっとした出会いに自分の得意分野をアピールする人が多くいます。

発注者との関係性が希薄になりがちなのも絵師の働き方の特徴かもしれません。

絵師の将来性・今後の見通し

新しい収入の形ができつつある

絵師の将来性は、ライトノベルやゲームアプリなどのオタクカルチャーが一定の需要が見込まれる期間は需要は存在し続けます。

ですが、すでにライトノベルもゲームアプリも右肩上がりの状況ではありません。

加えてライバルとなる他の絵師が、価格破壊を起こすほどの低いギャランティで仕事を請け負っていると、実力市場でありながら実力以下の対価で仕事をする場面も増えてきてしまいます。

このような厳しい状況が予想される絵師の仕事ですが、pixivがクリエイターを継続的に支援するための「FANBOX」というファンコミュニティを設置したり、クラウドファウンディングでの活動資金の調達が一般的になってきているなど、ポジティブな状況もできてきていることにも注目しておいてください。